【レポート】BIGYUKI、「世界初? 熱のこもったライブパフォーマンスをそのままパッケージ化するレコードプロジェクトが始動」
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2023年8月21日(月)、南青山のBAROOMにて開催された<JAZZ at BAROOM - BIGYUKI - >。<JAZZ at BAROOM>は同施設で7月から始まったライブシリーズであるが、今回フューチャーされたBIGYUKIはピアノをメインに、湧き出る感情そのままに自由にパフォーマンスする1日目の「Acoustic」と、日本最高峰のAIクリエイティブチームQosmo(菅野薫、徳井直生、中嶋亮介、Alex Han)との共演による、最先端AI技術とのコラボレーションが行われる2日目の「Electric “John Connor Project” with Qosmo」が行われることになった。ここでは1日目の「Acoustic」の模様をレポートする。
◆<JAZZ at BAROOM - BIGYUKI - > 関連画像
BAROOMの特徴的な円形ステージにはグランドピアノとSEQUENTIAL Prophet-5がハの字に置かれ、中央卓にはBOSS RC-505mkII(ルーパー)、MOOG moogerfooger MF-104M Analog Delay(ディレイ)、STRYMON blueSky(リバーブ)がセットされていた。
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満員の観客の中、15分ほど遅れてスタートした<JAZZ at BAROOM - BIGYUKI - >。一曲目はボコーダーを利用した「Revolution US」。後のMCで「自分のオリジナル曲と好きな曲のカバーを好きなように“解体”し“再構築”することがテーマ。曲の中から新たに曲を作り出していく感覚で演奏しようかなと思っている」と語るように、大胆なアレンジで、まさに再構築され、新たな一曲となっており、オープニングから観客を惹きつけた形である。自身の「Nunu」、ハービー・ハンコックのカバー「Tell Me a bedtime story」とピアノでのパフォーマンスが続く。時に静かに、時に荘厳に、ともに元曲を大きく“逸脱”したアレンジで、この日ならではの、ここだけしか聴けない名演と言える内容だ。
そしてMC。ここで、BIGYUKI自身から本日の趣旨が説明される。今回はライブ録音にてリモートダイレクトカッティングが行われるという前代未聞の試みが行われるのである。それは、この日始動した、BAROOMにて熱のこもったライブパフォーマンスをそのままパッケージ化するレコードプロジェクト。演奏した音をその場でミックスダウンしアナログレコードの元になるラッカー盤(マスター盤)にリアルタイムでカッティングしていく、アナログ盤の最高音質を追求した「ダイレクトカッティング」を、従来の方法とは異なり、ライブ会場であるBAROOMと日本コロムビアのカッティングスタジオを高速インターネット回線で繋ぎ、リモートダイレクトカッティングを実現するというもの。アナログレコードの解像度を遥かに凌ぐデジタルストリームで伝送しながら、パフォーマンスが生まれた“その瞬間”を高音質で収録する試みだ。
次の曲でリアルタイムでレコードにダイレクトカッティングが行われることを説明、それは「世界初なんじゃないでしょうか?」というコメントに、会場から大きな拍手が送られる。そんな試みに選ばれたのは2021年にリリースされたアルバム『ネオン・チャプター』から「Theia」。原曲はバンド編成のジャジーな作りだが、この日はソロでの再解釈バージョン。「曲の中から新たに曲を作り出していく」瞬間を体験できたわけである。
「Theia」演奏終了後、「よっしゃ、怖いとこ終わりました(笑)」といって新たな気持ちで始まったのが、ニルヴァーナ「Lithium」、ロバート・グラスパー「Portrait Of An Angel」。それにボコーダーとルーパーを駆使した「Something Between Us」、最後はビートルズの「A Day In The Life」とアコースティックピアノとシンセサイザーを縦横無尽に横断し、エフェクターで空間をコントロールする、BIGYUKIの自由な演奏が続いた。
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アンコールは美しいメロディが印象的な自身の「In A Spiral」。ボコーダーを使用し、よりエレクトロニックに仕上げられた楽曲は、もちろん元曲を“解体”し、“再構築”した、この日だけのオリジナルアレンジである。実はこの曲もリアルタイムでレコーディングされていたとのことで、近日中に聴けるかもしれない。
リアルタイムでレコードにダイレクトカッティングするという、おそらく世界初となった本公演。BIGYUKIの演奏力、リアレンジ力もさることながら、あのライブパフォーマンスの一瞬を後日改めて聴くことができる喜びをみなさまにも体験していただきたい。今後の同プロジェクトに大いに期待を込めて。
Photo by Hayato Watanabe
<JAZZ at BAROOM - BIGYUKI - >
南青山BAROOM
SETLIST
1.Revolution US
2.Nunu
3.Tell Me a bedtime story (Vamp)
4.Theia *REC
5.Lithium
6.Portrait Of An Angel
7.Something Between Us
8.A Day In The Life
9Ending (In A Spiral)
(Encore)
10.In A Spiral *REC
<JAZZ at BAROOM>
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<JAZZ at BAROOM ー 4Aces ー>
■日時 / DATE&TIME
2023.8.30.wed
OPEN 18:30|START 19:30
■料金 / PRICE
HALL TICKET ¥5,500 ※SOLD OUT
【配信の詳細はこちら】
https://www.video.unext.jp/livedetail/LIV0000002739
【販売期間】
2023年8月17日(木)12:00~9月6日(水)21:00まで
【販売価格】
2,200円(税込)
【配信時間】
ライブ配信:2023年8月30日(水)19:00 ~ ライブ終了まで
見逃し配信:準備完了次第 ~ 9月6日(金)23:59まで
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<JAZZ at BAROOM ー swingoza+ ー>
■日時 / DATE&TIME
2023.8.31.thu
ENTRANCE OPEN 18:00|HALL OPEN 18:30|LIVE START 19:30
■料金 / PRICE
HALL TICKET 前売 ¥6,000 / 当日 ¥6,500
■チケット購入先 / TICKETS
https://jab230831.peatix.com
◆BIGYUKI Twitter
◆BAROOM オフィシャルサイト
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