KORG、幅広い音色をカバーするバーチャル・アナログ音源「KingKORG NEO」を発表
KORGから、幅広い音色をカバーするバーチャル・アナログ音源を搭載し、アナログ・シンセのように機能ごとに整然と配置されたノブを感覚的にエディットすることで、簡単にサウンド・デザインが可能な「KingKORG NEO」が発表された。1月下旬発売を予定している。
コンパクトな軽量ボディに高い演奏性を誇る標準サイズ37鍵キーボードを装備。ステージ・ピアノの上で、あらゆるシーンをカバーするキーボードとして、バラエティに富んだプリセット・サウンドを組み込み、ボコーダー専用マイクも標準装備した。
KingKORG NEOには、バーチャル・アナログ音源XMTを搭載。このXMT(eXpanded Modeling Technology)は、シンプルな操作性で幅広い音色のバリエーションを生み出す目的で開発されたKORG独自のテクノロジー。通常シンセサイザーの音作りにおいてオシレーターは、1つ1つ調整して組み合わせるという完成した形の見えづらい作業をする必要があったが、この製品ではオシレーターの種類と使用する数の組み合わせをアルゴリズム化し、自分が出したい音のベースとなるものを単純に選ぶだけ。この組み合わせは最適なものが選定されており、即戦力となる音が簡単に作れる。また3つのオシレーター x 2つのティンバーにより、分厚いサウンドを作ることも可能。
さまざまな音色を1台のシンセに求める難しい要求にも応えるべく、アナログ・シンセサイザーに代表されるノコギリ波、矩形波、ノイズからPCM/DWGS など多彩なオシレーター・アルゴリズムを搭載し、幅広いニーズにも対応。
フィルターの多彩なバリエーションは、バーチャル・アナログ・モデリングならでは。スタンダードなアナログ・モデリング・フィルターはもちろん、70年代のリードやベースで使われたアナログ・モノフォニック・シンセ、80年代にニューウェーブ系で多用されたポリフォニック・アナログ・シンセ、コルグのアナログ・シンセの代名詞であるMS-20など、有名/定番シンセサイザーに搭載されたフィルターを忠実にモデリングして搭載。さらに、レゾナンス値を上げると自己発振(セルフーオシレーション) する動きも再現するので、アナログ・シンセ特有の醍醐味を味わうことができる。
マイクで入力した音声を機械的なロボットボイスに変えるボコーダー機能(Channel Vocoder)を搭載。KingKORG NEOのボコーダーは、ボコーダー専用機に匹敵する16バンドのフィルターで構成。また往年のボコーダー・サウンドだけでなく、フィルターの周波数をシフト(フォルマント・シフト機能)させたり、各帯域ごとにレベルやパンを調節することでサウンド・キャラクターを大幅に変化させることが可能。これにより、たとえばテクノ・ポップの定番ボコーダー・サウンドのような魅力的なサウンドも簡単に加えることができる。さらに、マイク入力の代わりにティンバーBをモジュレーターとして使うこともでき、シンセ音に対してボコーダー効果をエフェクトとして組み合わせることもできる。KingKORG NEOには金属製の専用グースネック・マイクが付属しており、パネル右側のXLR 端子に差し込むと、すぐにあのおなじみのサウンドが高音質で楽しめる。また、A、Bティンバーの各3つのオシレーターは個別にマイク入力をソースとしても選べるので、声をミックスしたシンセサイズも可能。
KingKORG NEOはSYNTH、LEAD、BASSなど8つのカテゴリーのプリセット・プログラムを200個内蔵し、音の選びやすさと使いやすさが特徴。時代と共に移り変わる音楽シーンに沿う形で、この製品のための新規プログラムを多数搭載した。
ディストーションやアンプ・シミュレーターなどのPRE FXセクション、コーラスやトレモロなどのMOD FXセクション、ホール・リバーブやMODディレイなどのREV/DELAYセクションと、各6タイプから選べる3 系統のマスター・エフェクトを装備。それぞれのタイプ選択のため、個別の専用ダイヤルがパネル上に用意されており、ダイヤルを回して効果を確認しながら最適なものを選び、さらにダイヤルの下に用意されたFXコントロール・ノブで音を仕上げていくことができる。
EGやLFO、ジョイスティックなどのコントロール信号を、ピッチやカットオフなどの音色を構成するパラメーターと仮想的に接続し、パラメーターにモジュレーションをかけて、より自由度の高いサウンド作りが可能になるバーチャル・パッチを6系統搭載。
鍵盤で和音を押さえると、自動的にアルペジオ (分散和音)でフレーズを演奏するステップ・アルペジエーターを搭載。6種類のアルペジオ・タイプを選択し、発音の長さや間隔、各ステップの発音オン/オフなどを設定することで、よりバリエーション豊かな演奏を楽しめる。
ブロックごとに整理され、エディットに集中できる独自のパネル・レイアウトを採用。信号の流れに従ったアナログ・シンセサイザーの考え方を踏襲しつつ、現代の技術で一歩進めた形を実現した。例えばオシレーターは、現在選択されているアルゴリズム名をディスプレイに表示。すぐ横にあるダイヤルを回して名前から音をイメージできるだけでなく、そのダイヤルをプッシュするとANALOG、DWGSなど各ジャンルの先頭にジャンプ。コントロール・ノブにはそれぞれのオシレーターごとに最も効果的、あるいはエディット上重要なパラメーターが的確にアサインされており、アナログ・シンセサイザーにおける「ノブを操作して音を変化させる楽しみ」をダイレクトに味わえる。またマスター・エフェクトには3系統それぞれに専用ダイヤルを用意し、エフェクト効果の違いによる音の変化を簡単に試すことができる。また、自己発光する有機ELディスプレイを採用しているので、暗いステージ上でも高い視認性を実現。
好みのプログラムをいつでもワンプッシュで呼び出せるフェイバリット機能を搭載。8つの(カテゴリー/)フェイバリット・ボタンに合計40プログラムを登録でき、簡単に呼び出すことができる。
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