VOX、Nutubeの特性を活かしたペダル・シリーズ最新モデルが4機種登場

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VOXから、Nutubeの特性を活かしたペダル・シリーズValvenergy 2nd Series最新モデル4機種が8月10日に発売される。

「自分が所有する機材に真空管のニュアンスを加えるエフェクター」をテーマに、すべてのモデルに次世代真空管Nutubeを搭載、ブースター(Power Burst)、真空管式コンプレッサー(Smooth Impact)、オーバードライブ(Fuel Injector)、グラフィック・イコライザー(Tone Sculptor)という、ギタリスト必携のエフェクトを網羅する。前後に組み合わせたギターやエフェクター、そしてアンプの持ち味を活かすエフェクターであり、シンプルで飽きの来ない、自然でいつまでも弾いていたくなるようなペダルを実現した。〇〇系とはカテゴライズされないVOXオリジナルのサウンド、そしてNutubeを活用することで他では真似できない真空管らしい有機的なサウンドを、試行錯誤や調整を繰り返してボイシングしたペダル・シリーズだ。

エフェクト・オン/オフ時のバッファー回路にもこだわりがある。Nutubeの良さを生かすためには、ギターからの最初の入口となる初段に良質なバッファーが必要だった。そのため今回、新たに専用のバッファー回路を開発。エフェクト・オフ時には、バッファード・バイパスでありながら、3mのシールドをアンプに直接プラグインした時のような、自然なレスポンスと軽やかな弾き心地を実現。また、エフェクト・オン時においてもバッファーの特性は生かされており、Nutubeならではのコンプレッションと合わせて、軽やかで弾きやすく、ニュアンスを生かした演奏ができる。

今回の筐体は、エフェクターはボードに入れた時のかっこよさもエフェクターを選ぶポイントだ。それぞれのエフェクターのサウンドをイメージしたデザインのエッチングをトップ・パネルに施している。

●POWER BURST


音の粘りを引き出す1ノブ3モードのシンプルなブースター。ナチュラルなコンプ感やサチュレーション感が得られる、1ノブ3モードのシンプルなブースター。ナチュラルながら、ただ音量を上げるだけではなく、Boostツマミを回していくことによって、「真空管らしい」コンプ感やサチュレーション感が出る。ギターソロの時にグッと前に押し出したい時にはもちろん、本機と組み合わせた他の機材のサウンド・キャラクターは変えないままパワー感を加えたり、サウンドに硬さを感じる場合に力を発揮するエフェクター。

POWER BURSTは「粘り」のあるサウンドをもたらすため、チョーキング・ビブラートなど、ブルースから長きに渡って受け継がれているギターならではのテクニックを表現できる。また、BOOSTを目一杯上げてアンプをドライブさせれば、王道のロック・サウンドになる。

【コントロール説明】
BOOSTつまみ:ブースト量の調整。右に回していくと真空管特有のサチュレーション感とコンプレッション感が加わっていく。
ミニ・スイッチ:好みに応じて3種類のモードがあり、選ぶことが可能。
・TREBLE:高域を強調したモード。高域を押し出したい場合に適している。
・NATURAL:自然なチューブサウンドモード。基準となるモード。
・MIDDLE:中音域を強調したモード。分厚いサウンドを出したい場合や、ソロの時に適している。

●SMOOTH IMPACT


軽いタッチでしっかりと音が出るペダル・タイプ初となる真空管式コンプレッサー。Nutubeの電源電圧の変動によって発生するゲイン変化を利用した、真の真空管式コンプレッサー。ペダル・タイプでは初となる真空管式コンプレッサーで、他の方式のコンプレッサーとは違ったナチュラルな弾き心地が特徴。従来のVCAやオプティカル方式、FET方式ではなく、Tubeの非線形な領域を生かした、クリッピングとも異なる真空管由来の倍音が特徴。

コンプ感を強調したカッティングはもちろんのこと、コンプのニュアンスを感じさせない設定でも軽いタッチでしっかりと音を出すことができるので、コンプレッサーが苦手なプレイヤーや、現代風のクリーン・トーンのバッキング、タッピングなどにも大きな効果がある。またソリッド・アンプやデジタル機器に繋げて、真空管のニュアンスを加えるという使い方もおすすめ。ミニ・スイッチでキャラクターをチョイスすることが可能。

VTG(Vintage)モード
アタックを強調して、サステインも長めなクラシックなサウンドになります。カッティング奏法で効果的なサウンドに。
NAT(Natural)モード
その名の通り、自然なかかり具合により「いかにもコンプペダルを使っている」という感覚ではなく、自然な弾き心地になる。一方、引っ込みがちな高音弦のニュアンスが前に出てくるので、モダン系のバッキングやタッピング演奏をする際などに最適。
Vintageモードと比べると素早いコンプ動作になり、アタックから圧縮をかけ、リリースも短時間になることで、不自然にサステインをコントロールせず、音の粒立ちを揃えたり、音圧を稼ぎたい時に効果的なモード。
SAG(Sagging)モード
ヴィンテージの真空管アンプを大音量で鳴らした時に発生するサグ(SAG)を再現。真空管アンプを弾いたときに得られる自然なコンプレッションと歪みが得られるので、トランジスタ・アンプやデジタル・モデラーなどの機材と組み合わせて、真空管アンプらしさを出したい時にピッタリ。ギターアンプを弾いた時に感じるサグは、電源電圧の降下のために起こる現象で、コンプレッションだけではなくパワー管による歪みも含まれる。このモードではNutubeの歪みを積極的に活用して、歪みとコンプレッションのコンビネーションによってサグを再現。

多くのコントロールを持つコンプレッサーはサウンドの調整がとても大変になる。そのため、シチュエーションや好みに合わせて上記の3つのモードから選び、Tube GainとCompつまみで調整、最後にアウトプット・つまみで音量を合わせることで、簡単な音作りを実現する。

【コントロール】
TUBE GAIN:Nutubeへ送る信号の量の調節。回していくとNutubeによる歪みが加わっていく。
COMP:コンプレッション量の調整。TUBE GAINとの相互作用によってコンプレッションの質感を調整できる。
OUTPUT:出力する音量の調整。
ミニ・スイッチ:3種類のモードがあり、好みとシチュエーションに応じて選べる。
VTG(Vintage):
コンプレッサーのアタック・タイムが早く、リリース・タイムが遅いモード。アタックからコンプレッサーがかかるので、もっともコンプ感の強いモード。いわゆるコンプのかかったギターサウンドになる。
NAT(Natural):
コンプレッサーのアタック・タイムが遅く、リリース・タイムが速い設定。アタック感を失わずにコンプが得られるので、より自然なニュアンスが得られるモード。
SAG(Sagging):
真空管パワーアンプを弾いた時に得られるような自然なコンプレッションと歪みが得られるモード。ソリッドステートアンプやデジタル機材に真空管アンプらしさを加えたい場合に最適。

●FUEL INJECTOR


真空管特有のレスポンスと豊かな倍音、オーガニックな歪みが特徴のオーバードライブ。クセがなく倍音が豊かで、自然なコンプレッション感やバイト感のあるオーバードライブ。アンプメーカーであるVOXが考えるオーバードライブ・ペダルとして、エフェクターらしい歪みではなく、アンプらしい歪みが特徴のエフェクター。また、プリアンプ的に色付けするエフェクターとは異なり、自然な特性のままNutubeで歪ませることにより、接続先のアンプをより歪ませたような音色を得ることができる。TS系をはじめとした多くのドライブ・ペダルと比較しても圧倒的に倍音成分があり、真空管アンプのようなコンプ感が大きな特徴。真空管アンプと同じようにNutubeを多段で歪ませることで生まれる倍音と、TUBEならではのバイアス変動が作り出す粘りのある音色が、アンプらしい音色を生み出す。この特徴により、クリーンな設定のアンプにこのペダルを活用すると、気持ちのいいドライブ・サウンドが得られる。

そしてFUEL INJECTORはサウンドに「粘り」を加えます。それによってチョーキングをした時にもグッと持ち上がるので、弾き手の表現を余すことなく伝えられる。クリーン・アンプに合わせて本機でドライブさせる場合にも、クランチ気味のアンプにブースターとして活用する際にも威力を発揮するだろう。

VOXオリジナルの歪みペダルを出すため、この世にありそうでないオーバードライブを目指してボイシングを入念に行っている。歪みエフェクターで何がいいかを迷っているなら、すでにお気に入りの歪みペダルを持っているプレイヤーにもオススメの一台。
【コントロール説明】
DRIVE:歪み量の調整
TONE:高域の調整
LEVEL:出力する音量の調整
スイッチ:2種類のモードを選択可能
NATURAL:基本のモード/FAT:厚みのある音色 シングルコイルとの組み合わせが最適。

●TONE SCULPTOR


プリアンプ部にNutubeを搭載し、音楽的な歪みを加えるグラフィック・イコライザー。ギターの音作りに特化した周波数帯とQ幅を設定できるグラフィック・イコライザー。プリアンプ部にNutubeを搭載することで、レベルを上げると真空管特有の倍音とコンプレッションが付加される。感覚的に音作りのしやすい100Hz/250Hz/570Hz/800Hz/2.2kHz/5.6kHzという周波数帯域をチョイス。積極的な音作りのために周波数帯域を設定し、一般的なグラフィック・イコライザーよりもQ幅を広くすることによって効果が出やすくなっている。バッキングとソロとの切り替えはもちろん、トータルの調整としても使いやすいイコライザー。

プリ部にNutubeを搭載しているため、レベルを上げて歪ませると、とても音楽的な歪みになる。細かい調整がしやすいようにセンタークリックをあえて設けていない点もポイント。各弦がスッキリ聴こえるように、低域を下げ目/高域を上げ目に設定してクリーン・トーンでのアルペジオで活用したり、ミッドをブーストさせてギター・ソロ時に音を抜けやすくしたり、逆にドンシャリに設定して、ヘヴィなバッキングのサウンドを作ることも可能。

【コントロール説明】
100Hz〜5.6kHz:それぞれ±10dB調整
LEVEL:出力する音量を±12dB調整。

【SPECIFICATIONS:主な仕様(共通)】
接続端子:Input端子、Output端子、DC9V端子
電源:9Vアルカリ乾電池(6F22/6LR62)×1 またはACアダプター電池寿命:
4 hours (VE-PB)
4 hours (VE-SI)
5 hours (VE-FI)
3 hours(VE-TS)
寸法(W x D x H):72mm x 120mm x 55mm(突起物を含む)(VE-TSのみH:54mm)
重量:300g
アクセサリー(別売り):AC アダプタKA181(9V)

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