【MORCライブレポート】トリート、こんなにも新鮮で刺激的な新曲に脱帽
今年の<Monsters of Rock Cruise 2023>は北欧勢のバンドも多くラインナップされているが、中でもトリートは1985年にデビューしたベテラン。こちらも解散と再結成を経験しているが、再結成後はリリースする度に新作が最高傑作ではないかと思えるほどクオリティの高い作品を出し続けているバンドだ。昨年2022年リリースの最新アルバム『End Game』もそうであったから近いうちにライブが観たいと思っていたバンドのひとつである。
今回、アンダース(G)が不在の為にギターには同じくこのフェスに出演していたエクリプスからマグナスが参加。そしてベースには元メンバーのポンタスが再びステージに立つというレアなトリート。更に驚いたのはアメリカでの人気ぶりだ。
「Skies of Mongolia」「Ready for the Taking」「Papertiger」とキャッチーではあれど、哀愁度も高くアメリカ人好みの能天気さはないバンドがこんなに受け入れられるのは嬉しい。ライブパフォーマンスも毎回定評があるが、まずポンタスのアクティブなノリがバンドを引っ張る。やはりジェイミー(Dr)との息も合っているし、マグナスはエクリプスでのステージがアコースティックも含めて3回あるにもかかわらずトリートに全面参加とは恐れ入っちゃいます。
パトリック(Key)の美しいキーボードの流れからの「Home of the Brave」「Freudian Slip」とフェスでも新作がセットイン、40年近くのバンドキャリアでありながらこんなにも新鮮で刺激的な新曲を聴かせてくれる事には脱帽しかない。
彼らの得意とするリフ、コーラス、心に残るメロディがここアメリカでも合唱されてロバートも終始笑顔のステージだ。「We Own the Night」「Get You on the Run」等のかけ合いも盛大だった。
開演が少し遅れてしまった為にラストの1曲はカットされてしまったが、「明日の2ndステージでやるよ!」と終わった1stステージ。しかし、翌日は野外プールステージが残念ながらトリートの時間は雨天中止。フェスの最終日でなければどこかの時間に順延されるのだが、最終日だった為にトリートのステージは一回のみとなってしまった。おそらく来年のラインナップに再び決まると思われるが、午前中からメンバーがセッティングしていたのを見ていただけにとても切ないものがあった。
しかし、メンバーはアフターショウでも他の出演バンドのライブを楽しんでおり、ヴァンデンバーグで出演していた元メンバー、マッツ・レヴィン(Vo)とも歓談している姿や今回のエクリプスからマグナスの参加も北欧バンドのファミリー的な一面を見る事ができた。次はフルセットで日本に来てくれる事を願う。
文・写真◎Sweeet Rock / Aki
<TREAT ~ Monsters of Rock Cruise 2023 ~>
<1st Stage>
1. Skies of Mongolia
2. Ready for the Taking
3.Papertiger
4.Home of the Brave
5.Rev it up
6.We Own the Night
7.Roar
8.Freudian Slip
9.Get You on the Run
10. Conspiracy