【対談】⾶良ひかり&瀬島るい × 北澤ゆうほ、ひかるいの友情を表現した⻘春ソング制作秘話「形の違うピースだからハマった」

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■自分にないものを尊重し合えることこそ
■人間関係上いちばん強い絆のかたち


──ひかるいへの2時間超えインタビューをもとに制作されたのが楽曲「シスターピース」だそうですね。

北澤ゆうほ:ほかに類を見ないほど、しっかりした資料をご用意いただいたんです(笑)。ご依頼いただいたタイミングで、スタッフさんによるお二人のインタビューがあっただけでなく、楽曲の方向性などが事前に注力して作り込まれていたんです。私がお二人の世界に入っていきやすくなる土台を、ひかるいチームの皆さんが作ってくださったんだなと思いました。それでまず、ステレオタイプな女の子同士の友情ソングにはしたくないなと思って…実際の女の子って全然そんなことないじゃないですか(笑)。

──本当の友情となると、結構泥くさいですよね(笑)。泣きながら語り合ったりとか。

北澤ゆうほ:楽しくわちゃわちゃって感じでは全然ないと思うんです。お二人が固い絆で結ばれてることが表現されていたり、人間味が感じられる楽曲にしたいというのは資料や打ち合わせからも伝わってきて、そのコンセプトも素晴らしいと思ったんですよね。全然違うタイプのお二人だけど、根本ではすごく近しいところがある。それぞれ芽吹いた人格を尊重しながら支え合っていて、無理に同じになろうとせずに“そのままでいいんだよ”と思えている。だからこそ、ひかるいのお二人は関係を築けているんだと思うんです。自分にないものを尊重し合えることこそ、人間関係上いちばん強い絆のかたちなんじゃないかなって。


▲飛良ひかり

瀬島るい:うれしい! 泣きそうです。「シスターピース」を初めて聴いたとき、“ひかるいの全部がわかるような曲だ! やっぱりゆうほさんは天才だ”と驚いたんです。今のゆうほさんの話を聞いて、それは時間を掛けてひかるいに共感して、ゆうほさんの解釈で噛み砕いて作り上げてくださったからなんだと納得しました。

飛良ひかり:今までのひかるいがわかる、ストーリー性のある歌詞になっているんです。歌詞にある“♪大切な居場所やっと見つけたよ”という言葉も、普段はこっ恥ずかしくて言えなくて(苦笑)。だから歌詞に入っていて、歌でリスナーさんに向けてこういう気持ちを伝えられるのはすごくいいなと思いました。めちゃめちゃいい歌詞だなーってしばらくずっと眺めていました。

瀬島るい:本当に歌詞のとおり“♪カタチの違う二人だからハマったんだ”って常に思っているんですね。得意なことも不得意なこともお互い全然違うから。

飛良ひかり:ひかるいのYouTubeコラボ配信で質問コーナーとかすると、二人の回答が全然違うんだよね。だからリスナーさんも聞いてて面白いんじゃないかな。違う意見だからこそピースがハマって、味が出たりしてるのかも。

瀬島るい:「いやいや、ここはこうでしょ」って私が言うと、ひかりが「いや、違うね!」って反論するみたいなラリーが始まるんです(笑)。それをリスナーさんも楽しみにしてくれてるみたいだし、自分も新鮮で楽しいんですよね。だから、全然違う二人を“ピースがハマった”と表現していただけたところは、ゆうほさんからの“お互いをこう尊重し合っていこうね”というメッセージなんだろうなと思いました。歌詞、全部全部好きなんです!

北澤ゆうほ:ありがとうございます(笑)。お二人の気持ちに寄り添えた手応えがあったので、レコーディングスタジオで歌ってもらったときも、やりがいを感じてたんです。今、さらにこうやってお話を聞いて改めてうれしく思います。


▲瀬島るい

──ボーカル面でもお二人の個性と声の相性の良さがよく出ていると思います。

北澤ゆうほ:二人とも素敵な歌声をお持ちなので、私の仮歌に近づけようとしすぎちゃうのだけは避けてほしいと思ってたんです。歌詞の説得力が増すように、細かいニュアンスをお伝えしたりはしたんですけど、あくまで、ひかるいのお二人が持ってる良さやポテンシャルを存分に出してほしかったんですよね。自信を持って歌ってほしかったので、プリプロもレコーディング本番も緊張しすぎちゃう環境にならないように意識したり。感情的に歌ってくれたらうれしいなと思っていましたね。

──なるほど。楽曲提供のみならず、現場のディレクションも行ったんですね。

北澤ゆうほ:落ちサビは最初ユニゾンで歌ってもらおうかと思っていたんですけど、交互にして、エモさが増したのも良かったなって。でも本当に、よくあのメロディを歌ってくれたなと思います。ちょっと難しくしすぎちゃったかなと心配だったので。

──確かに北澤ゆうほさんのメロディはキャッチーでありながら既成概念にとらわれていないですし、間も独特ですよね。

北澤ゆうほ:難しくしすぎちゃったかなと思ってたけど、プリプロではお二人ともばっちり歌えてらっしゃって。ものすごくちゃんと練習してきてくれたんだなと感動しました。

瀬島るい:難しさはもちろんあったんです(笑)。でもまさか、わざわざプリプロに来てくださるとは思ってなかったんですよ。プリプロで一緒に練習してくださったから気づけた部分がいろいろとあって。リズムはもちろん、伸ばす部分とか音符の長さにも気をつけたり。プリプロと本番の2回も、こんなに丁寧にしていただけるなんて本当にありがたかったです。プリプロがあったから、レコーディング本番で自信を持って歌うことができました。

飛良ひかり:ゆうほさんのアドバイスが本当にありがたくて。普段、歌ってみた動画でかわいい系の歌い方をよくしてるんですけど、ゆうほさんから「地声っぽいトーンがすごく素敵だから」と言っていただけたので、今回はちょっとカッコよくというか、地声マシマシで低音も出してみようかなと思ったんです。だから「シスターピース」は今までと全然違った歌い方になって、新しい自分を出せたなって思います。


▲北澤ゆうほ(the peggies / Q.I.S)

北澤ゆうほ:ひかりさんの声は倍音成分というか、空気感を多く含んでる感じで。ウィスパーっぽい感じもありつつ芯がある。そういうところが素敵だなと思ったので、「地声増しで歌ってみてもらえませんか?」とお願いしました。るいさんは瑞々しく歌ってくださったので、フルーツ食べてる気分だ!って思いながら聴いていました。歌詞の等身大なところやリアルな部分を表してくれる声だなって。

瀬島るい:うれしい! 私もあまり自分の“カッコいい”みたいなところを、今まで見いだせたことがなくて。だから、“瀬島るいのカッコよさみたいなものってここなのかも”という着地点を実感できたのは、ゆうほさんと「シスターピース」おかげです。これから「フルーツみたいな歌声です」って言っていきます(笑)!

北澤ゆうほ:それぞれに全然違う良さがあって。だからこそ歌割り一つで、全然聴こえ方の印象が変わってくるだろうなと思ってました。“どうやって歌ってもらおう” “どういう歌割りにしよう”というのはぎりぎりまで何度もイメージしましたし、お二人とも相談しながら進めたんですね。“こっちがいいかな” “でもやっぱりこっちのほうがいいかも”という私の気持ちの揺らぎに、お二人ともじっくり付き合ってくれてありがたかったです。

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