【インタビュー】Nicori Light Tours、アルバムに刻まれたJanne Da Arc活動休止から現在までの歩み「テーマはチャレンジ」
元Janne Da Arcのyou (G)とkiyo (Key)が中心となって2021年の夏に始動したバンドNicori Light Toursが11月16日、1st フルアルバム『II ~パラレル~』をリリースした。以降、着々とツアーや音源制作を重ね、2022年3月から9月にかけては7ヶ月連続配信リリースをするなど、精力的な活動を行っているが、その全貌はまだ謎に満ちているかもしれない。
◆Nicori Light Tours 画像 / 動画
コロナ禍での始動は、バンド名が表すように"笑顔"と"希望の光"をツアーという“旅”を通して全国に届けるためのものでもある。先ごろ公開したyou&kiyo ×うみくん対談で、Janne Da Arcファンだったうみくんは、「僕を含め、ファンの人からしたら待っていたわけで。その空白を一気にアルバムで埋められると思うと、エモいです」とアルバム『II 〜パラレル〜』について語った。そして遂にファン待望のフルアルバムリリースとなる。
インタビューでは、全く異なる個性と声質を持つボーカリストɑyumuとko-hei、そしてyouとkiyoの4人に、バンドの成り立ちから、今に至るまでの経緯、長い時間をかけて完成したというアルバムについて、“パラレル”が意味するものについて、たっぷり語ってもらった。
◆ ◆ ◆
■活休以降2人で曲を作っていたんです
■聴いてもらいたいと思うようになって
──まずはNicori Light Toursの始まりから教えていただけますか?
you:本当の始まりからお話すると、Janne Da Arcが活動休止(2007年/2019年解散)になってから、長い期間にわたって僕とkiyoは2人で曲を作っていたんですね。遊びながらと言ったら語弊があるかもしれないんですけど、どこかに発表するつもりもなく一緒に作業していたら、けっこう曲が増えてきて、だんだん“いろんな人に聴いてもらいたい”という気持ちになっていったんです。となると必然的に何かできたらいいなって心境になって。
──ちなみに、どれぐらいの期間、曲を作っていたんですか?
you:7年ぐらいかな。
kiyo:楽曲提供を依頼されたものもあったんですが、そういう期間を含めたら6〜7年ですね。その都度、2人の中でブームみたいなものもあって、ロックバンド然とした曲もあれば、切ない曲もあったり、バラードがあったりとか。あの期間があって良かったと思いますね。
▲you (G)
──それは十数曲というレベルじゃないですよね。
you:そうですねぇ。
kiyo:すでに消えてしまったファイルもあると思いますけどね。
──宇宙の彼方に消えてしまった曲も?
kiyo:ハードディスクが動かなくなったりして。闇の中に葬られるのも悲しいので頭の中にあったもので何とか作り直したりもしました。
──誰かに聴いて欲しいと思われたのはいつ頃だったんでしょうか?
you:そうやって楽曲制作をしているうちにJanne Da Arcが解散してしまったんですけど、自分らの中では作っていくうちに自然と聴いてもらいたいなと思うようになったんですよね。
kiyo:それぐらい作り込んでいたんです。ただ、聴いてもらうためにはやっぱり歌が必要だということになって。
you:そう。まずはボーカルを見つけようとオーディションもしたんですが、なかなか出会えなくて。ある時、知り合いが「こういう人がおるけど、面白いんちゃう?」ってJanne Da Arcの曲をカバーしているYouTube動画を見せてくれたんですね。「僕らが作っている曲に声が合うんじゃないか」って2人の意見が一致して、コンタクトをとって自分たちのデモを何曲か歌ってもらった上でɑyumuを誘ったという流れです。
──YouTubeというのがやはり今の時代ですね。
you&kiyo:そうですね(笑)。
you:かなりの時間をかけてボーカリストを探していたので、ɑyumuに出会う前にもいろいろな方に試しに歌ってもらっていたんですけど、その時点ではツインボーカルというのはまだ頭の中になかったんです。ただ、多くの方の歌に触れていたので、“この人のこの部分はいいね”とか“サビはこういう感じがいいな”と思うようになって、kiyoとふと「ボーカルって1人じゃなくちゃあかんの?」って。
kiyo:そうそう。
▲kiyo (Key)
──ボーカルが2人以上いてもいいんじゃないかって?
you:そういう想いに変わっていったんですね。ɑyumuくんが加入する前からラップが入ってるデモもあって、「ɑyumuくんとは全然違うタイプのボーカリストいないかなぁ」って探した結果、ko-heiくんを紹介してもらったんです。
ko-hei:僕はYouTubeにJanne Da Arcのカバーをアップしてはいなかったんですけどね(笑)。
you:ははは。ko-heiくんはɑyumuくんとは違って、Janne Da Arcとかいう以前にほとんどバンドを通ってきてないんですよ。そもそも、そういう人を探していたので、実際に歌ってもらって即決でしたね。
kiyo:本当に即でしたね。
you:バックボーンが違うというのも理由のひとつだったし、ɑyumuくんとは歌声も全然違うので、2人が合わさったら面白いんじゃないかなって。それがいちばん大きかったかもしれないですね。4人が並んだ時の見た目も含めてバランスが良かったので、断られるのを覚悟で。
kiyo:祈るような気持ちでした(笑)。ロックを全然通っていないのに僕らから誘われても、そりゃ困るでしょって思ってたから。
──お2人が加入するのが最終的に決まったのは?
ko-hei:2021年4月ですね。
──始動発表の4ヵ月くらい前だったと。誘われた時の心境もお聞きしたいのですが、ɑyumuさんはJanne Da Arcの曲をネットに上げてたんですよね?
ɑyumu:はい。僕が初めてYouTubeに上げた曲をyouさんとkiyoさんが見てくれたんです。Janne Da Arcの「霞ゆく空 背にして」という曲を友達と2人でアコースティックヴァージョンにして歌ったもので。
ko-hei:もともとJanne Da Arcのファン?
ɑyumu:僕、音楽始めたキッカケがJanne Da Arcだったんです。友達には好きだって言ってなかったんですが、「絶対に合うアーティストの曲があるから歌ってみてほしい」って提案されたのがJanne Da Arcで。YouTubeにアップしたら、それをたまたまyouさんとkiyoさんが見てくれるなんて。自分でもちょっと運命的なものを感じました。
──“人生ってこんなことが起こるんだ!?”って?
ɑyumu:はい。スタッフの方を通じてDMをもらった時、最初は嘘だと思いましたから。騙されてると(笑)。
you&kiyo:はははは。
ɑyumu:無視しようと思ったんですけど、調べてみたら本物だとわかって、慌てて連絡しました(笑)。
──ko-heiさんはラップやダンスミュージック系を聴いていたんですか?
ko-hei:EXILEさんの事務所と3年ぐらい育成契約していたんです。歌ったり踊ったりしていたんですが、ある日、事務所にいらっしゃった元社員の方から久しぶりに連絡をいただいて。最初はダンス&ボーカルのグループの話なのかと思ったんですね。だとしたら断ろうと思っていたんですが、まさかのバンドのお話で、「ちょうど全然やったことがないことをやりたいって考えていたんです」と。とはいえ、経験がないのでボーカル1人はしんどいから「ツインボーカルのバンドとか、やってみたいですね」って伝えたら「まさにそういう形態なんだよ」って。これも不思議な話ですけどね。
──確かに、いろいろな偶然が重なったんですね。
ko-hei:「やります!」って二つ返事でした。Janne Da Arcだったので(笑)。
──やっぱり聴かれていたんじゃないですか?
ko-hei:はははは。もちろん知ってましたけどね。
──ちょうど新たな挑戦をしたかった時期に誘われたんですね。
ko-hei:そうです。ヒップホップをやっていたわけではないんですが、前の事務所でラップのレッスンも受けていて、自分としては不本意だったんですが「ラップのほうがうまい」って言われていたんです。
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