【インタビュー】新アイドルグループ・anew、「山形から全国へ向けて
■ライブを経験して、初めてアイドルになったことを実感しそう
──1stミニアルバム『世界ヲ染めていく』へ収録したどの楽曲も、めちゃめちゃクオリティが高いですよね。その曲たちの魅力も、ぜひみなさんに伝えてください。
りこ:ミニアルバムのタイトルにもなっている「世界ヲ染めていく」が最初に流れてきます。この曲を聴いた瞬間、良い意味でアーティスト寄りの楽曲だから、「めちゃ格好いい!」となると思います。最初にあまねちゃんがラップしている「Color sick色盲 害妄 君の頭に見えてる?」「more the rich 酷く 控訴 その基準が君の妄想」の部分が最高です。言葉のゴロとビート、あまねちゃんのラップのリズムが綺麗に重なり、めちゃめちゃ格好良く始まるんですね。もう、そこで心をつかまれます。
あまね:「世界ヲ染めていく」は、口調も、曲調も、全体的に強くて荒い楽曲。だからこそ、メンバー全員が格好良さに振り切って歌っている曲だからね。
ここな:ほんと、めちゃ格好いい曲です。
りこ:「ソコとココ」は、初めてミュージックビデオを作った曲で、最初のオーディションのときに課題曲として、当時は一番だけを覚えて歌った曲。anewが生まれたときからすでに用意していた楽曲だったし、この曲を聴いて「anewなら全国で勝負していける」と思えたし、わたしはとくに思い入れを強く持っています。ミュージックビデオは、11月に撮影。早朝から公園や地下道を薄着の衣装で走り回っていたのも、思い出深いです。
ここな:ミュージックビデオは、身体を張って撮影しました。あと、山形市内の、いろんな美味しいお店を巡って一人一人食事をしています。そのお店もチェックしてください。
あまね:anewは山形を舞台に活動しているグループだからこそ、ミュージックビデオでも山形の良さを伝える場所をロケ地にしています。そこも注目です。ただ、私たち全員「ソコとココ」が初めてのミュージックビデオ撮影だったから、何をどうすれば良いのかわからず、戸惑いながらも全力で挑んでいたのも良い思い出になりました。
──全体的にバンドサウンドを活かしたオルタナティブでパンキッシュ。でも、歌は、良い意味で親しみやすく、心地好い脱力感を持っている印象を受けました。とくに、冒頭2曲の「世界ヲ染めていく」「ソコとココ」をライブで耳にしたら、一瞬で気持ちが熱く滾りそうです。そんなエモい楽曲たちが続いたあとに、「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ にゃんにゃん10回 猫ってだけでなんとなく可愛いの」と歌う、猫を題材にした「にゃんく」を聴いたとき、ライブ感を持った上でとはいえ、可愛らしくも、甘えた姿を全面に押し出した曲調に嬉しいギャップを覚えました。あの振り切った感もすごいですよね。
あまね: 私たちも、初めて「にゃんく」を聴いたときは「なんだ、この曲は!」と驚きました。「にゃんく」の中、メンバーそれぞれが「(リコ)にゃーん (アマネ)うニャーん (マイミ)キャーン(ココナ)ミャ~オ~ (全員)ごろりごろり」と歌っているんですが、個人個人の可愛らしさも曲の中のいろんなところから伝わってきます。ただ、歌っているときは正直恥ずかしいよね。
りこ:めっちゃ照れてるけど。これからライブで歌っていくからこそ、可愛らしさを心がけながらも、気持ちを振り切って歌わなきゃと思っています。
ここな:可愛さを出して歌えるのは嬉しいんですけど、本当にこれで合っているのか、まだ自分ではつかみきれてないから、そこがちょっと不安ですけど。そこも、ライブでみなさんの反応を見ながら、似合う可愛さをつかんでいけたらと思っています。
あまね:「にゃんく」で可愛らしさを全面に押し出して、「世界ヲ染めていく」では格好良さを全面に押し出している。そうやって、1曲1曲振り切った格好良さを持っているからこそ、どの曲も際立って見えてくるところもanewの良さなんだと思います。
りこ:ミュージックビデオも撮影した「雪の惑星」では、またガラッと変わるからね。もしライブで、「にゃんく」の次に「雪の惑星」を歌うとなったら、感情がぜんぜん違うから、気持ちを切り換えていくのが大変そうだなって思った。
あまね:ホント、その通りだね。「雪の惑星」は、メンバーみんなのアカペラで始まるんですけど。
りこ:「みんなのうた」の山形バージョンみたいにね。
あまね:そう。そこだけを聴いたら、誰もその後の曲展開は想像できないと思う。「雪の惑星」は、とにかくメッセージ性の強い歌。聴いた人の心境次第で受け止め方もいろいろ膨らむところも特徴だと思う。
──心に抱えた“闇/病み”な感情も吐露しながら、みずからの気持ちを奮い立て、立ち上がろうとしていく。その気持ちは、みなさんにも共通する思いですか?
あまね: anewのみんな、一度は夢をあきらめ、それでも夢を追いかける気持ちを失くしきれず、ふたたび追いかけ始めた挫折も知っているメンバーばかりです。一人一人が語るセリフパートは、その気持ちを理解したうえで言っているから説得力が出る。自分自身の気持ちと重ねやすい歌になっているなと思います。
りこ:あっ、そうなんだ…。
あまね:えっ、合ってるよね。
りこ:わたし、“冬の山形”の歌だと思ってた(笑)。
ここな:わたし、けっこう情緒不安定だから、「雪の惑星」や「NAME」の歌詞にはすごく気持ちを救われています。「にゃんく」は可愛らしさを全面に出した歌だからちょっと違うけど(笑)。他の曲たちは、自分に置き換えて歌えるから、今のままの自分を認められて、けっこう救われています。「NAME」には「きっと その言葉 だけで 救われる 動き出せるよ」と、わたしとまいみちゃんで歌っているパートがあります。わたし、普段から悲しい気持ちへ落ちたとき、この言葉を思い出して勇気をもらっているし、励まされているから、ここの歌詞が大好きです。
りこ:「NAME」は、わたしもそう。「消えていた日常では 外枠だけ虚像作って 透明を隠してた」や「居場所を探すうちに 血も通わない身体だけ 必死に動かしていた」の歌詞とかすごくわかる。「NAME」の歌詞に、「呼んで」「ネーーーム」とありますが、“これからのanewと応援してくれる人たちとの関係性”が、一つの物語のように描かれているなと感じて、そこもすごく好きなところです。ほんとanewの歌は、どれも自分に当てはめやすいし、気持ちが入り込みやすい歌ばかりです。
あまね:私たちanewは、「山形から全国へ」と掲げて活動を始めました。そんな私たちが、これから出会うであろう全国各地の人たちへ向けて「私たちの名前を呼んで!」と叫んでいく歌にもなりました。
ここな:さっき、情緒不安定と言ったけど(笑)、確かに気持ちのコントロールが上手く出来なくなるときもあるけど。逆に気持ちを染めやすくもなれるから、自分の気持ちとanewの歌詞の気持ちが重なりあったときは、ライブでもすごく感情的に伝えていけそうな気がしています。
あまね:補足になりますけど、「雪の惑星」のミュージックビデオを、年内で閉店してしまう、酒田にあるキャバレーの「白ばら」で撮影をしました。今、日本には3店舗しかキャバレーが残っていません。その中の1店舗だった「白ばら」が閉まってしまうことから、そのお店を映像として残そうということから、「白ばら」を舞台に撮影をしたんですね。「ソコはココ」では山形市内の人気飲食店を舞台に撮影しましたし、今後もanewはミュージックビデオを通しても山形の魅力を伝えていこうと思っています。
▲ジャケット
──anewは、12月10日にデビューライブを行い、本格的に活動をスタートさせます。みなさん、自分がアイドルになった実感や自覚はしっかり持っています?
りこ:こうやって音源が配信になり、ミュージックビデオがアップされているのを見て、頭の中で「アイドル活動をしている」のは理解していますけど、まだ強く実感を持てないというか。きっと、お客さんたちの姿を目の前にデビューライブをやった後、そのときの反響も含め、初めて実感できそうな気がします。
あまね:そうだね。確かに一つ一つ形になるごとに「わたし、アイドル活動しているんだ」と実感はしますけど。ライブを経験して、初めてアイドルになったことを実感しそうな気がします。
ここね:わたし、朝、起きるたびにアイドルだなと実感してる。今は、ほとんど毎日anewの活動をしているから、起きるたびに「今日もanewの日だ」となるし、そのたびに「わたしのアイドルの1日が始まる」と、すごく実感しています(笑)。
──最後に、今後へ向けての意気込みもお願いしようか。
りこ:わたしたちは、山形から全国へと発信していきます。デビューライブは、みなさんの期待のおかげもあってチケットがほとんどありません。これからも毎月、山形では定期公演を行いますし、来年は各地へ足を運ぼうと準備もしています。出会う機会はこれから増えていくから、わたしたちもみなさんと直接お会いできる日を楽しみにしています。ぜひ、これからのanewの動きに注目してください。
取材・文◎長澤智典
1stミニアルバム『世界ヲ染めていく』
トラックリスト
1.世界ヲ染めていく
2.ソコとココ
3.にゃんく
4.雪の惑星
5.NAME
ライブ情報
anew月例定期公演『CHIKAKARA vol.1』
Day OP12:00/ST12:30
Night OP17:00/ST17:30
1公演:¥2,000/ 2公演:¥3,000
出演
anew
cana÷biss
XOXO EXTREME
I to U $CREAMing!!
チケット
https://tiget.net/events/208412
◆anew オフィシャルTwitter