【ライブレポート】CleeNoah -クレノア-、初の有観客ライブで誓った想い

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「今までみんなに‟見守っていてください!”としか言えなかったんだけど、結成2周年を迎えて、みんなの前で歌えて、決心がつきました。 言わせてください。僕らは大丈夫です。これからも信じてついてきてください!」──しゃけみー。

◆ライブ写真

アンコールも残り1曲。そのタイミングで、メンバーがこの日のライブを振り返っての感想を述べていた。しるばーな、まるぐりに続き、そう力強く残したしゃけみーが解放したのは、信じ合える仲間と共に活動をしているグループとしての頼もしい姿。そして、その時点ですでに泣きそうになっていたしるばーなは、最後の最後、ステージを去るときにも、感謝の気持ちが溢れ出し、涙ぐんでしまう。そんなしるばーなに優しく寄り添いあう3人。4人の等身大の姿は、この日、楽曲以上にしっかりとクレノアの歴史の1ページに刻まれたのだった。

2020年5月9日のクレノア結成日に行う予定だった1stワンマンライブのリベンジ公演として、5月14日、Yokohama Bay Hallにておこなった<Advent Clover-創のCleeNoah->の2部。2022年に活動2周年を迎えたクレノアにとって、一人ひとりと直接目を合わせてワンマンライブをするのは、今回が初めて。


開演前からさっそく舞台裏から聴こえてきた円陣を組むクレノアによる威勢のある声に高まる客席。ステージにバンドメンバーがスタンバイすると、SEに合わせてステージのバックライトがテンポよく点滅する。そこに、煌びやかな緑色の衣装に身を包んだクレノアの4人が現れた。しるばーな、まるぐり、しゃけみー、スタンガンだ。


「さあ、かかってこい!!」と切り出したしゃけみーの声から1曲目は、鋭利なギターと歌が共鳴する「アドベントクローバー」。まるで嵐を起こすように、それぞれがありったけの想いを歌に込めていく。ヘドバンを繰り広げるしゃけみーに掛け声をかけるメンバー。この動のステージは、まさにクレノアというグループそのもののようだった。さらに密度の高い「RE:Unison」、畳み掛けるように「残響散歌」と、怒涛の勢いでパフォーマンスを披露するクレノア。メンバーのそれぞれの身振り手振りは個性を感じさせられるのに対して、不思議と一本筋が通っているような統一感がある。


「神っぽいな」でデュエットしたしるばーなとまるぐりは、高音へと突き進むメロディーもそつなくフロアに響かせる。そして、この日のライブでさらにクレノアの強さが浮かび上がってきたのは、ソロパート。まず、しるばーなは、「ギラギラ」を歌い始めたのだが、その艶のある声は完璧なまでに曲の儚げな主人公を演じ切っていた。息をするのも忘れるくらいの歌いっぷりに、客席の心は瞬時に神秘的な空間へとワープしたはずだ。


がなり声を駆使しながら全身からすべてを吐き出すように歌い上げていったしゃけみーの抑揚のある「エゴロック」もパワフルだった。続いて、しるばーな、しゃけみーのパフォーマンスに負けずとも劣らない「ボッカデラベリタ」を繰り出したスタンガン。がなりを入れた声のほか、振動する低音に連動させた動作が、一層楽曲を狂気的なものへと誘導していく。強烈なインパクトを残したスタンガンに続いたまるぐりによる「ベテルギウス」は、それまでのエッジの効いた曲を歌い上げた3人と異なり、穏やかに響き、生命力が宿っていた。音の迫力に勝つ4人の歌声が、圧倒的な歌唱力を持つクレノアを形作っていることが見て取れた。


スタンガンとまるぐりが向かい合い、アイコンタクトをとりながら歌った「逆夢」。メインボーカルとなるスタンガンの透き通る高音を、まるぐりの低音が絶妙に引き立てる。スタンガン、しるばーなにしても、とにかく声域が広い。だからこそ「どっかにいないかなー?私の王子様!」としるばーな、まるぐりがプリンセスに成りきった「ロメオ」では、曲自体のシアトリカルな雰囲気が生きてきていた。この曲はセリフ、表現そのものから、四人の良さが十分に放たれていた1曲だ。

ビターチョコの苦味を含んだ「裏垢ショコラティエ」、「NØISY GLORY」、「インポスター」、「hollow」を経てライブ本編は終了。アンコールを受けて、身軽なTシャツに着替えたクレノアは、再び現れた。しゃけみーのラップがヒートアップする「ヒレフセ」、クリスマスソング「星空のブランシェ」が続いた。


次の楽曲へと移り変わる前のMCでは、時折次の楽曲を彷彿とさせるキーワードをコミカルに会話に織り交ぜつつ、オーディエンスの期待を高めていく。そんなエンタメの充実度合いの高さからも、歌い手グループとしての完成度の高さを感じる。

最後に、リーダーとして「こんなに居心地が良くて相性が良くて、いろんなことができるグループになれていることがとても幸せです。4人でもっともっと大きなステージへ行きたい。ここにいるみんな、まだ会えていないみんなを含めて、たくさん楽しませていきたいなと思っています。これからも末永くよろしくお願いします」と誓ったスタンガン。


ラストナンバーは、客席のペンライトでクレノアのモチーフであるクローバーの色に染まった「約束のウィンクルム」だった。

"10年経っても変わらず君と語り合う"とそう誓おう
"100年経ってもまだ見ぬ君と叫び合う"とそう誓おう
"1000年経っても必ず君と笑い合う"とそう誓おう

しるばーなが書いたこの曲の歌詞は、まさにその直前、クレノアの一人ひとりが届けたばかりの温かな想いと重なっていた。ゆえに、感情の波は大きくなっていき、4人は涙を浮かべながら歌っている。感動と愛が降り注いだ至福の空間。この歌詞にあるように、時間が経過するほどに伝えたい気持ちが大きくなっていくことが感じられた1stワンマンライブだったと思う。

取材・文◎小町碧音
撮影◎西角郁哉

セットリスト

1.「アドベントクローバー」
2.「RE:Unison」
3.「残響散歌」
4.「神っぽいな」
5.「ギラギラ」
6.「エゴロック」
7.「ボッカデラベリタ」
8.「ベテルギウス」
9.「逆夢」
10.「なにやってもうまくいかない」
11.「パンダヒーロー」
12.「キャットラビング」
13.「エリート」
14.「ロメオ」
15.「裏垢ショコラティエ」
16.「NØISY GLORY」
17.「インポスター」
18.「hollow」

ENCORE
19.「ヒレフセ」
20.「星空のブランシェ」
21.「約束のウィンクルム」

◆CleeNoah -クレノア- オフィシャルTwitter
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