【インタビュー後編】有華、心が折れかけても諦めなかったデビューという夢「チャンスを掴もうと一生懸命でした」

■海外でライブがしたいという新しい目標が生まれました

──温かな環境の中で、メジャー1stフルアルバム『messy bag』が制作されたんですね。

有華：自分の様々な思いが詰まった10曲が一堂に並ぶのは感慨深いです。このアルバムを創るために、合宿みたいな感じで集中して制作させてもらったんですが、そんなふうにぎゅっと短期間で作ることもはじめての経験でした。これまで自由気ままにやってきた時間が長かった分、自分のやり方が沁みついているところもあって、制作中はスタッフさんとけっこう激しく意見交換することもありましたね（笑）。でも、そのときにふと、「もし10代でデビューしていたら、こんなふうに対話はできなかっただろうな」とか「途中で投げ出していたかもしれない」って思ったんです。28歳の私だからこそ、相手の気持ちも理解できるし、自分の思いも伝えながら、話し合ってよりよいものを作ろうと同じ方を向けたんだと思います。

──年明けには、東京と大阪で＜有華ワンマンライブ2024「messy bag」＞も決まりました。

有華：アルバムに収録された楽曲を生で楽しんでいただけるので、とてもワクワクしています。ライブをご覧になったことがある方はわかると思いますが、おしゃべりするのも大好き。お客さんと距離感の近いコミュニケーションを取るのも楽しみなので、曲だけじゃなくそういう部分も有華ならではのライブの一部として楽しんでいただけるんじゃないかなって思います。あと、ライブでとても大切にしているのは、リアルな歌を届けること。「口から音源」みたいな歌唱もすごいと思いますが、私はその場、その時だから湧き出る感情から生まれる歌を大事にしたいです。それが私はライブの醍醐味だと思うので、温度感のある時間をみんなと共有したいと思いますし、そうしたライブの楽しさを伝えられるアーティストでいたいなと思いますね。やっぱりSNSでどれだけ拡散しても、自分の歌が本当に届いているのか不安なところがあるんです。ライブは、その場所に来ていただいて顔を見ながら歌えるので、私が頑張れる一番の理由になっていると思います。

──では最後に、今後の目標や夢をお聞かせください。

有華：「Baby you」という曲が、日本だけでなく世界各国で聴いていただけている実感があるので、海外でライブがしたいという新しい目標が生まれました。たくさんの方々と繋がり、私の歌が広がっていく先には、もしかしたら大好きなディズニーに音楽で携われるんじゃないか……。という希望も湧いてきました。実は、少し前までディズニーという言葉は大きすぎるので、たとえ夢でも口にすることすらできなかったんです。その夢に近づくためにも、もっといい音楽をたくさん届けたいですね。あと、小さな夢ですが、ライブのときに楽屋にホットミールを差し入れしたいです。いまはまだ、おにぎりから卒業してお弁当の段階なので、温かくておしゃれな食事をみんなに食べてもらって、どや顔したいんです（笑）。

取材・文◎橘川有子






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