【ライブレポート】Deep Sea Diving Club、自主企画でmacico&THREE1989とともに描いた幸福な空間
Deep Sea Diving Club主催で行われた3マンライブ<SEA SIDE PARTY vol.1>。ゲストにUEBO、えんぷていを招いて12月1日に開催された福岡・graf公演に続き、12月7日に東京・新代田FEVER公演に出演したのはmacico、THREE1989。両バンドがカラフルに彩ったダンスフロアをDeep Sea Diving Clubが一際幸福な空間にした模様をレポートする。
▲macico
▲THREE1989
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スモークが薄っすらと立ち込める中、ステージに現れた大井隆寛(Gt./Cho.)、鳥飼悟志(Ba./Cho.)、出原昌平(Dr./Cho.)、サポートメンバーの中野ひより(Key)。続いて谷颯太(Gt./Vo.)も登場し、「lostpeople」がスタート。胸を締め付けてくるロマンチックなメロディが心地よい。観客の手拍子も加わり、バンドサウンド、歌声と融け合っていく様がフロアのムードを着々と温めていく。2曲目の「Left Alone」は、グルーヴィーに躍動する演奏が人々の間に広がるダンス衝動を自ずと後押ししていた。
ディスコ風味のサウンドが冴えわたった「Just Dance」も堪能した後に迎えた最初のMC。「福岡よりも東京の方が暑いです。福岡は今、ガチで寒い。骨身に染みる寒さ。“年末やのう”と言い合ってたんですけど東京に着いたら暑くて、空港でフリースを1枚脱ぎました(笑)。この会場も熱く盛り上がっていけたらいいなあと思っているので、ぜひよろしくお願いします!」と語った後、ゲストの2バンドにお礼を言った谷は、彼らとの関係性についても触れた。「macicoは関連アーティストで、よくSpotifyとかで表示されて気になっていて、お声がけをさせていただきました。THREE1989は福岡で一緒にライブをしたことがあるんですけど、まじでバイブスがやばいバンド。我々もパーティーバンドを目指していますから大先輩です」。そして、12月14日にリリースする7インチのアナログレコード『Left Alone feat.土岐麻子 / フーリッシュサマー』が会場で先行販売されている旨も語られた後、「FLACTAL」がスタート。過ぎ行く時間、取り残されていく想いを、グルーヴィーなバンド演奏と歌声が浮き彫りにしていく。続いて届けられた「フラッシュバック'82 feat. Rin音」は、メロウ且つダンサブルなサウンドを体感させてくれた。スタイリッシュなサウンドを基調としているDeep Sea Diving Clubだが、野性的な熱を随所で帯びるのも大きな魅力。時折パンチの利いたソウルフルな歌声を谷が炸裂させていた「cinematiclove」は、彼らのサウンドの切れ味をまざまざと感じさせてくれた。
谷がメンバーの1人1人を紹介した後、「フーリッシュサマー」と「interlude(for Early Summer)」が披露されたことによって、何処か夏が恋しくなるムードに包まれていた新代田FEVER。そして、本編ラストは「T.G.I.F.」が飾った。「この曲はサビが英語なんですよね。《Don’t close your eyes We feels close to you》というフレーズを繰り返すんですけど、目を閉じずにいて欲しくて。前を向いていれば何かあるかもしれないと思って書いた歌詞。祈りの歌なんです。“みんな毎日大変だけど、目を閉じないでちょっとだけ前を向いて頑張ろう”っていうことです。《We feels close to you》は“僕がみんなのことを感じている”とも受け止められるんですけど、“いつも僕たちがそばにいるよ。音楽がいつもそばにあるよ”というつもりで書きました。この曲がイヤホンから聞こえてきたら、“あいつら、あんなこと言ってたなあ”とか、ライブハウスで会う友だちのことを思い出して欲しいなあと作った歌です。そんな気持ちを込めて歌いますので、最後まで一緒に踊っていってください」という言葉が添えられたこの曲は、ポジティブなエネルギーで満ち溢れていた。
アンコールを求める手拍子に応えて、メンバーたちがステージに再登場。「本日、新曲をリリースしました。東京でレコーディングをした3部作の締めくくりとなります。この季節にぴったりな冬の曲を作りました。いでっち(出原)が作ってくれたんです。その曲をやるんですけど……もう1個ライブのお知らせがありまして。来年の2月11日、下北沢のADRIFTでFIVE NEW OLDとの2マンが決まりました。私にとっては只事ではなくて。昔、FIVE NEW OLDのおっかけみたいなことをしていたんです(笑)」── 谷が心底嬉しそうに今後の予定を発表した後、アンコールでまず届けられたのは新曲「Miragesong」。そして、最後に披露された「CITY FLIGHT」は、爽やかな潮風と青空をイメージさせるサウンドを楽しみながら、観客が一斉に手拍子をしていた。こうして終演を迎えた<SEA SIDE PARTY vol.1>。Deep Sea Diving Clubが、着々と東京でもファンを拡大していることを実感したイベントであった。
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取材・文:田中 大
撮影:堀内彩香
Digital Single「Miragesong」
Pre-Add/Pre-Save
https://lnk.to/Miragesong_pre
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