【インタビュー】ミイナ・オカベが語る、月9ドラマ『ONE DAY』主題歌と75億回再生のヒット曲「日本語の曲を日本でリリースするという挑戦」
■いい音楽を作り続けることが大切で
■それが唯一の夢なのかなと思います
──ミイナさんは小さい頃から曲を作ってきて、10代の頃からSoundCloudにご自身の曲を投稿していたそうですね。本格的に音楽をやっていこう思ったきっかけはあったんですか?
ミイナ・オカベ:もともと歌うことが大好きでしたし、楽器を演奏するのも好きだったんです。おっしゃっていただいたように、小さい頃から自分で曲を作っていたので、たとえばクリスマスソングを作って家族に披露したり、父へのバースデープレゼントの代わりに歌を作って披露をしたり。そういうことはやってきたんですけど、真剣に曲作りを始めたのは15〜16歳くらいですね。“今後これを自分のキャリアにするんだったら、今から曲作りをしたほうがいいかな”っていう意識からだったんです。
──ということは、その頃からシンガーソングライターになるっていう思いが強かったんですね。
ミイナ・オカベ:ずっとシンガーソングライターになりたいと思っていたんですけど、それを周りに口に出して言うまでは時間がかかりましたね。SoundCloudで曲を発表しても、当時は友だちに内緒にしていたんです。18歳くらいになったときに、ようやくシンガーソングライターになるという信念がぐらつかないようになったというか。自分の力を信用してなかったわけじゃないんですけど、勇気を持って周りに言えるようになった。やっぱり子どもってすぐ批判をしてしまうというか、「あの人のほうがあなたよりもっと歌がうまい」とか、そういう比較をされるのが怖かったし、嫌だったので、なかなか周りには言えなかったんです。
──そうだったんですね。
ミイナ・オカベ:ようやく友だちに、「実は自分で曲を作って歌っているんだ」って言えるようになった頃には、SoundCloudにすでに曲がたくさんあがってる状態で、いろんな曲を聴いてもらうことができたんです。
──曲を聴いてもらうのに勇気がいったということですが、友人の反応はどうでしたか?
ミイナ・オカベ:みんなすごく驚いていましたね(笑)。ハイスクールの最後の年だったんですけど、あの頃はみんなFacebookをやっていたので、SoundCloudのリンクをシェアしたんです。シェアする瞬間は、めちゃくちゃ怖くて震えましたけど。でも、「もし本気でミュージシャンを目指すなら、みんなに曲を聴いてもらわないと意味がないんじゃない?」って父が言ってくれたのは、大きかったなと思います。次の日、緊張しながら学校に行ったら、友だちが「曲聴いたよ。すごくよかった」って言ってくれたり、知らない人が「曲聴いたよ」って話しかけてくれたり。みんなからすごく良い反応が返ってきて。「誰にも知られずに、ずっとこれをやっていたなんて信じられない」とも言われちゃいましたけど(笑)。
──ははは。
ミイナ・オカベ:でもその一件があったことで、すごく自信がついて。以降、スタジオでプロデューサーと仕事をするときとかに、「ほかにこういう曲もあって」とか、臆せずSoundCloudにあげたものを聴いてもらえるようになったりしました。それは、みんなに曲を聴かせたときの経験があったからこそだと思ってます。
──その数年後には、今回の『Flashback EP』にも収録されている「Every Second」(2021年8月発表のデビューアルバム『Better Days』収録曲)が世界的にヒットすることになります。大きな反響を得たことで、制作への意識の変化などはあったんですか?
ミイナ・オカベ:「Every Second」によって自分自身に変化があったかはわからないんです。ただ、たくさんの人が聴いてくれたことには、感謝の気持ちでいっぱいですし、驚きもあって。あの曲のおかげでいろんな機会が開けたのかなというのもあります。もともと「Every Second」は、これまでの曲作りとは違うプロセスでできたものだったんです。
──というと?
ミイナ・オカベ:実は最初、まったく違う曲を完成させるためにスタジオに入っていたんです。だけど、その日はどうしても新しい曲にチャレンジしたいと思って。誰にも言わずに、新曲を作っちゃったんです(笑)。出来上がった曲をレコード会社のA&Rに送ったら、「これはすごくいい!」って興奮してくれて。当初、すでに次のシングル曲は決まっていたんですけど、「こっちでいこう」ってなったんです。さらに、家に帰って曲を聴き直してみたら、スタジオで作ったサビのコーラス部分はもうちょっと作り込めるんじゃないかなと思って、4通り作って。次のスタジオでプロデューサーに聴いてもらったら、「うーん、どれもいいね」って悩んでしまったんですね。私は妹に「どれがいいかな」って送って、プロデューサーは「どれがいいと思う?」ってガールフレンドに聞いて、チームのみんなにも「どれがいいと思う?」って聞いてみたんです。そうしたら、みんなが一致して「これ!」って言ったのが今のバージョンだったという。
──そういうプロセスを経た曲が、まさにみんなに親しまれて愛されたという。
ミイナ・オカベ:歌詞を5回くらい書き直したり、今とは違うバージョンを作ってみたりもした曲だったんですけど。それまではこんなに曲が形を変えていくことはなかったので、面白かったです。最終的にこの形になってよかったなと思っています。
──「Flashback feat. Daichi Yamamoto」は、「新たな試みがあり、楽しくできた」ということでしたが、今後チャレンジしたいことや目標などはありますか。
ミイナ・オカベ:目標はたくさんあるんですけど…大きな夢は音楽を作り続けることかな。アルバムをたくさんリリースして、多くの人に聴いてもらったり、いろんな国へ行ってライブしたい。そうするためにも、いい音楽を作り続けることが大切で、それが唯一の夢なのかなと思います。
取材・文◎吉羽さおり
■日本独自EP『Flashback EP』
【CD】UICO-1335 ¥1,980(税込)
※歌詞・対訳付
▼トラックリスト
1. Flashback feat. Daichi Yamamoto
2. Rain / レイン
3. Waiting Is A Waste / ウェイティング・イズ・ア・ウェイスト
4. Take It Further / テイク・イット・ファーザー
5. Talk To Me / トーク・トゥー・ミー
6. Every Second / エヴリー・セカンド
■デジタル配信「Flashback」2023年10月6日(金)配信開始
1. Flashback
https://www.universal-music.co.jp/mina-okabe/products/ui1as-00288/
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