【インタビュー第一弾】渋谷すばる、映画『ひみつのなっちゃん。』主題歌を語る「苦手だからこそみんなに伝えたい」

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■自分が今、ソロとして活動して
■見えてきたことがたくさんある

──そういうちょっと間接的に繋がってる感じって、なんかすごく嬉しいですよね。直接ありがとうを言われるより嬉しいみたいな(笑)。

渋谷:めっちゃ分かる(笑)。なんか、出逢いとかタイミングって本当にあるんやなって、今さらながら思うところがすごくあって。出逢いって偶然じゃなく奇跡やと思うねん。『ひみつのなっちゃん。』という映画との出逢いも、ほんまにすごいタイミングやったんやと思っていて。自分にすごくリンクする内容だったことも、このタイミングやったんかもしれへんなって思うことが多かったというか。人ってね、いろいろと頭で考え過ぎちゃってるときって、何も動けなくなってしまうんやと思うんです。とにかく、そのことばっかりに気を取られて、本当に大事なものとか、大事なこととか見えなくなってしまうというか。一生懸命なのに、ちゃんと見えてない感じっていうのかな。…違うな。なんか、とにかく自分が思う方向にばっかり一生懸命になって、意固地になって、見ようとしていなかったのかもしれないなって思う。自分が今、ソロとして活動して、見えてきたことが本当にたくさんあるんです。オマエはいい歳して今さら何を言ってんの!?って思われそうやけど、いろんな出逢いがそんな自分を変えてくれた気がしていて。去年のツアー(<渋谷すばる LIVE TOUR 2022 二歳と1328日>/9月14日および15日の福岡サンパレスホテル&ホール公演を皮切りに、ファイナルの11月5日および6日の大阪城ホール公演まで全国7ヶ所14公演で開催)から座組が変わったのもあって、すごく新鮮な環境で回れたんです。今のバンドメンバーとも初めて一緒にツアーを回ったんだけど、リハーサルのときに、僕が持っていったセットリストを見て、「もっとこうしたほうが流れがいいと思う」とか「こういう動画アップしましょうよ!」とか、本当にいろいろと意見を言ってくれるんです。渋谷すばるのライヴなんやけど、みんなでひとつのライヴを作ってるみたいな感覚になれるんです。そういうのって、本当に今までやって来たことなかったんです。だから、それがすごく新鮮だったし、そうやってみんなが意見を出してくれることがめちゃくちゃ嬉しかったんです。


──やはりどうしても“ソロ”という形態となると、バンドメンバーは意見を出しづらいというか、忠実に“渋谷すばるのやりたいことを形にしなくては”って考えると思いますからね。

渋谷:そう。それも本当に嬉しいことやし、ありがたいし、すごいことやなって思うんです。そこに感謝もあるし。でも、僕としては、いろいろと言って欲しいんです。僕自身15歳の頃から縁あってこういうエンターテイメントの世界に身を置かせてもらっているけど、純粋な音楽畑で活動してきたわけじゃないから。やっぱり、自分はずっとバンドへの憧れがあるんですよね。子供の頃にTHE BLUE HEARTSの音楽に出逢って衝撃を受けてから、ずっと音楽とバンドというものに憧れを抱いてきた人間だから、ずっと音楽畑一本でやってきているバンドメンバーのみんなには本当に尊敬しかなくて。そんなみんなが一緒に渋谷すばるを作ってくれることが、本当に嬉しいんですよね。もちろん、今まで関わってくれた人達全員に感謝していて。その人達との出逢いがあったからこそ、今の自分も居るわけだから。ほんまに全部が巡り合わせなんやなって思ってる。

──楽しそうですもんね、現場。バンドメンバーも「本当に現場が楽しい」って言っていましたし。

渋谷:そう。ほんまに楽しい。みんなが楽しそうにしてくれてるのが、めっちゃ嬉しいねん。

──大好きな人には笑っていて欲しいですからね。

渋谷:ほんまにそうやねんな。

──渋谷すばるを応援してくれているファンの人達も、支えてくれているスタッフも、関わってくれている人達も、みんな渋谷すばるの笑い声が何よりも好きなんだと思います。渋谷さんが、みんなに対してそう思っているのと同じように。

渋谷:ほんまにそうやと思う。今回、田中監督との対談の中で、監督も「監督然とした態度ではなくて、みんなで一緒に作りたかった」っておっしゃっていて。それがすごく共感出来たんですよね。本当の意味で作品を愛している人だなって思ったんです。


▲(c)2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会

──全てにおいて信頼を置いているということですからね。より良くするために柔軟になれるって、すごいと思うんです。監督と渋谷さんのお話を聞いていて、ちゃんと軸となるこだわりは持っているからこそ、そこがブレることはないという絶対的な自信と、その全てを任せられるくらい素晴らしい仲間だったんだなと、改めて感じさせられました。渋谷さんが監督の言葉に深く共感していらしたことに対しても、今の音楽制作環境が全く同じ感覚なんだろうなと。

渋谷:本当にそう。滝藤さんも本当にこの映画を愛しているんだなって思ったし、自分の役をすごく大切に思っているんだな、監督のやりたいこと、描きたいことを深く理解して、“ならばこうしたらどうだろう?”って、俳優人生で培って来た感性と、役者・滝藤賢一だからこその個性で、監督が思い描いた以上のバージンさんを全力で演じられていたんだなと感じたし。ほんまに素敵やなって思ったんです。今まで、こんな風に映画と向き合ったことがなかったから、本当にそれぞれの立場の想いを知ることが出来て、新鮮だったし、いろいろと勉強になったんです。

──自分がこの映画の中の登場人物として、役者として演じて関わっていたら、またきっと違った感覚を持っていたかもしれないですよね。アーティストとして、主題歌を担当するという立場だったからこそ、いろんな角度でいろんな人の気持ちを受け止められたのかもですね。

渋谷:ほんまにそうやなって思いますね。人って、その人の立場にならないと分からなかったり、実際に経験してみないと分からないことって本当にあるなって、改めて思います。監督にとっての映画と僕にとっての音楽は、同じ対象なのかもしれないなって思います。『ひみつのなっちゃん。』は、本当にいろんな想いが詰め込まれている映画だと思うので、みんながそこに込めた想いが、最後に流れる「ないしょダンス」を通して、より深く観てくださったみなさんに伝わってくれたら嬉しいなと思っています。

取材・文◎武市尚子
撮影◎西村彩子
ヘアメイク◎矢内浩美

■楽曲「ないしょダンス」

2023年1月11日(水)配信リリース
※映画『ひみつのなっちゃん。』主題歌


■映画『ひみつのなっちゃん。』

▼公開日
2023年1月13日(金)より新宿ピカデリー他にて全国公開
2023年1月6日(金)愛知・岐阜にて先行公開
▼出演
滝藤賢一、渡部秀、前野朋哉、カンニング竹山、豊本明長、本多力、岩永洋昭、永田薫、市ノ瀬アオ、アンジェリカ、生稲晃子、菅原大吉、本田博太郎、松原智恵子
脚本・監督:田中和次朗
製作:東映ビデオ 丸壱動画 TOKYO MX 岐阜新聞映画部
ロケ協力:岐阜県郡上市
ドラァグクイーン監修:エスムラルダ
主題歌:「ないしょダンス」渋谷すばる
配給:ラビットハウス 丸壱動画
(c)2023「ひみつのなっちゃん。」製作委員会


▼ストーリー
 これは3人のドラァグクイーンの物語。俳優の滝藤賢一が映画初主演を務める『ひみつのなっちゃん。』(2023年1月13日全国公開。岐阜・名古屋は6日から上映)。
 “オネエ”仲間である“なっちゃん”の突然の死をキッカケに、バージン(滝藤賢一)、モリリン(渡部秀)、ズブ子(前野朋哉)の3人のドラァグクイーンが、お葬式に参列する為に、なっちゃんの地元である岐阜県郡上八幡へと向かうことに。“オネエ”であることを知らないなっちゃんの家族の為に、なっちゃんの秘密を守り抜こうと“普通のおじさん”になりきる3人が繰り広げるハートフルヒューマンコメディ。
 3人のドラァグクイーン(滝藤賢一、渡部秀、前野朋哉)達は、“普通のおじさん”として無事に葬式に参列することが出来るのか !?
 本作が映画デビューとなる田中和次朗が自らのオリジナルの脚本で監督を務めた期待作となっている。

■渋谷すばるオフィシャルファンクラブイベント「babu会 vol.2」

2023年
4月16日(日) 東京・Zepp Haneda
4月22日(土) 北海道・Zepp Sapporo
4月30日(日) 愛知・Zepp Nagoya
5月04日(木/祝) 福岡・Zepp Fukuoka
5月06日(土) 大阪・Zepp Namba
※開場/開演時間やチケット販売スケジュールなどの詳細情報は後日


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