【ライブレポート】[Alexandros]白井眞輝がベース参加、KARASとCHAIのYUNAも加わった<FREE STYLE JAM SESSION>開催
白井眞輝([Alexandros])が、KARASとYUNA(CHAI)とともにライブイベント<FREE STYLE JAM SESSION>を開催した。当日のオフィシャルレポートをお届けする。
◆<FREE STYLE JAM SESSION> 画像
2023年6月7日、[Alexandros]のギタリスト白井眞輝が青山にあるライブハウス月見ル君想フで、気鋭のギタリストKARASとCHAIのドラマーYUNAとともに<FREE STYLE JAM SESSION>と題したライブイベントを開催した。それに先立ち、5月25日にイベントの開催が[Alexandros]のWEBサイトとTwitterで告知されたとき、頭の中にクエスチョンマークがいくつも浮かんだという人は筆者も含め、きっと少なくなかったはずだ。
え、ベーシストとして参加ってどういうこと? 基本インプロ(即興)?? そもそも、いつからそんなプロジェクトをやっていたの??? なぜ、この3人なの????
「何をやるかわからないのに、みんな、よく来たね」と白井自身も笑っていたが、100人ほどのキャパとは言え、チケットが即完したのは、[Alexandros]とCHAIの人気もさることながら、何をやるかわからない不安よりもいくつも浮かんだクエスチョンマークに対する興味が勝ったということだろう。
[Alexandros]のファンならご存じのとおり、白井は元々、ベーシストとしてバンド活動を始めている。当時まだ[Champagne]と名乗っていた川上洋平(Vo, G)と磯部寛之(Ba, Cho)らのバンドにギタリストとして誘われた時も、自分の他にリード担当のギタリストがいるならと加入を承諾したのだ。その後、そのギタリストが抜けてしまったため、ギタリストとしての白井の本格的なキャリアが始まったわけだが、そんな白井が原点に戻って(なのかどうかわからないけど)ベースをプレイする姿、ファンなら一度は見ておきたいという気持ちもあったに違いない。
ともあれ、興味津々という様子の観客がドリンク片手に見守る中、記念すべき<FREE STYLE JAM SESSION>の1回目は、KARASが奏でるエレクトリック・ギターの単音フレーズから始まった。そこから90分。3人は和気藹々としたトークを交えながら、全6曲を披露。一度話し始めたら止まらないという理由から、腕時計を睨みながら、シビアにタイムキープに務める白井の姿は[Alexandros]のライブではお目にかかれない貴重なものだったことも忘れずに記しておきたいが、終演後、確認したところ、全6曲中5曲はこの日、いや、その瞬間初めて演奏した正真正銘のインプロだったそうだ。
それにもかかわらず、ジャム・セッションという言葉から連想するソロの応酬ではなく、インストながら歌心と起承転結とも言える展開を持ついわゆる楽曲として成立させてしまうところにプレイヤーとしての3人の技量や、3人のグルーブの心地よさを追求するという3人の共通の目標が窺える。
KARASはジャズ/フュージョンをバックボーンに持つギタリストのようだ。しかし、歪み、残響、揺れ系のエフェクターを駆使しながらフリーキーにもエモーショナルにもなるプレイはジャンルを超えた魅力を感じさせるものだ。豊かなイマジネーションとテクニック、そしてパッションを持つギタリストと、そのギターから放たれるフレーズと対話するようにプレイするYUNA。2人を支えるように5弦のエレクトリック・ベースでクールにリズムを刻むことに徹していた白井は時折、プレイにグリッサンドやビブラートを加え、演奏にアクセントを付けることも忘れない。
白井曰く「全幅の信頼を寄せている」というKARASと白井の出会いは7年ほど前のことだったそうだ。21年12月、[Alexandros]が日本テレビ系の音楽番組『MUSIC BLOOD』で「閃光」を演奏したとき、サポートとして加わっていたギタリストとして、彼のことを記憶している[Alexandros]のファンもいるかもしれない。
そのKARASと白井が急接近したのはコロナ禍の間のことだった。緊急事態宣言の解除後、時節柄、最初は「ピクニックにでも行こう」と公園に出かけたそうだが、そのピクニックにKARASが誘ったのが、お互いに名古屋を拠点にしていた頃、セッションした経験があるYUNAだった。青空の下、語り合ううちに3人は意気投合。バンドが動きづらい時期だっただけに楽器を演奏したいという気持ちは、3人とも同じだったのだろう。ベースを弾いて、ただただグルーブを作るだけのセッションをやりたいと考えていた白井がふと言った「セッションしたいよね」という言葉に2人が応え、誰に聴かせるわけでも、見せるわけでもないセッションが始まった。
セッションの参加メンバーの顔ぶれは日によって増えたり減ったりしたそうだが、最終的に現在の3人に落ち着き、セッションを重ねる中で、「こんなにいい音楽なんだから、スタジオで終わらせるだけではもったいない」と感じるようになった白井がある日、「ライブやらない?」と提案したところ、KARASとYUNAが賛成。<FREE STYLE JAM SESSION>と題したライブ・イベントの開催が実現した。
早速、手応えを掴んだのか、3人は2曲目からいきなり観客から募った「明るい曲」「月」というお題の元、チルアウトな演奏を披露するというインプロならではの粋な演出も楽しませる。
「一緒に飲んで楽しみましょう!乾杯!」というKARASの音頭でグラスを掲げたあと、YUNAのドラムから始まった3曲目は、ファンキーな演奏がKARASの緊張感に満ちたプレイによってハードボイルド風に展開する。
この日、白井はベースのみならず、最近購入したという琉球カリンバも演奏した。その4曲目はアンビエントなインストの趣。ブラシを使って、繊細なニュアンスを表現したYUNAのドラム・プレイ、音響効果を思わせるKARASのギター・プレイも聴きどころだった。そして、白井がアコースティック・ベースに持ち替えた5曲目は、ムーディーかつエキゾチックなサーフ・ロック風のインストに。演奏が進むにつれ、ぐんぐんと熱度を上げるKARASのプレイに煽られるようにリズム隊2人の演奏も白熱!
最後を飾ったのは、[Alexandros]の「アルペジオ」。同曲のギター・フレーズを5弦ベースで奏でる白井と、そこにオブリも含め、バッキング的なギターを加えるKARASのアンサンブル上の立ち位置が演奏中、逆転。KARASがリード・ラインを弾き始めると、あうんの呼吸で白井がリズム・プレイに回るという見事なコンビネーションは、確実にこの日の見どころだったと思う。
「ありがとうございました。また、どこかでお会いしましょう。またあるかどうかわからないですけど、やり足りない感じがあるんで」と白井が締めくくりの挨拶をすると、客席から「おぉ~」という声が沸いた。「バンド名は決めないの?」と客席から声が飛ぶ。それに対して、「バンド名は次までに決めます」と白井が答えると、客席から「おぉ~~」と明らかに期待に満ちた、さっきよりも大きな歓声が沸いたのだった。
終演後、3人の出会いも含め、KARAS、YUNA、白井の3人に話を聞かせたもらったところ、3人ともこのプロジェクトに大きな可能性を感じていることが伝わってきた。また、1曲1曲に対して、大きな拍手を送る観客の反応からも大きな手応えを感じたに違いない。それぞれに忙しい3人だから、すぐにでもというわけには行かないと思うが、近い将来、第2回目が開催されるんじゃないかと大いに期待している。
取材・文◎山口智男
撮影◎河本悠貴
■[Alexandros] LIVE DVD &Blu-ray『But wait. Arena? 2022 Tour -Final-』
【初回限定盤 LIVE Blu-ray】UPXH-9034 / ¥9,900(税込)
※1Blu-ray+ドキュメンタリーブック 『LIKE A LED BALLOON』(196P)
【初回限定盤 LIVE DVD】UPBH-9573 / ¥8,800(税込)
※2DVD+ドキュメンタリーブック 『LIKE A LED BALLOON』(196P)
【通常盤 LIVE Blu-ray (1Blu-ray)】UPXH-1085 / ¥4,400(税込)
【通常盤 LIVE DVD (1DVD)】UPBH-1508 / ¥3,850(税込)
▼収録内容:全形態共通
<But wait. Arena? 2022>@国立代々木競技場第一体育館 (2022/12/08)
Aleatoric
Adventure
Baby's Alright
Waitress, Waitress!
無心拍数
クラッシュ
あまりにも素敵な夜だから
SNOW SOUND
Kick&Spin
どーでもいいから
Kaiju
Wanna Get Out
Claw
Waterdrop
日々、織々
Rock The World
ムーンソング
明日、また
Girl A
we are still kids & stray cats
Your Song
awkward
閃光
空と青
Philosophy
ワタリドリ
Starrrrrrr
Untitled
▼初回限定盤 DVD&Blu-ray特典映像収録内容
<But wait. Arena? 2022>@国立代々木競技場第一体育館 (2022/12/07)
city
Kick&Spin
Thunder
Girl A
Dracula La
<But wait. Tour? 2022>@相模女子大学グリーンホール振替公演
For Freedom(2023/01/16)
閃光(2023/01/17)
川上洋平ソロアコースティックライブ<Yoohei Kawakami's #room665at Warehouse TERRADA 2022> (2022/12/24)
LAST MINUTE
Swan
we are still kids & stray cats
▼初回限定盤 DVD&Blu-ray特典:ドキュメンタリーブック 『LIKE A LED BALLOON』 概要
現体制になってからのライブ写真やリハーサル風景、MV撮影時のオフショットとともに、ライブ・楽曲制作・バンドにまつわる出来事を回想し、各メンバーそれぞれの視点で、その時々にどんなことを考えていたか?どのような話をしたのか?など、各メンバーの知られざる本音を明らかにした、現在までの道のりを綴る永久保存版ドキュメンタリーブック。
https://lnk.to/BwA2022TourFinal
■[Alexandros]主催<THIS SUMMER FESTIVAL TOUR '23>
対バン:SUPER BEAVER
5月18日(木) 神奈川・KT Zepp Yokohama
対バン:Vaundy
5月26日(金) 北海道・Zepp Sapporo
対バン:WurtS
6月14日(水) 福岡・Zepp Fukuoka
対バン:Creepy Nuts
6月15日(木) 福岡・Zepp Fukuoka
対バン:マキシマム ザ ホルモン
6月22日(木) 大阪・Zepp Osaka Bayside
対バン:yama
6月23日(金) 大阪・Zepp Osaka Bayside
対バン:WANIMA
6月29日(木) 愛知・Zepp Nagoya
対バン:WANIMA
6月30日(金) 愛知・Zepp Nagoya
対バン:go!go!vanillas
全公演:open17:30 / start18:30
▼チケット
前売:¥8,800(ドリンク代別)
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