【インタビュー】FAKY、1stアルバム『F』発売「関わってくれる人全員でFAKYを作りたい」
■自分らしさは自分らしいところからしか出てこない
──では3rdシーズンを迎えた現FAKYの特徴、メンバーはどう分析していますか。
Akina:5人は音楽だけではなくライフスタイルも含め、何も隠さずに生きています。そしてそれをファンのみなさんも分かってくれて応援してくれるから、私たちも各々、自分がやりたいことを全力で出来ているんですよね。そして、FAKYは全員個性がとても強くて、一人ひとりスタイルも違う。そこが、私たちのストロングポイントじゃないかなと思います。
Lil’ Fang:それぞれのシーズンごとにストロングポイントは変わってきています。変わるたび、いつも話し合いを重ねてやってきました。1stシーズンは「日本から世界へ」というのがメインのコンセプトでした。なので、曲調や表現も“私たちは強い”“誰にも負けない”という打ち出し方をしたんです。そしてそこから、2ndシーズンではレイドバックしたような表現が多くなりました。そこでは“無理をしないでいい”ということを、私たち自身も学びました。
──ああー。自分に無理してまで強がらなくていいんだ、ということですね?
Lil’ Fang:そうです。自分らしさは自分らしいところからしか出てこない、ということを学びました。そうして迎えたのが今の3rdシーズンです。そして、今の私たちのストロングポイントは”共感値の高さ”だと思います。さっきAkinaが”ライフスタイル”と話したように、私たち5人は生きてきた環境も戦ってきたものも、そこで得たもの・失ったものも各々違う。そこを隠さずに表現していくことによって、それが今までにはなかった共感値の高さ、親しみやすさになっているんじゃないかと思います。私たちは今も1stシーズンの曲も隠さずにやっていますが、ファンの方からは「今は全然違う曲に聴こえる」って言われるんですよね。それがFAKYが変化しながらも続いてきた意味かなと思います。だから、3rdシーズンが一番人間らしいというか。
──そう! それを私も一番いいたかったんですよ。
全員:Yeah!
──1stシーズンのFAKYを表す言葉って、グローバルとかクールとかカッコいいで、ちょっと突き放したような距離感にいたと思うんですね。だけどいまのFAKYは、めっちゃ身近に感じるときもあれば、レベル違いのアーティスト感を感じるときもある。5人をかわいいという人もいればファッショナブルという人もいて。ダンスがすごいという人もいれば歌が実力派だねという人もいて。意外とFAKYはJ-POPしてるんだよねという人もいれば、海外のトラックメーカーとめっちゃ最先端の音楽を作ってるという人もいて。いろんな魅力をFAKYに見出してくれている人たちがいる。そこが、3rdシーズンのFAKYのストロングポイントだと私は思っています。
全員:ありがとうございます!
──で、いま伝えたようなFAKYのストロングポイントすべてが入ってるんですよ。アルバム『F』には。
Lil’ Fang:うわー、めっちゃ嬉しい! ありがとうございます。
──ここからはそのアルバムについてお伺いしていきます。まずは今作の衣装、スタイリングのテーマから教えてもらえますか?
Mikako:さっきLil’から出た”共感値の高さ”ということを意識しました。それぞれが持ってるスタイルが出るように私服っぽさをベースにして、そこに”フェアリーテイル”と”フューチャー”を意識しました。両方“F”から始まるワードです。
──アルバム『F』のタイトルに合わせて?
Mikako:そうです、そうです! 最近私がいいなと思ってることがあって。ファンの子から「FAKYに入りたい」、「FAKYと話したい」、「一緒に遊びたい」、「友達になりたい」というような声をもらうようになったんですね。
──えぇー! 1stシーズンからは想像できないリアクションに感動。嬉しいなぁ。
Mikako:その頃は「近づきづらい」ってよくいわれてたんですけど、この5人になってからはそういう言葉を貰うようになったことに私もびっくりして。すごくいいなと思ったんですね。それで、背景はおとぎ話のような自然のなかに、自然なFAKYがいて。そして今作は自分たちの自己紹介プラス、FAKYはここから未来に向けてスタートしますよという意味を込めてるアルバムだから、そこに未来な雰囲気を掛け合わせたら、こういうスタイリングになりました。メイクも今回はナチュラル路線にしました。
──FAKYの今までと未来がつまった今作。そのなかでも思い入れのある1曲をピックアップするとしたら?
Lil’ Fang:今回アルバムは4形態でリリースします。その中でも「FAKY入門盤」は、それぞれ1曲、入れたい曲を選んでるんですよ。バランスとか何も考えずに、せーので(笑)。そうしたらこんな選曲になったので、その曲の話をしますね。
Akina:私は「GIRLS GOTTA LIVE」を選びました。5人になって一番最初に出したシングルなんですが、初めて5人で踊りを揃えて、初めて5人で歌って。これを世界中に届けるんだって、すごく気合を入れて頑張って作った曲です。歌詞もLil’と一緒に書きました。FAKYといえばこの曲!と思うぐらい、この曲にはキラキラやCOOL、POPでキャッチーなFAKYの全部のエッセンスが入ってるので、特に思い入れのある1曲になりました。
──ライヴでは、普段のルックスから想像できないTakiさんがダイナミックなソロダンスを踊って、バッキバキにきめるところも見どころですよね?
Taki:普段と違うってよく言われるんですが(笑)、ステージに立つとスイッチが入ります。ダンスを踊ると別人になっちゃうんですよ。
──ではそんなTakiさんが思い入れがある曲といえば?
Taki:「HappyEverAfter」です。これはLil’が私の(『恋とオオカミには騙されない』出演時に感じた)気持ちを歌詞にしてくれた曲なんです。一緒にご飯を食べながらその時の気持ちを話したんですが、ここまで自分をさらけ出して話をしたのは初めてだったので、この曲の制作を通じてメンバーとの距離感も縮まった気がします。この曲があったからこそ、みんなのことをそれまで以上に信頼できるようになって、話せることもとても広がりました。そしてなによりも、”私はこんな気持ちなんだ”ということを、聴いていただいたみなさんに共感してもらえたのが本当に嬉しかったので、私にとって大切な曲です。
──3rdシーズンのFAKYはいろんなラブソングも歌うようになった。そこも共感性が高まった部分だと思うんですよね。
Lil’ Fang:でも、これはラブソングに見えて男女の友情を歌ってるんです。
──え、そうなんですか?
Taki:実はそうなんです。
Lil’ Fang:親友の曲なんです。だから1番は男の子側、2番は女の子側を主人公にしているんですよ。Takiが日本に来て葛藤していく中、初めて見つけたベストフレンドがこの男の子で。Takiの話を聞いてたら、大切な人への想い、関係は恋愛という形だけではないんだというのを感じたので、それを書いたものなんです。
──この曲、トラックはドラムンベースでフューチャー感がありつつも、メロはちゃんとJ-POPなんですよね。それも、いまのFAKYはありだと。
Lil’ Fang:そのあたりが良いバランスで出来るようになりました。
──FAKYってw-inds.主催のフェスにも出てたじゃないですか? 3rdシーズンのFAKYは、どんなに海外のエッジーなトラックメイカーを使っても、メロでJ-POPを感じさせるパートを作る。そこは個人的にはw-inds.と重なる部分だなと思っているんですね。
Lil’ Fang:嬉しいです。
──で、さらにいうと、3rdシーズンのFAKYは今作でも分かるように海外よりも日本の新進気鋭の音楽プロデューサーから若手ボカロPまで、日本のクリエーターを積極的に起用していて。「ダーリン (Prod. GeG)」では変態紳士クラブのGeG、「little more」ではmaeshima soshi、「ふたこ糸」ではAqu3raという、ジャンルは違えど”日本のポップス”を代表するようなクリエイターとの楽曲でした。そこに私は、FAKYは今後、これらを“J-Culture ”として、Made in Japanを掲げて、グローバルなところで勝負していくつもりなんだなという未来のヴィジョンをすごく感じたんですよ。
全員:嬉しいです!
Lil’ Fang:“Culture”というのはすごく大事にしている部分なんです。音楽ジャンルに関しては「こだわらない」というところにこだわりを持っているんですけど、カルチャーに関しては、私たちは日本で活動してるからこそ、日本のカルチャーをまずリスペクトしたいなという思いがあるので、そう言っていただけるのはすごく嬉しいです。以前は”J-POP”というカテゴライズに対して、どう向き合うべきかを考えてしまうこともありました。だけど今は「FAKYってJ-POPだよね」と言われることに、全く抵抗を感じていないです。
──それは、今のFAKYはサウンドやダンスを海外のトレンドに無理やり寄せなくても、ステージで歌って踊る。そのパフォーマンスで世界標準を感じさせる存在感を出せるからだと思います。
全員:おぉー(笑)。
──すいません、熱く語りすぎちゃいましたね。では次の方、お願いします。
Mikako:はい。じゃあMikakoいきます。私は「NEW AGE」です。親近感がある存在でありながらも、私たちは常にみんなを引っ張っていく存在でもありたいんですよね。この歌詞のなかでは“FAKY WORLD”とか“私たちのSound”とか、強気なことを言っています。振りもこの曲では5人でキックをしたりしていて。そういうガールクラッシュ感が私はお気に入りです。ライヴでは“これからも私たちについて来て”という気持ちで歌ってます。
──キックの振りのところ、見るたびに「蹴られたい」って思うんですよね(笑)。
Mikako:(即座に)それファンの人にも言われます! で、ヒールを履いてるときによくいわれるんです(一同笑)。
──では次、Hinaさんはどうですか?
Hina:私は「ダーリン (Prod. GeG)」がとても好きです。変態紳士クラブのGeGさんがプロデュースして下さいました。普段自分たちがやってる音楽とはまったく違うジャンルの方から見たFAKYが楽曲から感じられて、とても新鮮でした。レコーディングでも初めてオートチューンを使ったり、椅子に座りながら歌ったり。新しい経験がとにかく多かった1曲でした。歌詞も繊細なんですよ。それまでのFAKYって”ガールズパワー”で突っ走ってきたんですけど、ここにきてフッと力が抜けたFAKYを、GeGさんに引き出してもらった気がして。とてもお気に入りな曲です。
──では最後はLilさん。
Lil’ Fang:私は「It’s a small world」。それまで歌詞を書くことは多かったのですが、FAKYとしてリリースした楽曲で、作曲をしたのはこれが初めてだったんですよ。FAKYはフェイマニはもちろんですが、スタッフさんたちも含めたチームの絆で、みんなで一緒に歩んできた。そのチームが私たちの才能を信じて「曲書いてよ。書けるでしょ?」と言ってくれたのがすごく嬉しくて。
──そうしたら、ライヴで盛り上がり必須のアップリフティングなダンスチューンが爆誕!
Lil’ Fang:しちゃいました(笑)。この曲の前のリリースが、ミッドな曲が続いていました。で、「そろそろ踊りたいな」と思ったらこういう仕上がりになりましたね。歌詞は、各々が自分の世界を持っていて、それは小さな世界かもしれないけどとても大切な世界なんだよ、ということを伝えたくて書きました。
──今作、FAKYとしてはどんな風にみなさんに楽しんでもらいたいですか?
Lil’ Fang:それぞれ好きなタイミング、好きな受け取り方で楽しんでもらいたいです。そして、Mikakoが話したように、FAKYはここからがスタート。このアルバムを聴いてお気に入りを1曲でも見つけて、私たちを知って欲しいなと思いますね。
Akina:見つかるはず。これだけあれば。
──では、3rdシーズンのFAKYが今後目指す場所とは?
Lil’ Fang:私たちはイケメンの心を持ち合わせた(笑)この5人がたまたま集まって、みなさんの前に立つ役割をしているだけ。なので、これからも応援して下さっているファンのみんなと一緒に、関わってくださる方々も含め全員で”FAKY”を作りたいというのが私たちの目標です。そして、それが私たちがFAKYをやっている意味だと思っています。
取材・文◎東條祥恵
写真◎野村雄治
1stフルアルバム『F』
▼ストリーミング & ダウンロード
https://avex.lnk.to/FAKY_1stFullAlbum_F
▼パッケージ
https://avex.lnk.to/faky_1stfullalbum
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