【速レポ】<SAI 2022>DAY2、sumika「今日、新しく教わったことがあります」

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薄暗いステージにSEもなく登場したsumika。突然、片岡健太(Vo, G)の愛の告白からライブは始まった。

◆sumika ライブ写真

「高校時代の俺に衝撃をくれて。なけなしのバイト代をはたいて、何度もライブを観に行って、そこから20年。やっと、この日がやって来ました。ACIDMANへ格別の愛情を携えて」──片岡健太





こうしてライブは「Lovers」からスタート。恋愛と失恋の中で揺れ動く気持ちを描いた歌詞が、共感できる、と女性の間でも人気のあるナンバーだ。しかし、“Lovers”を“自分の好きなもの”と解釈すれば、恋人に向けたラブソングとは違った捉え方もできる。片岡にとっては、高校時代から20年に渡って恋焦がれたACIDMANの音楽やライブがLoversと言えるだろう。また会場いっぱいに集まったオーディエンスにとっては、好きなバンドやライブもLoversだ。「Lovers」を披露しながらムチャクチャ嬉しそうな片岡はもちろん、ネックを激しく上下させながら興奮ぶりをアピールのは黒田隼之介(G, Cho)。小川貴之(Key, Cho)と荒井智之(Dr, Cho)も演奏の合間にはガッツポーズまで見せている。

4人のACIDMAN LOVERSの無邪気な表情や仕草は、会場を埋めたオーディエンスも喜ばせていった。そこから続くのはこれまた人気ナンバー「ふっかつのじゅもん」。sumikaの4人から疾走感とポップ感が次から次へとハジけていく。





これまで何度ものホールツアーやアリーナライブを成功させている彼ら。現在も結成10年を祝うツアー<sumika Live Tour 2022-2023「Ten to Ten」>の真っ最中であり、昨日は栃木でのホールライブを成功させている。つまり、すさまじい経験値を持った、脂の乗ったライブバンドがsumikaだ。勢いある曲ではオーディエンスにストレートにエネルギーを浴びせ、片岡の歌う様々なメッセージは心から元気にさせていく。

4曲目「イコール」は、描いた理想を今とイコールでつなごうというメッセージが込められているが、20年前から抱いていた夢を今、現実にしているsumikaだから、説得力もたっぷり。ブラックミュージックの要素を取り入れたシティポップ「Summer Vacation」では、軽快なステップとしなやかな動きで全身でグルーヴしながら歌う片岡。聴きどころも観どころも満載で、イベントのステージでありながら、まるでワンマンツアーの一幕を観ているような、そんな盛り上がりがずっと続いていった。



「ACIDMANに教わったことがあります。ひとつめは哲学を持つということです。そしてもうひとつ。美学を持つということです。そして今日、新しく教わったことがあります。その二つをずっと大事にここ(気持ちや心)に持っておけば、夢は必ず叶う、ということです。幸せや驚きをくれて本当に感謝しています。ACIDMANと、<SAI>に集まってくれたあなたの心に向けて歌います」──片岡健太

こうしてラストナンバー「Shake & Shake」へ。誰だって主役になれるパレードを題材にしながら、楽しい音やフレーズを目いっぱいに詰め込み、オーディエンスの表情をキラキラに輝かせていく。触れた者全員を幸せにする──そんな哲学と美学を持っているんじゃないのか。そう感じさせるsumikaのステージだった。


取材・文◎長谷川幸信
撮影◎山川哲矢

セットリスト

1. Lovers
2. ふっかつのじゅもん
3. ファンファーレ
4. イコール
5. Summer Vacation
6. 願い
7. Shake & Shake

■<ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」>

2022年11月26日(土) さいたまスーパーアリーナ
2022年11月27日(日) さいたまスーパーアリーナ

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