【ライブレポート】BAD COLLAR、「今年はこの8人でバカ騒ぎ出来ました!」

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生配信や動画で活躍している歌い手グループ・クレノアによる新プロジェクト「BAD COLLAR」が遂に始動。大成功を収めた大阪公演に続き、熱狂の夜となった10月31日の東京・日本青年館ホールでのワンマンライブの様子を余すことなくお伝えする。

◆ライブ写真

「-襟を正すな、バカ騒げ‐」をテーマに活動を開始したBAD COLLAR。先日行われた大阪公演は盛況のうちに幕を閉じただけに、東京公演にも期待が寄せられた。

開演時間になり場内が暗転すると、客席のあちらこちらでペンライトの光が揺れ始めた。まばゆい光に導かれるようにメンバーが順番にステージに登場し、客席の歓声を大きなものへと変えていく。「ハロウィンパーティー!」との掛け声から「マトリョシカ」のアレンジバージョンがライブの開始を告げた。

ステージ後方には“BAD COLLAR”の文字がギラギラと輝き、ハロウィンらしくカボチャのイラストも映し出される。セットの2階部分で歌うのは、ゆとり、無音、もるでお、ムチャ。1階部分には、しるばーな、まるぐり、しゃけみー、スタンガンが着く。バンドメンバーの勢い溢れる生演奏もさることながら、歌い手8人が揃ったステージは圧巻ともいえる光景であり、それぞれの歌声が混ざった瞬間、客席は思わず感嘆の溜息を漏らした。

「パンダヒーロー」の後には、本日最初のMCへ。スタンディングで行われた大阪公演とは異なり、今日は全席指定。2階席までいっぱいとなった客席に向かって丁寧に手を振り続けるメンバー。そのまま自己紹介へと入ると、楽屋でのリラックスタイムを彷彿とさせるかのようにワチャワチャとした雰囲気を出していく。その和やかな様子に観客も思わず顔がほころんでいく。そうかと思えば、MC後には2組ずつに分かれて歌っていったのだが、楽屋ノリの先程とは打って変わってかっこいいところをこれでもかというぐらい見せていく。



まず、しゃけみーとスタンガンによる「一騎当千」では「盛り上がる準備できてますかー!」とスタンガンが場内を煽ると、しゃけみーもそこに続き「歌えー!」と盛り上げていく。ポップなダンスナンバーで客席を沸かせた後は、もるでおとムチャが「リコレクションエンドロウル」を披露。クールな印象を覗かせながらもステージを自由自在に動きながら歌う2人の姿はとても活き活きとしていた。ゆとりと無音が「エンヴィーベイビー」をセクシーな表情で歌い進めていくと、そこに負けないぐらいの艶っぽさを出してくれたのは、しるばーなとまるぐり。「ロウワー」でセット2階へと続く階段に腰かけて歌う彼らの姿に心を打ち抜かれたファンは多くいたはずだ。



本編序盤が終わると、しるばーなとまるぐりがMCを担当。さっきまでかっこよく歌っていた2人だが、ここではお互いに顔を見合わせながらフワフワほわほわした雰囲気で喋る様子に、客席からは「かわいい!」の声が飛ぶ。また、みんながどこから来たのか気になったらしく客席に向かって尋ねたところ、関東圏はもちろん、遠く北海道から来てくれたファンがいたことに驚きを隠せない様子。全国から多くのファンが応援してくれることを生で見ることができてとても嬉しかったはずだ。



しるばーながステージに残って「CH4NGE」を披露した後は、そのままの状態でステージ上にもるでおを呼ぶ。2人が歌う「イカサマダンス」はどこまでもかっこよかった。そこから、もるでおは「アノニマスファンフアレ」を歌い、前方に飛び出した楽器陣と共にハードな空間を作りあげる。ソロでありながらバンドの雰囲気で一気にノリ良くライブの流れを変えていくあたり、魅せ方を分かっている。そして、ステージ袖からゆっくりと現れたのは、まるぐりだ。抑揚の効かせた声量で「コールボーイ」を歌い終わると、無音と一緒に「シニカルナイトプラン」を。2人が響かせた極上のハーモニーは誰もが聞き入ってしまうほど完璧だった。そのまま無音だけがステージに残って疾走感のある「アイデンティティ」を披露し、本編中盤は終わっていった。



このあとには、お楽しみ企画ともいえる、全員参加型のジェスチャーゲームが待っていた。簡単に説明すると、ステージ後方のスクリーンにジェスチャーのお題が表示され、観客がそのお題を全力で表現し、AとBのチームに分かれたメンバーが当てるというもの。とはいえ、お題がなかなか難解であり、例えば「ゾンビになったまるぐり」「領域展開するもるでお」など、これを当てるのは至難の業という内容が続いた。それでも当ててしまうゆとりの観察力の高さは凄かった。


「まだまだやれますかー!」元気な声で本編後半戦が始まる合図を出す、しゃけみー。彼が選んだのは「Mister Jewel Box」だ。全身でリズムを取りながら歌う様は誰が見ても印象的だったのではないだろうか。しゃけみーとムチャによる「一途」は情熱的なケミストリーを作り出していく。ムチャの「悪魔の踊り方」では客席に向けた背中から自信がみなぎっており、ステージ左側に用意されたお立ち台に足をかける仕草までバッチリと決まっている。そのまま、ゆとりへバトンタッチすると「盛り上がれるかー!」と場内を熱くしていく。「神様は死んだ、って」で見せたハードロックさ、その後にスタンガンと歌った「フォニイ」、スタンガンが大人の魅力で歌い進めた「ジェヘナ」まで、本編後半戦だというのにメンバーは疲れた様子が一切なく、むしろライブが進むほどに元気さが増している様に感じられた。





「たくさん歌わせていただきました!」と感無量の表情を浮かべるスタンガン。そこからまるぐり、もるでお、ムチャが参加して「テオ」を歌ったかと思えば、無音、しるばーな、しゃけみー、ゆとりは「スーサイドパレヱド」で観客を盛り上げる。本編最後には頭上のミラーボールが回る中、全員で「クイーンオブハート」を歌い、「遊びに来てくれたみんなありがとう!」と本編を締めくくった。


しかし当然これで楽しい宴が終わるわけはない。ステージに再び登場したメンバーは「ぱんぷきんくろーばー」で場内をハッピーな空間に変えていく。元々は、この8人が集まってカラオケ配信をしたところからBAD COLLARは始まった。それが、こうして日本青年館ホールでワンマン公演が出来るようになるとは誰が想像しただろうか。

「毎年クレノアとしては曲を上げているけど、今年はこの8人でバカ騒ぎ出来ました!」と言うまるぐりの笑顔はとてもキラキラしていて、それにつられるようにメンバーも最高の笑顔を見せてくれた。


そして、本公演は「Secret Answer」で締めくくられた。今日のバカ騒ぎと、楽しかった思い出と共に、客席にいた皆が帰る準備をしようと思った矢先、「帰りたくない!」というメンバーの一声から、何と特別にもう1曲、「マトリョシカ」のアレンジバージョンが披露された。「もう、好きなように騒ごうぜ!」と始まったこの曲に客席は大盛り上がり。バカ騒ぎの中で最高のラストを見せてくれた。メンバーの次の夢はBAD COLLAR=バカラにちなんで、「ラスベガスで公演をやること」とライブ中に笑いながら話していたが、ラスベガスとは言わないまでも、国内で今日より大きな会場でワンマン公演がやれるのは絶対だと予感させてくれた、良いライブだった。

取材・文◎水谷エリ
写真◎西角郁哉

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