【速レポ】モンパチフェス＜WWW!!23＞04 Limited Sazabys「挑戦することを続けて、生きることを続けて、またこうやっていい場所で再会しましょう」

「生活の中で抱えてるモノとかあると思うんですけど、そういった荷物を少しでも減らして、とにかくここにいる間は楽しんで欲しいなと思います」という言葉通り、美しき海が広がる砂浜に立てられたハブSTAGEを颯爽とエネルギッシュに駆け抜けたのが04 Limited Sazabysだった。

◆ライブ写真

待ち構えた観客から登場を歓迎す大きなるクラップを受け、「一緒にやれる？ 初参戦、注目の1曲目は？」というGEN（B, Vo）の開幕宣言から「swim」を投下し、一気に惹きつけていった彼ら。リラックスしたムードの中にもしっかりと通った芯があり、GENのハイトーンも響き渡るこの曲で口火を切った後、疾走するメロディックチューン「message」、シリアスに迫る「fiction」とつなげるというエグさ。RYU-TA（G, Cho）もキャップを飛ばすほどのめり込み、観客もその勢いにサークルモッシュで応えていく。そんなリミッターが外れたところへGENが「ついてきてる？」と声をかけ、「Alien」をドロップするという追撃も凄まじかった。


「最高に美しいロケーションに憧れていました」とGENが＜MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!23＞への想いを語り、バンドをやる以前から好きだったとMONGOL800に触れたところで、「皆さん、何も心配いらないよ。オレが何とかするからさ」と鳴らし始めたのはMONGOL800トリビュートアルバム『800TRIBUTE-champloo is the BEST!!2-』でも披露した「DON’T WORRY BE HAPPY」。フォーリミらしい彩りが加えられ、RYU-TAの太くしゃがれた歌声もいいアクセントになり、ラストはおもいっきり炸裂するアレンジもニヤリとさせるポイント。会場全体が笑顔と拍手で包まれていく素晴らしい光景が広がっていった。



中盤に入っても、自分自身を問い詰めながら前を向く「No here, No where」、GENが「好きに一緒に遊びましょう」と観客へ促し、それぞれのスタイルで音と一体化した「Kitchen」、気温以上の熱気が渦巻く会場へ向かって「沖縄、起きてんの？」とまだまだ心の奥底にある感情を呼び起こそうと放った「nem…」、まっすぐに恋心を綴り、甘酸っぱいメロディーを染み渡らせた「Honey」と自分たちの音世界を存分に鳴らしていった後、GENがゆっくりと語り始める。


「だんだん大人になってくると新しい挑戦をしづらくなってきてて。今、自分の能力でできるか、とかそんなことばっかで判断しちゃうんだけど、子どものころは何度失敗しても自転車を練習してたし、失敗に失敗に失敗を重ねて成功が待っていたような気がします。そういう新しい挑戦に対して折れずに前に進みたい、そういった楽曲をみなさんに贈ろうと思ってます。みなさんの挑戦することを続けて、生きることを続けて、またこうやっていい場所で再会しましょう」──GEN


現状維持に満足しない彼らだからこそ鳴らせる「Keep going」。“諦めることを　諦めて何度も探そう”という歌詞も、終盤のメンバー4人によるシンガロングも力強く、改めて04 Limited Sazabyというバンドの矜持を伝えてくれた。


そこから改めて＜MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!23＞への感謝の気持ちをGENが口にし、RYU-TAが「かかってこいよ！」と叫んだ「monolith」で締めくくり……かと思いきや、それだけじゃ満足せず、「オレたちが名古屋の04 Limited Sazabysだ！　忘れるなー！」とGENが大声を上げて激走必死のショートチューン「Remember」を叩きつける。余力も隙間も後悔も残さない、彼ららしいステージだった。

文◎ヤコウリュウジ
写真◎macoty