【速レポ】モンパチフェス＜WWW!!23＞、WANIMA「開催してくれたモンパチに、ここに集まった全員に、ありがとうを込めて」

宜野湾トロピカルビーチがサンセットでオレンジ色に染まった17時40分。沖縄の美しい夕焼けが、＜What a Wonderful World!!23＞のもうひとつの想い出として加わっていく。そんな自然のドラマが終わりに近づいたころ、ハブSTAGEでは楽しくてエキサイティングなドラマが幕を開けようとしていた。

◆ライブ写真

18時過ぎ、ジングルに続いて「JUICE UP!!のテーマ」が流れると、ハンドクラップや指笛がビーチに響き渡る。それに応えて登場したWANIMAの3人。スタンバイするKO-SHIN（G, Cho）、FUJI（Dr, Cho）に対して、KENTA（Vo, B）はビールらしきものを客席エリアに投げたと思えば、今度はタオル。さらにWANIMAのタオルを掲げて、思いっきり振り回す。本人たちも、オーディエンスも、興奮は高まるばかり。


最高潮に高まった中、「＜What a Wonderful World!!＞1曲目、とびっきりの笑みで！」と始まったのは「Hey Lady」。疾走するWANIMAサウンドで気持ちよくさせながら、みんなを歌わせようと、KENTAは自らも歌いつつ「全員で！」「後ろのほう！」と合いの手も入れる。WANIMAの登場直後から楽しむ気満々のオーディエンスは、遠慮なく思いっきり歌い、WANIMAとひとつになっていく。早くもライブのクライマックスを思わせる光景だ。それを思う存分に体感しながらプレイするKO-SHINもFujiも嬉しさを隠せない。とびっきりの笑みだ。

「WANIMAでございます。開催してくれたモンパチに、ここに集まった全員に、ありがとうを込めて歌わせてよ！」──KENTA

KO-SHINのコードストロークと共に始まった「THANX」。まずは1番を最大の感謝も込めて力強く響かせていくが、その直後のこと。「ここにいる全員、Aメロ、Bメロ、サビも歌ってもらっていいか。全員でいこう！」とKENTA。WANIMAサウンドを浴びながらシンガロングするみんなの声はひとつになって、沖縄の夜空にどこまでも響いていく。


感動も楽しさも幸せも目一杯に詰まったWANIMAのライブ。それはいつものことかもしれない。しかし今日はそれに加えて、オーディエンスを一人残らず全員参加させてしまうライブだ。「Cheddar Flavor」では、オーディエンスのハンドクラップを曲のパーカッションやリズムに加えていく。さらに10月11日に発表したアルバム『Catch Up』からの「Do you get it now?」も、イントロから掛け声でテンションを上げつつ、そのリズムや楽しくなるコーラスハーモニーでオーディエンスを踊らせていった。

「沖縄、雨あがり！　沖縄、晴れたぞ！」──KENTA

3日間のうち今日だけ、雨もちらついた宜野湾トロピカルビーチ。しかし今は晴れているという絶好のシチュエーションに「雨あがり」を投下。さらに“ヘイヘーイ！”や“モンパーチ！”とコール＆レスポンスにつなげながら、「Oh!? lie! wrong!!」も決める。


「仲間たちとここにおる全員と一緒に上がっていくんだ。今まで支えてくれたヤツと一緒に上がっていくんだ。2023年、WANIMAを代表する曲ができました」──KENTA

限られた時間内にたくさん曲を聴いてもらおうということか、MCらしいMCをほぼ入れることなく、ここまで次々に曲を展開させてきたWANIMA。だが「夏暁」に入る直前、KENTAは初めてMCを入れ、曲を聴かせていく。切なさや寂しさも描きながら、しかし未来へ向かうための前向きさも伝える。歌いながら感情が膨れ上がったのか、一瞬、顔を手で覆う場面も。


「大事な曲の後は、ここにおる全員で、もうひと盛り上がりできるやつ」と、再び全員参加型で曲を炸裂させていく。WANIMAの音に身を任せて歌いまくるオーディエンスと、表情でも感情のキャッチボールも繰り返しながらライブするKENTA、KO-SHIN、FUJI。盛り上がり方も溢れるムードも、最高だ。ラストナンバー「ともに」には“モンパチ”や“沖縄ありがとう”と感謝の言葉も混ぜこみ、熱量が高いままエンディングまで突き進む。

最後の最後、KENTAの「せぇ〜の！」の合図でみんなでジャンプ。大トリのMONGOL800に最高のステージとオーディエンスを託すWANIMAだった。

文◎長谷川幸信
写真◎SARU(SARUYA AYUMI)