【インタビュー】Alstroemeria、1stフルアルバム『Blue Earth』のイメージは青春「少し大人になった自分の“濃い青”」
愛知県豊橋市を拠点としながら活動エリアを広げている3ピースロックバンド・Alstroemeria(アルストロメリア)。結成から5年目に突入した彼らが、1stフルアルバム『Blue Earth』をリリースする。疾走感に溢れたサウンドと切ないメロディを融合させ、様々な風景、物語、心情を映し出す作品だ。作風の多彩さも示すこのアルバムについて、メンバーに語ってもらった。
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■ 結局一番好きなのはバンドなんですよね
──バンドを結成したのは2018年ですね。
りくお。(Vo・G):はい。僕の地元は愛知県の北設楽郡東栄町というところで、ものすごく田舎なんですけど、兄と姉もバンドをやっていたんです。僕もバンドをやりたくて教えてくれる人のところに習いに行くようになって、そこでれいや(Dr)と出会いました。
──2人で組んだバンドが、Alstroemeriaの母体?
りくお。:はい。高校生になってから一緒にバンドをやるようになったんですけど、ライブハウスに出た時に他のバンドをやっていた田中(B・Cho)と知り合いました。彼は当時、ギターでしたね。僕らのバンドのベースが抜けた時に田中が「ベースで入らせてくれない?」と。それで今の形になりました。
──バンドを組んだ時は、どのような音楽をやりたいと思っていました?
りくお。:最初の頃は4人編成でELLEGARDENのコピーをやっていました。ちゃんと目標とかを持ってやり始めたのは、この3人になってからだよね?
れいや(Dr):うん。この3人になったくらいからFOMAREやMy Hair is Badもコピーするようになって、ギターロックとかを幅広く知っていくようになりました。
田中(B・Cho):マイヘアは、僕も前のバンドでやっていましたね。大好きです。
りくお。:僕らのオリジナル曲が出来始めた頃に田中が入ってくれて、その頃の方向性はマイヘアとかの影響が強かったです。最近は幅が広がってきて、ロックバンドでありつつ、より歌に寄った音楽をやりたいと思うようになっています。
──みなさんの世代だとバンドの音楽以外にヒップホップ、R&Bとかを聴く人も多いですよね? ボカロとか、打ち込みの音楽も人気がありますし。
りくお。:そうですね。僕もラップは聴きますけど、そこまで影響はされていないです。
田中:僕も中学の頃はボーカロイドの音楽をたくさん聴いていましたけど。
りくお。:いろいろ聴きますけど、結局一番好きなのはバンドなんですよね。
──音楽の楽しさはいろいろな形がありますが、合奏ならではの楽しさってありますからね。
田中:ほんとその通りだと思います。
りくお。:初めてバンドで演奏した時、感動しましたから。
──現時点での活動の中心は東海エリアですか?
りくお。:はい。その辺りを中心にやっています。今後は、どんどんいろんな場所でライブをやっていきたいです。
──フルアルバムは今回の『Blue Earth』が初めてなんですね?
りくお。:そうなんです。2021年にデモアルバムを出したことはあったんですけど。
れいや:今回は曲数が多かったので、曲毎にドラムの音とかにもこだわりました。
りくお。:1stシングルくらいから同じスタジオでレコーディングをするようになったんですけど、だんだんできることが増えてきています。
田中:多分、3rdデモからじゃない?
りくお。:そうだ。3rdデモから同じスタジオで録っています。今回のレコーディングも楽しかったですね。
れいや:いろんな機材を試すことにも興味が出てきています。
りくお。:ますます「音楽楽しい!」ってなってきています。
──5年間の活動の中で、つらくなったことはあります?
りくお。:つらかったことは何度もあります。でも、最終的には「楽しい!」のほうが勝っちゃうんですよ。曲を作る時もいろいろ悩みますけど、出来上がった時は嬉しいし、楽しいです。
田中:つらいと思うことあるの?
りくお。:あるよ。曲を作ろうとしても何も生まれない瞬間があるので、そういう時は自分の不甲斐なさを感じて、「才能ないのかな?」ってなったりするんです。でも、曲ができた時は「天才だな」って(笑)。
──曲が出来上がった時に飲むお酒は美味しいんじゃないですか?
りくお。:僕、お酒が苦手なんです。煙草は好きです。
──曲を書き上げた達成感に浸りながら、「天才だな」と思いながら煙草を吸うんでしょうか?
りくお。:はい。
田中:きっしょ!(笑)。僕もつらい時はありますけどね。高校を卒業してから1年目はサラリーマンをやっていたんです。バンドのリリースツアーをやった時は朝の6時とかに家に帰ってきて、30分くらい寝てから会社に行って働いてました。あれは身体的にきつかったですね。
れいや:僕のつらかったことは…なんでしょうね?
田中:れいやは、そういうのなさそう(笑)。
れいや:つらいというか、一番精神的に喰らったのはコロナの時期です。ライブができなくなって、お客さんも来れなくなったので。
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