オリジナル・メンバーが再集結、クーラ・シェイカー7年ぶりの単独来日公演スタート

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クーラ・シェイカーが2月13日、約7年ぶりの単独来日公演<KULA SHAKER JAPAN TOUR 2023>を東京・ザ・ガーデンホールでスタートさせた。以下、オリジナル・メンバーのキーボーディスト、ジェイ・ダーリントンの復帰後初の日本公演ともなる同ライブのオフィシャル・レポートをお届けする。

◆クーラ・シェイカー画像

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昨年の<サマーソニック>で圧巻のステージを見せてくれたクーラ・シェイカーが約半年ぶりに再来日! ソールドアウトとなった初日の恵比寿ガーデンホール公演を観た。

昨年は6年ぶりにニュー・アルバム『ファースト・コングリゲイショナル・チャーチ・オブ・エターナル・ラヴ・アンド・フリー・ハグス』(2022年)をリリースし、現役バンドとしての着実な歩みをまた一歩進めた彼ら。しかも年末にはキーボードのジェイ・ダーリントンが復帰し、今回はクリスピアン・ミルズ(Vo, G)、アロンザ・べヴァン(G)、ポール・ウィンターハート(Dr)、ジェイ(Key)とデビュー・アルバム『K』(1996年)時点でのオリジナル・メンバーが揃ったメモリアルな来日だ。

つまり、現在のクーラ・シェイカーはバンドの原点回帰と現在進行形が理想的なかたちで絡み合った状態にあり、それは必殺のオープニング「Hey Dude」時点で明らかだった。懐かしの名曲の埃やくすみを一瞬で払い落とすシャープなギターと、阿吽の呼吸で畳み掛けるリズム隊、まるで最新鋭のエンジンを搭載したスポーツカーでヴィンテージなグルーヴを乗りこなすようなプレイだ。「今日は日本ツアーの初日、記念すべき2023年の初ライブだよ」とクリスピアンも言っていたが、確かにクーラ・シェイカーの新たな始まりを強烈に感じさせるショーの幕開けだったのだ。


大聖堂のステンドグラスを思わせる背景のビジュアルは曲によって万華鏡のように変化し、様々なシンボルを浮かび上がらせていく。キリスト教からヒンズー教、仏教、神秘主義、宇宙への探究心……etc.、クーラ・シェイカーのサイケデリック・サウンドの根底を流れる彼らの多面的なスピリチュアリティを象徴するビジュアル・イメージだ。インドの民族衣装クルタを纏い、25年前から全く変わらないフォルムをキープしたクリスピアンの佇まいもまた、彼らのぶっ飛んだ精神性の化身だ。中盤から後半にかけては、しなやかな鞭のようなワウギターとホンキートンクなオルガンが誘うまさにサイケデリックの饗宴で、特に「Into the Deep」は文字通りこの日最もディープな瞬間、自分のインナースペースの最深部に到達するような体験となった。

嬉しいことに新曲も多数披露され、彼らが既に『ファースト・コングリゲイショナル・チャーチ・オブ・エターナル・ラヴ・アンド・フリー・ハグス』の次のフェーズへと向かっていることが窺えた。「日本のファンへの手紙のような曲」と紹介された「Waves」はカラフルでウォーミーなサイケポップで、“東京”や“大阪”が散りばめられた歌詞がクーラ・シェイカーと日本のファンの確かな絆を感じさせるひとときだった。ジョン・レノンの「Gimme Some Truth」やザ・プロディジーの「Narayan」のカバー、ハッピー・マンデーズのインサートなど後半はバラエティ豊かなセットで楽しませてくれる。



そこから「Tattva」のコール&レスポンス、「Hush」の大合唱、そして「Govinda」の陶酔と祝祭へと至るフィナーレも完璧! 懐メロの感慨を追い越していく彼らとファンの熱狂が冷めぬ中、早くも次の来日に、クーラ・シェイカーのこれからに期待してしまう幕切れだった。

取材・文◎粉川しの
撮影◎古溪一道

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<KULA SHAKER JAPAN TOUR 2023>2023年2月13日(月)@東京・ザ・ガーデンホール セットリスト プレイリスト

https://smji.lnk.to/KulaShakerTokyoSetlist

<KULA SHAKER JAPAN TOUR 2023>

2023年2月13日(月)東京・ザ・ガーデンホール
2023年2月14日(火)愛知・名古屋クラブクアトロ
2023年2月15日(水)大阪・梅田クラブクアトロ
詳細:https://www.creativeman.co.jp/event/kula-shaker2023/

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