【インタビュー】V-ROCK＆PUNKアイドル・混沌少女、目黒鹿鳴館単独公演に向けて「全力をかけたステージを観てもらいたい！」

──では、ライブに向けてそれぞれがパフォーマンスの面で強化していることを教えていただけますか？

魑魅魍魎：私は、歌に力を入れています。もともと、歌うことが好きなんですよね。それに混沌少女の曲は勢いがすごく大事なので、ライブでは意気込んじゃって全力で歌っちゃうんですけど、ライブの展開を考えると抑揚があったほうが楽しいだろうなと思って、最近はそこに気を付けています。

天下統一：私も、歌ですね。実は歌声が優しい方で、キャラとは正反対なんです（笑）。昔はバラードが好きでよく歌ったりしていたんですけど、混沌少女では“天下統一”というキャラを活かして、かっこよく、力強く歌えるようになりたいと思っているんです。

不朽不滅：個人的には動きがワンパターンとか小さくならないように気を付けて、自分を大きく見せたいなと思っていて。メンバーにアドバイスしてもらったり、他のアイドルさんの動きでかっこいいなと思ったところを真似してみたりしながら、練習の時に動画を撮っておいて家では窓を鏡代わりにして練習しています。今まで私は、ステージ上でメンバーに気を遣ってしまっていたところがあったんです。周りを気にしちゃうというか……。でも今はそれが無くなって、前よりは声も大きく出せるようになったし、“私だけを見て！”っていう気持ちでステージに立てるようになりました。


──それぞれがパワーアップしていることで、グループ全体のパフォーマンスにも迫力が増したと、最近の混沌少女を観た時に思ったんです。皆さんは、最近の自分たちのライブをどう感じていますか？

天下統一：前までは、すごく“頑張ってます！”とか“一生懸命やってます！”っていうオーラが出ていたと思うんです。最初はそれで良かったと思うんですけど、活動を始めて1年を迎えたぐらいから、それだけじゃ物足りなくなってきたんです。もっとプロっぽくというか、アーティストらしく見せるには必死な姿だけじゃなくて気持ちに余裕を持ってステージに立つことも大事だと思い始めて、今ではそこに至っている感じがありますね。

魑魅魍魎：最近は、楽しそうなライブができているんじゃないかと思います。正直、前までは決められたものを綺麗に見せるっていう部分が強かったんですけど、そこに留まらずにライブ感を出すために試行錯誤してきたので、メンバー自身が楽しそうなライブを最近ではちょっとずつ見せられているんじゃないかと思います。

──きっと、それがフロアの熱量にも繋がっているんでしょうね。

魑魅魍魎：「ステゴマリスト」っていう曲を発表した時に、初めて披露したにも関わらずお客さんがすごく盛り上がってくれたことがあったんですよね。その頃からお客さんの熱量を感じるようになって、それ以降はこの曲があると自信がついたし、武器になる曲だと思ったんです。もちろん「ステゴマリスト」が入っていなくてもメンバー自身に自信がついてきているから、だんだんライブの盛り上がりも大きくなってきていて。みんなの自信がちょっとずつ積み重なって、ステージでも“大丈夫だよね”っていう空気が作れてるのかなって、最近は思います。

天下統一：まとまりがすごく出てきたとも思いますね。自分たちのテンションに左右されることなく、ライブで盛り上げられる力がついてきたと思います。安定感が出てきてはいるんですけど、まだまだ爆発的な盛り上がりには欠けるというか。自然発生的にそういうライブができるようになりたいと思っていて、そのためにはどうしたらいいか、その都度メンバーと話をすることが多いです。

不朽不滅：例えば3人で振りを合わせた方がいいねっていうところは完璧に合わせたり、ライブが良くなるようにメンバー全員で工夫をしています。



──現在、混沌少女には約20曲もの楽曲がありますけれど、それぞれの好みや見せ場を踏まえて、イチオシの曲を教えてください。

不朽不滅：私は「ぶっ壊せ」と「非自殺少女」ですね。「ぶっ壊せ」は曲が好きで、「非自殺少女」は自分の歌うパートが多くて嬉しい曲なので、この2曲です。

天下統一：私はずっと、「青春謳歌」一途ですね。歌詞が好きで、あんまり聴いたことのないテイストの曲でメッチャ耳に残るので、個人的に一番好きな曲なんです。ライブのセットリストに入っていると、テンションが上がります！

魑魅魍魎：さっき話した「ステゴマリスト」は、盛り上がる曲なので歌の部分が少ないんですよ。そういう煽る感じの曲は勢いとかテンションの持って行き方がすごく難しいので、挑戦の1曲ではあるんです。逆に「奇跡を投じる。」っていう最近出した新曲があるんですけど、これはほとんど歌で勢いがある曲からの切り替えが重要ではあるんですけど、そこは心をリセットして歌っていますね。そういう、ライブ中のメリハリも大事にしています。


──曲の幅広さに加えて、コンセプチュアルなところも混沌少女の魅力ではあると思うんですけれど、皆さんがライブでこだわっている部分を改めて教えていただけますか？

不朽不滅：毎回変わる衣装と、毎回変わるセットリストですね。絶対に同じライブはないんですよ。自分の中では混沌少女は他のグループとは全く違うと思っていて、混沌少女にしかない世界観があると思っています。

魑魅魍魎：いつもライブに来てくれている人はもちろん、初めて観た人でも毎回楽しめるライブというところですね。ノリが簡単だったり振りも真似しやすかったり、誰が見ても楽しめるところにはこだわっています。

天下統一：最近はかっこいい曲に加えて、これ混沌少女の曲なの？っていうようなポップで可愛い曲も増えてきたりして、いろんな曲があるからこそいろんな人に刺さると思うんですよね。それに、楽しみ方にルールが無いんですよ。もちろんケガをしたり喧嘩をしたりっていうのは良くないんですけど、周りに合わせる必要はないし、楽しみ方が自由な空間というか。初めてライブに来たとかっていうのも関係なく、ライブ会場に来たらみんな友だちっていう感覚で楽しめる空間だと思っています。だから、混沌少女のライブに自分の居場所を作ってもらえれば、みたいな感覚ですね。


──それでは最後に、12月10日の単独公演への意気込みをお願いします！

不朽不滅：今回のライブタイトルが＜混沌少女＞なんですけど、グループ名がタイトルということで、「今までで最大の単独公演だ」と思って気合いが入ったんですよね。是非、楽しみにしていて欲しいです。目標動員を上回って、誰もが「最高だったね」って思えるライブにしたいと思います。

天下統一：もう、SEが鳴って登場した瞬間の3人の表情からが見どころです！　その後は、すぐライブが終わっちゃうぐらい楽しいと思うんで。

不朽不滅：自分も好きなアイドルを見ていて経験があるんですけど、楽しいライブは秒で終わっちゃうので。そういう楽しいライブを自分たちもしたいです。

魑魅魍魎：より精度の高いライブパフォーマンスをするためにはどうしたらいいかとか、どうしたら観たいと思ってもらえるライブになるかということをメンバーみんなで考えながらこの日のために全力で頑張ってきているので、必死感とか全力感が伝わるライブになると思っています。今まで混沌少女が培ってきたものが見えると思うんですけど、ここからまた新しいステップに行くためにあるステージだとも思っているので、今までにない一面やパフォーマンスも見せていきたいと思っています。

天下統一：ロック系のアイドルさんも増えてきていますけど、ロックやパンクにここまで特化してやっているのは混沌少女だけじゃないかな？っていうぐらい、自信があるんです。是非ロック好きな方には混沌少女のライブを観てもらいたいし、来てくれた人はどんな人であってもこちらの世界に巻き込めるライブをします！　それに、2024年の活動にしっかり繋がるようなライブにもしたいですね。

魑魅魍魎：メンバー3人とも仲が良くて毎日のように一緒にいるんですけど、3人での活動が充実しているからこそ、まだ活動を始めて1年ちょっとなのにもっと一緒にいるんじゃないかと思うくらい濃い時間を過ごしているので。その3人が全力をかけたステージを、1人でも多くの人に観てもらいたいです。

取材・文◎平井綾子
写真◎FAKEDAWN.