【インタビュー】安斉かれん、「手掛ければ手掛けるほどに思い入れが増えていく」
安斉かれんが7作連続リリースのラストを飾る新曲「未来の音」をリリースした。
◆撮り下ろし写真
2021年9月から始まった連続リリースだったが、時に切なく、時にポップと、毎回まったく違う姿を見せてきてくれた安斉かれん。この7作品を表現したことで、シンガーとして大きく成長したのだと思う。今回の取材では、過去一番独特な世界観を自身の作詞で綴った6作目「不眠症☆廃天国」と、7作目「未来の音」の話を中心に、安斉かれんが今感じていることを聞いてきた。どうやら2023年は、また新たな彼女の姿を見ることができそうだ。
◆ ◆ ◆
■自分が好きなものを把握することが何よりも大事
──「不眠症☆廃天国」は、とても素敵な曲でしたね。かれんさんが作詞作曲となっていますが、どのようにできたのでしょうか。
安斉かれん:以前から作詞はずっとしていたんですが、GAL-TRAP以降、作曲も挑戦してみたいって思っていたから、このタイミングで制作ができてよかったなって。
──なにかプランがあったんですか?
安斉:具体的なプランは立てていなかったんですが、ゆったりした曲を作りたいと思っていました。もともと洋楽ばかり聞いていたんですが、最近はJ-POPも聴くようになり、なかでもゆったりしたJ-POPを好むようになったんです。さらに、ジャステン・ビーバーのゆったりした曲などもすごく好きなので、そういったテイストの曲を作りたいなぁって思いから作り始めました。
──難しかったですか?
安斉:それが、すらすらと歌いながら作っていったので、わりとスムーズにできたんです。好きなコード進行からメロディを作り出して、アレンジャーさんと話し合いながら、一緒に仕上げていきました。
──歌詞も、かれん節が爆発していて本当に楽しかったです。
安斉:ありがとうございます! もともとは普通の歌詞を書いていたんですが、途中からかれんっぽい感じでいきたいと思い、“とりま”とか、よく使う言葉を入れ込んでいったんです。普通の言葉をどんどん崩していく作業はすごく楽しかったですね。
──タイトルから、もっとサイケデリックな曲がくると思っていたら、あまりにも美しいメロディで驚きました(笑)。
安斉:あはは。ガチャガチャ系だと思いますよね(笑)。メロディも優しいので、歌詞は思いきり遊んでいますが、わりとすんなりと聴ける曲になっていると思います。
──“馬 鹿 蝶 嘘(Lie)”など、英語と日本語もごちゃまぜにしたものも、すべて音ノリがしっかりしていてビックリしました。考え込まないとできない歌詞だと思ったのですが…。
安斉:あまりにも考えすぎるとできないことに気付いたので、何も考えていません!(笑) あとは、ジャケットにうさぎの“ゆるうさ”のイラストがあるんですが、これは私が中学生の頃からずっと描いているコなんです。そういった自分だけがわかることとか、自分だけにわかる意味の言葉なんかも散りばめてみました。
──“だがしかし”を“駄菓子歌詞”と変換するところなんて痺れましたね。
安斉:うれしい~! 実はこの変換って、普段からメッセージのやりとりで私が使っていたものなんです。なので、私の中ではもはや当たり前の変換なんですよね(笑)。まさに自分語のようなもので、こうやって歌詞に入れられたのは嬉しいですね。
──最近ハマっている“かれん語”はありますか?
安斉:かれん語ではないんですが、“費用対効果”という言葉にハマっていて(笑)。お酒でも、ストロングのチューハイってすぐに酔っちゃいますよね。そういうコスパがいいところで“費用対効果~!”って使っています。一度ハマったらずっとその言葉を連発するタイプなので、最近はこればっかり言っています(笑)。
──そんな言葉でたくさん遊んでいるなかでも、しっかりとしたメッセージが入っている曲になっていますが、どんなことを受け取ってもらえたら嬉しいですか?
安斉:タイトルが『不眠症☆廃天国』というくらいなので、不眠症の曲なんです。“寝れない、寝れない”ってなると、よりそこに集中してしまって、頭がいろんなことを考えてしまいますよね。でも、そう言った時に優しいメロディの曲を聴くと落ち着く。それに、そういう時こそ、眠れなくてもいいやって思えるくらいの曲があったらいいなって思っていたので、そう受け取ってもらえたら嬉しいです。“数えた羊”や“ゲシュタルト崩壊”など、身に覚えがある人がたくさんいると思うので、共感してもらえると思います。
──実際に眠れないタイプですか?
安斉:そうですね。眠れなくなっちゃうタイプです。前までは“寝なきゃ”って思っていたんですが最近は“眠れるときに寝ればいいや”って思えるようになったんです。そんな一緒の思いを抱えている人に聴いてもらいたいですね。
──実際に作詞作曲をやってみることで、あらたな意欲も出てきたのではないでしょうか。
安斉:そうですね。どんどん手掛ければ手掛けるほどに思い入れが増えていくので、素敵だなって思うんです。これからも出来る限り自分で曲を作っていきたいですね。
──そして、ミュージックビデオも独特な世界観で魅力的でした。
安斉:この曲の良いところを監督さんが汲み取ってくれて、すごくいいミュージックビデオができました。夢の続きのようなイメージで作られているんですが、すごく素敵ですよね。今回は初めての監督さんだったんですが、年齢が近い方だったこともあり、感覚も近く、意見も言いやすくて、やりやすかったです!
──小物遣いやカメラワークなども印象的でした。
安斉:そうなんです! カメラワークも斬新ですし、キレイに撮影するというよりも、リアルを映した感覚がいいなって思っていて。実は、今回初めて黒髪で撮影をしたんですよ。さらにうさぎを被っているシーンはいろんなものをキラキラさせてくださっていて、うまい棒さえキラキラしているんです。そういった細かいところまで見ると本当におもしろいので、何度も見てもらいたいですね。完成したミュージックビデオを見て、“ヤバ! 天才!”って思いました(笑)。
──いつかミュージックビデオも手掛けてみたいとも思いませんか?
安斉:ありますね。世界観は考えてみたいですね。でも、思いつかなそう!(笑)
──あはは。ちなみに、曲の中では急に寂しくなったり、孤独を感じてしまうような気持ちを描いていますが、かれんさんの対処法を教えてください。
安斉:私も人生の中で、メンタルが上がったり落ちたりがあるんですが、それって当たり前のことなんですよね。なので、落ちた時は落ちるところまで落ちて、自分の機嫌をめちゃくちゃ取るようにしています。好きなことをして、好きなものを食べて。自分が好きなものを把握することが何よりも大事かなって思います。
──自分の機嫌が取れる人が最強ですよね。ちなみに、かれんさんはどんなことをすると機嫌が取れますか?
安斉:寿司!
──寿司一択ですか⁉(笑)
安斉:あとは買い物ですね。でもあまり買い物しないんだよぁ。あとは、クラブに行きます!
──最高ですね。そうやって対処法を分かっていた方が楽しくなれますからね! ちなみに、今はどのくらいのペースで曲を作っているんですか?
安斉:そんなに多くはないんですが、鼻歌で思いついたメロディを曲にしていくことが多いので、今後もその延長線上で作っていけたらいいなと思っています。
──楽器でも作るんですか?
安斉:ピアノがあるんですが、そこでメロディなどを確認しています。ピアノでまずコードを弾いて、そこにあうメロディを考えるのが多いですね。気分転換でピアノを弾くことも多いですよ。伝えたいと思うことも、その時々で変わっていくので、その時の気持ちを大事に曲を作って、歌詞を書いていきたいと思っています。
──そして、『未来の音』が主題歌となっている、短編映画『イマジナリーフレンド』も公開されますね。いかがでしたか?
安斉:久しぶりのお芝居はすごく楽しかったです。テーマがイマジナリーフレンドという、目に見えないものだったんです。よく子どもの頃に、目に見えない友達がいたりしますよね。その延長線上で、目には見えないけれど存在しているものをテーマに作りました。1回目を観た時はあまり理解が出来ないかもしれないですが、もう一度見ると、“なるほど!”と思える作品になっているんです。ぜひ2回は最低見てもらいたいですね。
──かれんさんにはイマジナリーフレンドはいましたか?
安斉:私にはいなかったかな。でも、ぬいぐるみに名前を付けてしゃべりかけたりしていました。ただ、ネーミングセンスが皆無だったので、モンチッチがハートを持っているだけで“ハートちゃん”にしたり(笑)。あとは、ずっと手放せない手ぬぐいというか、タオルがあったんですよ。それを持っていないと心細くなっちゃっていたんです。
──いまもそのタオルはあるんですか?
安斉:いまはもう、自立しました(笑)。
──監督には、お芝居に対してどんなことを言われましたか?
安斉:今回は、お芝居というよりも、日常会話のようにやってほしいって言われたんです。そこでそういうお芝居もあるんだって初めて気づきましたね。しかも、役柄もかれんそのままなので、同じテンションのままずっと喋っていました(笑)。
──すごく自然体だった?
安斉:そうですね。ただ、日常を切り取っただけのお芝居をすることがすごく難しかったんです。でも、どんどん楽しくなっていったのも自分の中での大きな発見でしたね。
──これまではかれんさんに近い役柄を求められることが多いですが、今後は真逆の役柄も見てみたいです。
安斉:それも楽しそうだなって思うんですよね。もしチャンスがあるのなら、やってみたいですね。
──楽しみにしていますね。そして、あっという間に2022年が年末となりますが、振り返ってみていかがですか?
安斉:今年は好きなことがたくさんできた1年だったのでとても楽しかったです。曲だけでなく、他の活動を含めて、いろんなことが自由にできるようになってきたので、視野も広がりました。
──プライベートではいかがでしたか?
安斉:それが、本当にプライベートがないんですよ(苦笑)。でも、この1年でやっと料理を作るようになりました。お仕事をしていないときは、寝ているか、お酒を飲んでワンちゃんとあそんでいるくらいかな。私の趣味って何だろう⁉(笑)
──音楽が趣味で、そのまま仕事になっているタイプですね。
安斉:そういえば、今年は大好きな長渕剛さんのライブに行けたんです! 写真を撮ってもらったんですが、あまりにテンパり過ぎて当時のことを覚えてなくて! でも宝物です。
──来年やってみたいことはありますか?
安斉:海が好きなのでマリンスポーツをやってみたいです。ダイビングやジェットスキーは免許が必要なんですが、短期集中で取れるので、挑戦してみたいですね。来年こそ、趣味を増やしたいと思っています!
取材・文◎吉田可奈
写真◎野村雄治
安斉かれん 新曲「未来の音」
配信リンク:https://kalenanzai.lnk.to/mirainooto
MV:https://youtu.be/lmN5SRhm5Mw
※短編映画「イマジナリーフレンド」主題歌
※「リップスティック @カレン」イメージソング
短編映画『イマジナリーフレンド』
■キャスト:安斉かれん、松本怜生、志水 透哉
■主題歌:「未来の音」安斉かれん
【見放題サービス】
配信開始:2022年11月23日
短編映画「イマジナリーフレンド」の配信と合わせて、安斉かれんミュージックビデオ特集としてMV全15曲配信開始!
dTV https://bit.ly/3UHOmKb
【都度課金サービス】
配信開始:2022年11月23日
ひかりTV https://www.hikaritv.net/video
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music.jp https://music-book.jp/
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◆安斉かれん オフィシャルSNS
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