【ライブレポート】大黒摩季、全国47都道府県ツアー67本を完走「私は嬉しいです」

2022年5月27日にデビュー30周年を迎えた大黒摩季が、総移動距離41,000kmにおよぶ全67本の全国47都道府県ツアー＜MAKI OHGURO 30th Anniversary Best Live Tour 2022-23 -SPARKLE- ＞を完走した。2022年6月1日のホーム北海道からスタートした同ツアーだが、そのファイナルは2023年5月28日の東京ガーデンシアター公演。約5,000人の観客を集めたファイナル公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆大黒摩季 画像

大黒摩季自身、2022年12月31日に53歳を迎えたというが、41,000kmとは地球1周を越える総移動距離となる。そのファイナルにはDJ KOO、オルケスタ・デ・ラ・ルス、ヒダノ修一など多数の豪華ゲストに加え、全サポートメンバーが参加する祝祭となった。

デビュー25周年の際には全国85本ツアーを完遂したものの、そのときの実施期間は今回より半年長い約1年半であり、5年前のこと。しかし今回は、ツアーとは別プログラムの＜シンフォニック・コンサート・ツアー＞を12月に開催したほか、バラエティ番組に多数出演、さらには新曲、ヒット曲、リミックス曲を収録した3枚組の30周年記念アルバムを12月にリリースするなど、本人の弁を借りれば「自分自身を使い果たして」1年間を走り切った。


この日のために新演出が組み込まれたツアーファイナルは、記念アルバムのレコーディングに参加した多数のゲストアーティストが東京ガーデンシアター公演に華を添えた。オルケスタ・デ・ラ・ルスが参加した「太陽のサルサ☀ 〜¡Salsa del sol! 〜」からのラテンコーナー、TRFのDJ KOOによるDJタイムからの「熱くなれ」では、ステージも客席も興奮のるつぼと化して熱狂。

圧巻はアンコールの1曲目「東京 Only Peace」だ。重量500kgもあるという大太鼓とともにステージへ登場した大黒摩季は、和太鼓の第一任者ヒダノ修一のもとで今年からレッスンを重ねてきたという大太鼓ソロを披露するなど、ヒダノ修一とのセッションを交えながら熱演、会場全体が大合唱となった。


また、全67本の全国47都道府県ツアーは、1年間のうちにサポートメンバーが入れ替わりながら実施されたが、ファイナルでは全参加メンバーが集結。ラストの「ROCKs」は総勢15人よる大セッションとなり、トリプルドラムやトリプルギターによる派手で重厚なサウンドの中、3時間半におよぶライブが幕を閉じた。そのフィナーレでは、出演した全メンバー、ツアースタッフが登場、大黒摩季はこう語った。

「このメンバー、スタッフ全員が大黒摩季です。そして、みなさんが大黒摩季をスーパーサイヤ人にするドラゴンボール一個一個であり、大黒摩季のメンバーです。これからも、日本で一番、世界で一番、おバカな楽しいライブをやっていこう！」──大黒摩季


“周年は、自らが全国を回ってファンに感謝を伝えたい！”という大黒摩季の思いがぎっしりと詰まったステージは、ヒット曲を中心に新曲を交えながら、31年目からのアーティスト活動に賭ける彼女の意気込みが存分に伝わって来るものとなった。また、途中のMDでは深々と頭を下げて、ファンに感謝を語るシーンもあった。

「私は嬉しいです。皆さんの気持ちと音楽があったからこそ、曲がらずに生きてこれました。大黒摩季みたいな、世の中とうまくやれず、つまずいてばっかり、そんなアーティストを30年も歌わせてくれて、そして愛してくださり、ありがとうございました！ 私の最後の居場所をくれて、ありがとうございます」──大黒摩季

大黒摩季は6月以降も幾つものイベントに出演するほか、7月2日からはホーム北海道のローカル6市町を回るツアーも控えている。さらには、30周年を終え、アーティスト活動の原点に回帰する意味でも再びコーラスに挑戦。吉川晃司のライブツアーへのコーラス参加にも臨む。