【インタビュー後編】レトロリロン、新たなアプローチに挑んだ新作EP 「価値観を改めて見直すきっかけになってくれたら嬉しい」

■この作品が、自分の中の価値観を
■改めて見直すきっかけになってくれたら嬉しい

──繰り返し聴くことで、いろんな聴きどころに気が付くことができる作品だと思います。それぞれ、特に聴いて欲しいところなど教えてください。

永山：今作だと、「DND」のドラムですね。ブラスとアンサンブルするときに、どうやって曲をより豪華にするかっていうのはすごく考えました。この曲のいろんなところにこだわりが詰め込まれています。


飯沼：「ヘッドライナー」はベースから始まるんですけど、そういう曲を弾くのが初めてで、ライブで毎回めちゃめちゃ緊張してます(笑)。それと、スラップで弾（はじ）く方を2回連続で「ダッダッ」ってやってるフレーズがちょっと珍しくて、気に入ってます。そこも難しいので緊張するんですけど、聴いて欲しいです。



miri：「独歩」で、落ちるところがあるんですよ。普段だったらピアノコードで弾くところを2音だけで弾いてるのがちょっとした隠し味というか、１人の孤独感を表現したところは聴きどころです。

涼音：コードって3つの音で初めて和音として成立するんですけど、1つ音が抜けてるその感じが、僕の書いた歌詞の擦り切れそうなヒリヒリ感とマッチしていて、さすがだなと思いました。

──ジャケットのアートワークについてもお伺いしますが、モデルは涼音さんが影響を受けたアーティストとして名前を挙げていた黒木渚さんなんですね。

涼音：そうです。僕はずっと黒木渚さんの追っかけをしていたんです(笑)。なので『ロンリーパラドックス』はついにちゃんと同じアーティストとしてお仕事をご一緒にできた作品でもあるんです。このジャケットはタイトルの『ロンリーパラドックス』にかかっていて、影って前から光が当たったら後ろに出るんですけど、これは前から光が当たっているのに影が前から出ていることで、パラドックスっていうのを表現しています。

──完成した2nd EP『ロンリーパラドックス』はどんな１枚になりましたか。

涼音：みんな、自分で何かを決断するっていうときに「これでいいのか」って迷うことがあったり、選んだときに間違ってたんじゃないかとか、「正解」と「間違い」を判断したがると思うし、それを人に委ねることが多いと思うんですよ。そういう何かを決断をするときに、「自分はこれで合ってるんだ」って思えるような1枚になったらいいなと思いますし、この作品が、自分の中の価値観を改めて見直すきっかけになってくれたら嬉しいです。

取材・文◎岡本貴之




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