【速レポ】モンパチフェス＜WWW!!23＞、湘南乃風「俺達が今、ここに生きていることが素晴らしい」

「サウンドチェックを兼ねて、みんなのバイブスチェックをしたいと思います！ 聴かせてくれ！ オー！ イエー！ パーティー始めるよ。準備できてる奴、お手を拝借！ でっかいClap your hands！ サウンドチェックOK！ バイブスチェックOK！ 砂浜でいくら跳んでも怒られない。まさに今日がWhat a Wonderful World!!」

◆ライブ写真

DJのThe BK Soundがゴキゲンなレゲエナンバーを掛けながら、本番前からハジけたい観客の気持ちを掻き立て、それが破裂寸前まで膨れ上がったところにRED RICE、若旦那、SHOCK EYE、HAN-KUN──湘南乃風の4人が飛び出してきて、「戦闘開始！」となだれこんだ「SHOW TIME」から観客の盛り上がりはすでに最高潮に！






もちろん、それで満足する彼らではない。そこまで盛り上がっているなら、もっともっと盛り上がれるはずだ。

「忘れちゃいけないのは一番の風をこの時間に起こすこと！ 何年経っても一番を目指しています！」とHAN-KUNが声を上げ、結成から23年を迎えたベテランはハブSTAGEをぎっしりと埋めた観客達に挑むように、入り乱れる4人のボーカルアンサンブルが観客の気持ちをさらに燃え上がらせる曲の数々をたたみかけていく。

威勢のいい言葉に観客がタオル回しで応酬した「Joker」。「もっと声を聞きたい！」「モンパチに聴かせてやってくれ！」と若旦那とHAN-KUNがそれぞれに上げた声に応え、観客がシンガロング。そして、「しゃがんでしゃがんで、上がって上がって、飛び跳ねろ！」というHAN-KUNの言葉に応え、一斉にジャンプした「Born to be WILD」と曲を重ねるごとにステージの5人は観客の盛り上がりを確実に更新していく。



「What a Wonderful World!! 素晴らしき世界！ (観客も含め)俺らのことを言うらしい。俺達は素晴らしい。俺達が今、ここに生きていることが素晴らしい。あっちのほうでは戦争やってるかもしれないけど、全力で生きて行けよ！ OK!? 生きるってことは素晴らしいんだって日本から俺達の力を見せてやろうぜ。フォーリミのGENちゃんも言ってた。せっかく生きてるんだったらビビるな、臆病になるな。好きなことを思いっきりやれ。自分の心を輝かせながら！ ピカピカに黄金に光った魂を持ってる奴は拳をあ・げ・ろ！ そのまま！ そのまま！ 拳を上げろ！ 全員だ。モンパチも！」

という若旦那のMC、いや、アジテーションからなだれこんだ「黄金魂」はバラードとも言える魅力も持つエモーショナルなアンセムだ。アッパーな曲をたたみかけ、これでもかと煽ったところで、じっくりと聴かせる曲を投下して、観客の気持ちをぐわんぐわんと揺さぶるのだから堪らない。



そこに繋げたのが「夢物語」。バラードパートとメロウなラップからなる人生賛歌に観客全員がワイプで応える光景は、まさに壮観の一言。そしてトドメを刺すように披露したバラードの「純恋歌」はステージの照明を消して、観客が掲げるスマホの明かりの中、観客全員と歌って、ここにいる全員の脳裏に一生ものの思い出を焼き付ける。“届け愛のうた”というパンチラインの直前に“モンパチに”と付け加えた即興も心憎い。

さあ、これ以上の盛り上がりがあるのだろうかと思わせながら、「今年のストレスは今年の内に全部ぶち負けて、明日から最高の人生だ。What a Wonderful World!!　歌え！」とHAN-KUNが煽って、観客のシンガロングからなだれこんだラストナンバー「睡蓮花」。タオルを回しながら無条件で楽しめるダンスナンバーだから、もちろんラストナンバーにふさわしい盛り上がりが生まれただろう。しかし、この日はモンパチのメンバーを迎え、総勢11人でタオルを回しながら歌い、そして踊ったのだ。



「最後、全員でひとつになるぞ！」──HAN-KUN

タオルを回しながら、全員が飛び跳ね、悔いを残してたまるかと“濡れたまんまで”“イッちゃって!!!”とコール&レスポンスした最後の最後の、この日一番の盛り上がり。ぜひ想像していただきたい。

目の前に広がる光景を目の当たりにしたHAN-KUNが上げた快哉の言葉を借りて、最後を締めくくりたい。

「今日がまさにWhat a Wonderful World!!」


文◎山口智男
写真◎macoty