【インタビュー】『マガツノート』チーム怒・逆鱗、「我の力を世に知らしめる、最高のステージになるはずだ」

近未来戦国×ダーク楽曲メディアミックスプロジェクト『マガツノート』。現在は、ボイスドラマ『戦シーズン 弐nd Battle 荒魂大祭』（通称：戦シーズン2）と連動した、プロジェクト初のライブハウスツアー＜マガツノート全国巡業二〇二三 荒魂決起會＞が開催されている。

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『戦シーズン2』は、武将達が各陣営の枠を超え、「喜」「怒」「哀」「楽」をテーマにした4組のシャッフルバンドを結成。解放区最高のアーティスト集団【ORIBE】が主催する音楽フェス＜荒魂大祭＞に出演するという物語だ。今回のライブハウスツアーは、とある理由で強制終了となってしまった＜荒魂大祭＞のリベンジとして、各地のライブハウスを廻るというコンセプトで行なわれている。また、各シャッフルバンドの楽曲は、ヴィジュアル系バンドの甘い暴力とRAZORが担当。8月13日には彼らが提供した4曲が収録されたCDもリリースされることが決定している。

BARKSでは『戦シーズン2』に登場した全シャッフルバンドへインタビューを行なってきたが、今回でついに最終回。最後を飾るのは、織田信長（Vo／CV：神尾晋一郎）とメフィスト（G／CV：森久保祥太郎）によるチーム怒・逆鱗だ。彼らは先に登場した3組とは異なり、フェスの主催者であり、【ORIBE】の代表を務める利休が直々にオファーしたことで結成されたバンド。各バンドの練習風景をモニタリングしていたその裏側や、RAZORが楽曲提供をした「追憶の果てに眠れ」など、邪悪で異様な緊張感が立ち込める中、話を訊いた。

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──【逆鱗】というバンド名はどなたが決めたんですか？

織田信長：我が独断により決めた。言葉の由縁は竜が触れられることを非常に嫌うという、喉元に1枚逆さに生えた鱗にある。それが転じて『天子の者の怒り』を表す言葉になった。【チーム怒】、そしてこの織田信長が率いるバンドとしてこれ以上の名はない。

メフィスト：ええ、信長様のセンスは素晴らしい！　名前から滲み出る存在感はまさに魔王そのもの……！　……ですが、少しは私の意見も聞き入れていただきたかったですね。私も色々考えていたのですよ？　有無を言わさず全てボツにされてしまいましたが……。

信長：我の決定に不平でもあるのか？　メフィストよ。

メフィスト：おっと、信長公の『逆鱗』に触れるところでした。もちろん、あなた様の決断に異論はありませんよ、フフフ。

──チーム怒の楽曲は、重厚かつ凶暴なバンドサウンドを轟かせる「追憶の果てに眠れ」でした。こちらの楽曲を初めて聴いたときの感想を教えていただきたいです。

信長：善悪を超越し、全てを燃やし尽くす……、我の『怒り』をこれ以上ないほどよく表していると感心したものだ。気に入ったとも。利休め、さては当て書きさせたな？　我が生き様を歌にしようなど、相変わらず創作に関しては恐れ知らずよ。

メフィスト：ブラボー！　すぐに気に入りましたよ。やはり、人の憎悪は甘美ですねぇ、フフフフフ。これを聴いた者は信長様に従わざるを得ないでしょう！



──御二方とも音楽はお好きだとは思うのですが、どのような楽曲が好みですか？

信長：遥か昔に聴いた西洋音楽は、今でも印象に残っている。だが、聴きたくとも、もはやこの時代には存在せん。音楽にも流行り廃りがある、嘆いていてもしようのないこと。ゆえに、新たな我好みの音楽を追い求め、選り好みなどせずに聴くこともある。

メフィスト：色々な曲を聴きますが、好みで言うと激しい曲でしょう！　シャウトが入るような……、それこそ今回の「追憶の果てに眠れ」も好みです。怒り、憎しみ、悲しみ、そういった負の感情を歌っている曲はそそられます。人の悲鳴や怨嗟の声が大好きなもので……フフフフ。あ、今のところはカットでお願いしますね？



──御二方は、他の3バンド（【益荒鬼-MASRAO-】【化楽²】【屠所之羊】）の共同生活を利休様とモニタリングされていましたが、特に印象に残っていることはありましたか？

信長：ふん……、蘭丸がすぐにチームに溶け込んだのは驚いた。これまであの有象無象共に与えてきた、恐怖が足りなかったか……、我の配下の者がいて、あれほど間の抜けた空気になるとはな。まあ、蘭丸のあの軽口も影響しているようだが。

メフィスト：おや。もしかして信長様、嫉妬してらっしゃいます？　愛しの蘭丸様が他の者たちに取られたと。

信長：たわけ。あの偽物にそんな気など起こすはずもない。

メフィスト：フフフ、そういうことにしておきましょう。私は閉鎖空間での共同生活で現れる、人間の醜い部分が見れて満足でしたよ。協力しようと決めた次の瞬間には争いを始める……、仕事や価値観の押し付け合い……、そんな滑稽な武将達は最高のエンターテインメントでしたよ！


──ちなみに、他の3組でちょっと面白そうだなと思ったバンドを挙げるとするといかがでしょうか。

信長：無論、我のバンドが一番に決まっているであろう。あえて、他のバンドから選ぶとすれば金柑……光秀のところか。個々の技術力や全体のまとまりが、他よりマシだったというだけだがな。

メフィスト：【屠所之羊】ですか。あのバンドは確か、哀しみの感情を表現した曲を披露していましたね？

信長：まぁ、あそこには金柑と左馬之助に、幸村のヤツまでいるのだ。あの３人が揃って、他のチーム以下になどなろうはずもない。もしも次に我が【逆鱗】の前座を任せるとすれば、ヤツらが第一候補よ。……もっとも、金柑は嫌がるであろうがな。フフフ。

メフィスト：信長様が素直に褒めるとは珍しい……。ですが、私としては【化楽²】の観客を巻き込んで作るあの独特の雰囲気も、【益荒鬼-MASRAO-】の会場の盛り上げ方も、甲乙つけがたい出来だったと思いますよ。

──チーム怒は、信長様が本番直前まで参加の返事を保留されていたこともあり、特に音を合わせることはされていなかったようですが……信長様は、メフィスト様のギタープレイについてどんな印象を持たれましたか？

信長：即興で合わせたにしては悪くない出来だった。人間の心を揺さぶるような、烈々と響く音。よもや、悪魔の力を使ったのではあるまいな？

メフィスト：これはこれは、信長様に褒めていただけるとは光栄ですねぇ。ですが、悪魔の力など使ってはいませんよ？　これが私の実力です、フフフ。……まぁ、いつ振られてもいいように最低限練習はしていましたが。

──メフィスト様はいかがでしょうか。信長様の歌を聴いた感想といいますと。

メフィスト：さすがは信長様！　会場全体を掌握する歌声には賞賛するしかありませんでしたよ。信長様の歌声に引っ張られる形で、いつの間にか私の演奏もノっていました。フフッ、他の武将達の圧倒的な魂響に気圧される様子と言ったら……、愉快なものでしたね。

信長：フッ、あの程度、我には造作もないことよ。だが、ボーカルの歌に牽引されねば演奏できないようでは、我がバンドに名を連ねる者として、力不足ではないか？　メフィストよ、精進するがいい。



──最後は機材トラブルで強制終了という形にはなってしまいましたが、フェスのステージに立ってみていかがでしたでしょうか。

信長：有象無象共に我の力を示す場としては、悪くはなかった。……が、それゆえ中途半端に終わったことが許せん。利休め、我が魂響の力を甘く見積もるなど、あやつでなければ斬り捨てているところだ。

メフィスト：たまには、ああして歓声を浴びるというのも、存外悪くないものですねぇ？　皆から向けられる憧憬の眼差しときたら……、クセになりそうでしたよ。仕事柄、普段はどちらかというと裏方がメインなので、尚更そう感じたのかもしれません。

──この記事が公開される頃には、全国ツアー＜マガツノート全国巡業二〇二三「荒魂決起會」＞も終盤戦。7月27日（木）には、渋谷WWW Xにてチーム怒をフィーチャーした「憤怒ノ夜」が、そして8月27日（日）にヒューリックホール東京にて＜「荒魂決起會」千秋楽公演【荒魂大祭】＞が開催されることになっており、信長様は両公演共にご出演されることになっています。最後にこちらの意気込みをいただければと思います。

信長：利休のヤツが、我の魂響を受け止められるだけの機材を用意できるのであれば、参加してやろう。だが、我の全力は前回の比ではない。我の力を見誤らんようにな。今度こそ、我の力を世に知らしめる、最高のステージになるはずだ。せいぜい覚悟しておくことだな、フハハハハハハ！

──インタビューはこれで以上になります。本日は貴重なお時間をいただきどうもありがとうございました。

メフィスト：……あ、そうそう忘れていました。最後にもう１つ。この記事を見ている皆様、叶えたい欲望はありませんか？　我々【悪魔斡旋会社DD】はそんな皆様に悪魔との契約を斡旋しております。気になった方は、ぜひこのメフィストまでご連絡を。フフフ……。

文◎山口哲生