【インタビュー】AISHA、自分を信じることの大切さをまっすぐに歌う
その笑顔と、その歌声と、その存在だけで、彼女の周りにはいつもポジティブな空気が生まれる。ミス・サンシャインことAISHAの新曲「I BELIEVE」は、アップテンポのリズミックなR&Bチューンに乗せて、「自分を信じること」の大切さをまっすぐに歌うメッセージソング。久々にプロデューサー・今井了介、トラックメイカー・前田佑とタッグを組み、信頼できる仲間と共に作り上げた楽曲は、悩み多き時代を明るく照らす光になるはずだ。AISHAの歌を聴こう。その光を体いっぱいに浴びよう。
■「こうであるべき」というものを手放すことによって
■いろいろな奇跡に気づけたような気がしたんです
――「I BELIEVE」は、AISHAにとって、今年2曲目の新曲リリース。久々にアップテンポの曲が来た!と思いました。
AISHA:そうですね、今までミッドやスローの曲が多かったので。この曲は…どうやって話せばいいのかな。
――何でもいいですよ。思ったことをどんどん言っちゃって。
AISHA:ここ何年か、コロナとかいろんなことがあって、やりたいことができなかったり、もやもやしてる人が多かったんじゃないかな?と思っていて、だからラブソングじゃなくて…私はすぐにラブソングに持ってっちゃうんですけど、ラブじゃなくて「FAITH」=信じることを大事にする曲を作りたいなと思ったんですよ。それで自分にとってFAITHって何なのかな?って考えた時に、ライブに向かう新幹線の中で思ったんですけど、私は初めての場所に行く時は、いつも窓から外を見ていたんです。「これからどこに行くんだろう」って、わくわくしていたんですけど、最近は窓を締めて、イヤホンして、自分の世界にこもるようになっていた。最初はわくわくしていたものが当たり前になって、「はい、次はどこ?」みたいな感じで、窓の外を見なくなっていたんです。
――うーむ。なるほど。
AISHA:それって大事な気持ちを忘れかけてるなって、もったいないなって思ったんです。だから「I BELIEVE」の歌詞の頭に“いつからかなぁ、空を見なくなった”というのを入れたんです。自分のインスタやフォトを見ていた時に、昔の私はこんなに可愛い格好して、みんなと笑ってパーティーに行ってたなって、昔の自分はなんて幸せそうなんだろうって思ったんですよ。それで“写真に笑ってた日々、何もわかってないのに。”というのを書いて、“でも戻りたいなんて思わない、何度も砕けたけど奇跡の瞬間もあったよ”というのは、昔のことはキラキラして見えるけど、戻りたいとは思わない理由は、その間に経験した奇跡的なことや、幸せだったことが全部消えちゃうから、今ここに生きてることが奇跡なんだということにたどり着くんですよね。
――うんうん。
AISHA:じゃあどうする?と思ったら、“ゆっくり立ち上がって、なりたい自分思い浮かんで、どこに行こうかな?”ということで、これでいいのかな?という不安な気持ちを一回置いて、楽しいことを考えてみようかなって。私は何が好きだっけ、どこに行くと幸せな気持ちになるんだっけ?って、リラックスして、なりたい自分を思い浮かべてみようと思ったんですね。ごめんなさいね、歌詞を一行一行説明していますけど(笑)。
――いやぁ、よくわかります。まさにリアルな心境がそのまま入っている、ドキュメンタリー。
AISHA:そうなんです。「こうであるべき」とか「なんでこうなってないんだろう」とか、一生懸命しがみつこうとするとどんどん病んでいくと思うから、あきらめるという意味じゃないんですけど、「こうであるべき」というものをLet Goする(手放す)ことによって、新しいインスピレーションや、新しいデスティニーや、すごく大きなことが起きたりとか、いろんな奇跡に気づけたような気がしたんです。“わからない未来、怖がってる時間はない、さぁ行くよ!”というのは、とりあえず自分の好きなこと、楽しいと思うことにJump Inしてみようと思って書いた言葉で、サビの“今でもI BELIEVE、the Angels will guide me”は、私が行く場所は自分が決めるんじゃなくて、Let goした瞬間に、私を見守ってくれてる天使たちが向かうべき道をリードしてくれるんじゃないかな?って。自分が楽しいと思うことに踏み込んでみることによって、エンジェルズがガイドしてくれるんじゃないかな?という意味で書きました。
――おおー。なるほど。
AISHA:“I have everything that I need it’s all in me oh now I see”というのは、私が必要としてるものは全部心の中にあるから、ということです。私の父が唯一教えてくれたことが、「悩んだり落ち込んだりしたらハートに手を置いて目を閉じてごらん、自分が必要としている答えは自分の中にあるから」ということなんです。
――とっても良い言葉。
AISHA:良い言葉ですよね。それを英語で書いています。“The Sun will rise”は、太陽が昇るのは当たり前のことなんですけど、当たり前のことが実はすごい奇跡だと気づくことが大事なんだということで、太陽や青空や星空や、それを作ったエネルギーが、私のことも作っているんですよね。だったら私も何でもできるんじゃないかな、偉大なエネルギーを体の中に秘めてるんじゃないかなって思ったら、心配してる時間がもったいないから、自分を信じてあげて、あなたの願いは全部かなうよということで、“I BELIEVE”と歌っています。
――ほんとに素晴らしい。これは元気が出る曲です。AISHAのリリックは本当に素直で、いつも嘘がない。
AISHA:ありがとうございます。
――この曲、プロデュースは今井さんですね。
AISHA:今井さんと(前田)佑さんです。佑さんがメインで、プロデュースが今井さんです。『CANDY LOVE+』(2015年)というアルバムをリリースした時に、全プロデュースが今井さんで、「CANDY LOVE」や「うそつきLIAR」は佑さんで、私のヒットした曲はほとんど佑さんが作ってくれています。今回の「I BELIEVE」は今井さんから、ブレスレットのブランドのタイアップソングとして最初にお願いされたんです(※dot Bravo“リストアクセサリー”CMソング)。それで1Aと1サビを書いたら、すっごい気に入ってもらえて、1曲まるまる書いてもらえないかと言われて、コマーシャル用とかじゃなくて自分の曲として歌詞を書いたら、すっごい気に入ってくれて、リリースしてくれないかと言われ、「OK!」ってなって、リリースすることになりました。
――すごい。それこそいろんな人のガイドがあって生まれた曲。
AISHA:そうなんですよ。自分で言うのもなんですけど、リリース日の一週間前にちょっと落ち込んだり不安定な気持ちになることがあって、リリース日にもう一回この曲を聴いたら、自分で聴いてぽろぽろ涙が流れて、人のために書いてるのか、自分のために書いてるのか、わからないなと思いました。
――どっちもですよね。きっと。
AISHA:自分を信じることって、忘れがちなのかなと思うんですね。周りの人の素晴らしさは見えるのに、自分の素晴らしさはなかなか見えなかったりして、周りの人が落ち込んでると、あなたの良いところがなんでわからないの?って思うのに、鏡を見た時に同じことをしてあげられない自分がいるなと思って、これはもったいない!と。たくさんの人が、特にこの何年かは、自信をなくしたり、会社や学校に行けなくなったり、卒業式ができないとか、大事なイベントができない人がたくさんいて、そういうものを経験することが自信につながるじゃないですか。自信が足りない時代だから、今一番必要なんじゃないかと思うんですね。
――そのキーワードが「I BELIEVE」。ほんとにその通り。
AISHA:私はすぐガーリーな曲を作っちゃうんですけど、これは男も女も関係なく、ニュートラルな曲にしたくて、だからジャケット写真も初めて自分が出ていないんですよ。「I BELIEVE」という言葉を入れて、ピンクと黄色のグラデーションで、私の顔がなくて、男も女もない、ニュートラルなSOUL(魂、本質)として聴いてもらえるといいなと思って。
――それも今の時代にすごく合っていると思います。
AISHA:アーティスト仲間の男の子でも、WHITE JAMのSHIROSEくんからメールが来て、泣き絵文字がバーッとあって、「この曲最高でした!」って。コロナ前にライブで一緒になってから何年も話してないのに、いきなり「素晴らしかった!」と言われて、男の人にもちゃんと届くんだ、よかったと思いました。それを狙っていたんで、安心しました。
◆インタビュー(2)へ