【ライブレポート】“新生w-inds.”の真価
2021年にデビュー20周年を迎えたw-inds.が、2人体制になって以降初となるアルバム『20XX “We are”』を掲げ、約3年ぶりに全国ツアー<w-inds. LIVE TOUR 2022 “We are”>を開催。そのなかから10月26日、東京・東京国際フォーラム ホールA>での公演の様子をお届けする。
◆ライブ写真
デビュー以来、2019年に行なった<w-inds. LIVE TOUR 2019”Future/Past”>まで、1年も欠かすことなくライブツアーを開催してきたw-inds.。しかし、コロナの影響で連続したライブもストップを余儀なくされた。2020年以降は2人体制の新生w-inds.として音楽活動を続け、配信ライブを経てリアルライブを決めるも、感染拡大の影響を受け、何度も延期となってしまう。
そして2022年、3年ぶりにようやく全国ツアー<w-inds. LIVE TOUR 2022“We are”>開催までこぎつけた。しかし、他にもアクシデントにみまわれ、ツアー初日からライブは振替公演となるなど、とにかく本当にいろいろあったw-inds.がたどり着いた東京国際フォーラム公演。w-inds.は結成当時からライブを信条としてきたグループであり、このツアーはまさに、ファンにとっても彼らにとっても“新生w-inds.”そのものを問うツアーだったといえる。
緊張感に包まれた場内。ブロックを積み上げたようなセットに、バンドメンバーが構える。ツアーの1曲目に彼らが選んだのは「In Love With The Music」。冒頭から“楽しませるから今までよりも〜新たな世界へ連れて行くから”と堂々宣言するw-inds.に頼もしさをおぼえ、思わず体が震えた。黒い光沢のあるスーツを大人っぽく着こなした2人は、ブロックの最上段から登場。その姿にはライブを心から楽しむ余裕も感じた。ダンサーが次々と加わり、涼平と慶太が左右の階段からステージに降り、ダンサーたちと合流したところでダンスブレイクへ。ここでは全員揃ってドルフィンダイブを決め、圧倒的なカッコよさで会場を虜にしていく。
次の「Strip」では洗練されたダンス、その中に組み込んだジャケットプレイなどで観客を魅了しながらも、“今日ここからがReborn”など、歌詞が引き立つバンドアレンジで届けたい大事なメッセージを観客に打ち込んでいく。そうして、自分らしさを解き放ったあとの「EXIT」では、2人のパワーヴォイスが炸裂。いさぎよくダンスはなし。慶太と涼平が、エモーショナルな歌唱で魅せるパフォーマンスは、凄まじいほどエネルギッシュ。ここで本当に新しい世界が目の前に広がった気がした。
歌唱力の進化を体感したあとは、「Dirty Talk」で慶太が魅せる。低い声でラップパートを歌った直後、そこからいっきにハイトーンボイスでメロディーを歌うという離れ業をいとも簡単にやってのけ、ラストはテクニカルなフェイクからロングトーンを華やかに歌い上げる。努力の積み重ねなしでは到底到達できなかっただろうこの進化のスピードの速さ、その完成度の凄さ。まだ彼らには、誰も想像していなかった伸びしろがこんなにもあったのかと、w-inds.のポテンシャルの高さ、その圧倒的底力にただただ慄くばかりであった。
短い挨拶を伝えたあと、8月からスタートした本ツアーについて涼平が振り返って感想を述べると、「有観客は3年ぶり。本当に楽しいです」と慶太。それに同意するよう客席では青いペンライトが一斉に揺れる。
そして「DoU」からライブは再開。再びダンサーが加わり、ブロックのあちこちにばらけて踊ったあと、最後に全員がステージ中央に集まり、サビ頭の見せ場となる華麗なステップワークをシンクロさせて踊るところはV字になってアクト。このディープハウスやEDMを融合させたダンスチューンをキレキレで踊ったあとに、当時の振り付けのまま「YES or NO」を踊る。レイドバック感がありながらも、いま見ると新鮮に感じるこの曲の歌詞を表した振り付け。踊るだけでセクシーさがにじみ出てしまう彼らを、観客たちはここのパフォーマンスの対比を通して発見していくことになる。
そのあとの「Say so long」はあちこちに散らばった涼平、慶太、ダンサーに次々とピンスポットが当たっていくという演出で見せたあと、ミラーボールの光を受けて歌った「If I said I loved you」で、彼らはこの日の最高をさらに更新。慶太のボーカルの底力を感じさせる低い声響きから始まり、涼平との掛け合い、ハモりながら繰り広げていく歌のパフォーマンスは、w-inds.が織りなす新たなボーカルの世界。
2人の歌唱力の高さ、レンジの広さという声で観客を圧倒したあとは、椅子を使っておしゃれに踊る「Make you mine」のショーアップ感満載のパフォーマンスで魅了。この曲のバンドアレンジは、うねるベースがめちゃくちゃカッコよかった。歌、ダンス、振り付け、さらにはダンサーとのからみ、CDとは違うバンドアレンジなど、本当にw-inds.のライブは様々な角度から観るものを飽きさせない楽しさを仕掛けてくるから、お客さんは大忙し。どのシーンも見逃したくないという気持ちでいっぱいだ。
このあとはステージに慶太だけが残って、スタンドマイクにかけられていた黒いハットをかぶり、ピンクの照明を浴びながらソロバージョンで「Sexy Girl」、次は真っ白い衣装に着替えた涼平が登場。懐かしいソロ曲「In your warmth」を透明感ある甘い歌声で、慶太に負けないぐらいのファルセットやフェイクを使いながら歌唱。
こうして2人のヴォーカリストしての存在感を際立たせていったあと、白い衣装に着替えた慶太が再び出てきたところで、最新アルバムに収録したバラード「Little」を2人で歌う場面へと展開していったところはさすが。ここでは慶太と涼平がとびきり優しい声でハーモニーを重ね、歌を心に染み込ませていって、エレピのまろやかな音色ともに場内をほっこりするようなやわらかな空気で包み込んでいった。
演奏が終わると2人同時に「ありがとうございます」と挨拶をして、ここで昨日からSNSを通じて予告していたサプライズがインスタライブの実施であることを告げて、ここからメンバーによるインスタの生配信がスタート。会場で販売していたライブグッズのエナメルポーチをメンバーが通販番組のようなトークで説明し、ファンの笑いを誘った。
そして「ここから夏の終わりを感じるような2曲をお届けします」と慶太が告げるとアコギを持ってステージ後方のブロックに座り、ボディを叩いてリズムを刻み、2人のアカペラから「134」を届けた。そしてアコギを置き、懐かしいアルバム『ageha』から「夏空の恋の詩」を新しく2人のパート分けで歌いながらも、当時のキラキラした清々しさ、爽やかさをいまも感じさせる歌唱でノスタルジーを誘う。この2曲を歌い終えたところで、インスタライブは終了。このあと、ライブはいよいよ後半戦に突入。
白い衣装に着替えたダンサーも加わり、軽やかな歌声とともに始まった「Show me your love」からは、再びダンサブルなパフォーマンスをステージで展開していく。全員が縦一列に連なったところから始まったシンセポップ「With You」はそこから踊りながら三角形のフォーメーションを作り、全員のステップが揃ってバーンと音がこだまするように響かせる瞬間など、歌詞のメッセージ性と同じぐらいダンスも見どころが満載。ダンサーがはけたあとは、全編英詞の「We Gotta Go」を2人で歌い、中盤のラップを掛け合いで歌うパートで、身長差がある2人が仲良く肩を組んでフロントまで歩いてくるシーンは愛らしさが爆発。
このあとは、有観客ライブができなかった3年間に行なった配信ライブを振り返り「新しい形、新しい場所でライブができました」と伝えた慶太。だが、配信ライブが終わった後のコメント欄が「涼平頑張った!」のオンパレードで「なんで涼平だけ? 俺は?」とすねるように訴えると、それに対して「“涼平頑張った”の裏には慶太の支えがあること、みんな分かってるから」とすかさずフォローを入れる涼平。更に慶太はこの日のMCに関してマネージャーから、いま若者の間で流行ってる言葉を言えばウケるんじゃないか、というアドバイスを受けて語る。そしてそれに対して「でも、そんなにみんな若くないんじゃない?」と切り返したことを素直に告白。
そんな信頼しているファンがいるライブでしか出さない“w-inds.の素”を見せ、更に「あなたたちが僕たちの若い頃を知ってるように僕たちもあなたたちの若い頃を知ってますから」と、ファンへの信頼感が伝わってくるトークを重ねる。
そこから「ここからは10代の頃に戻って」と美しくつないで、「ブギウギ66」「NEW PARADISE」「Long Road」という怒涛のシングル3曲を連続投下。タイプは異なるが、どれもJ-POPにダンスミュージックを融合させたヒット曲ばかり。なかでも「Long Road」は、さらに歌詞が心に沁みるナンバーに。観客たちは一緒に歌いたい気持ちを、おなじみのペンラを下からあげていく振りに込めてステージに届け、本編はステージと客席が一つにつながったところで終了した。
手拍子のアンコールに呼ばれ、再びメンバーが登場すると、懐かしいキーボードのイントロが流れてきて、始まったのは彼らの始まりとなったデビュー曲「Forever Memories」だ。20年以上たったいまでも、ライブで歌うたびに色褪せないw-inds.のピュアさ、せつなさ、清々しさを放って胸を締め付けるこの曲は、もはや怪物クラスの代表曲といえるだろう。
それをこのあと、最新曲「Beautiful Now」へと繋いで、ツアーを締めくくった彼ら。あまりにもドラマチックで美しすぎる選曲に胸が震え、涙が止まらなかった。そして、この「Beatutiful Now」のどこまでも広がって届いていきそうなクリアな視界をもった音世界、メッセージを体現するように、いま目の前で輝いているw-inds.の姿を観るもの全員に美しい瞬間として刻みつけ、フィナーレを迎えた。w-inds.はこれからも表現者として歩みを止めることなく、さらに美しい瞬間を求めて挑み続けるだろう。
この公演のなかで、今後のw-inds.の活動として、この日の模様がWOWOWでオンエアされること。さらに、新曲を現在作っていることも明かされた。BARKSでは、その新曲のインタビューを掲載する予定なので、こちらも期待して待っていて欲しい。
取材・文◎東條祥恵
写真◎宮脇 進
w-inds.15thアルバム
配信リンク:https://w-inds.lnk.to/15thalbum
特設サイトURL:https://ps.ponycanyon.co.jp/w-inds/15thAL/
■Special Book盤 [CD+Blu-ray+PHOTOBOOK]
SCCA-00142 / 税込8,800円
■Special Book盤 [CD+DVD+PHOTOBOOK]
SCCA-00143 / 税込7,700円
■初回限定盤 [CD+Blu-ray]
PCCA-06186 / 税込4,400円
■初回限定盤 [CD+DVD]
PCCA-06187 / 税込4,000円
■通常盤 [CD only]
PCCA-06188 / 税込2,750円
Special Book盤予約受付期間:2022年12月18日(日)19:00〜2023年1月21日(土)23:59
※ご予約いただいた方のみの完全受注限定商品となります。
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■収録内容
[CD]
後日発表
全10曲収録予定
[Blu-ray/DVD] ※Special Book盤、初回限定盤のみ付属
後日発表
※収録内容は変更になる場合がございます。
ご予約はこちらから:
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https://ps.ponycanyon.co.jp/w-inds/15thAL/
Special Book盤予約受付期間:2022年12月18日(日)19:00〜2023年1月21日(土)23:59
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