【速レポ】＜JOIN ALIVE 2022＞The BONEZ、「無理しなくても大丈夫。お前のためにやるから」

2022年4月にリリースしたミニアルバム『LAB』で、サポートギタリストだったKOKIが正式加入し、JESSE (Vo/G)、T$UYO$HI (B)、ZAX (Dr)、KOKI (G)の4ピース体制となったThe BONEZ。その『LAB』を引っさげて全国のライブハウスをツアーし、さらに強靭となったバンドのいいノリと勢いも冷めぬまま＜JOIN ALIVE＞のステージへと帰ってきた。

◆The BONEZ ライブ写真

4人は、サウンドチェックから本気のグルーヴと爆音を響かせる。身体にビシビシと響く重低音に自ずと手拍子が起こり、力強いビートにジャンプする観客、そして“もうはじまったのか？”と急ぎ足で向かってくる観客の様子を見てJESSEは、「じゃあ、やっちゃおうか」とライブをスタートさせた。


1曲目はもちろん、名刺がわりのこの曲「We are The BONEZ」。「お前らチケット買って、人生変えに来たんだろ。楽しんでいってくれ」というJESSEの言葉とともに、しなやかに躍動するビートにのせて会場を揺らすようなジャンプを巻き起こしていく。JESSEはステージを跳ねまわり、ステージ横に組まれた柵によじ登ってその声を遠くに飛ばし、ZAX、T$UYO$HI、KOKIは濃密なアンサンブルで観客の興奮のメーターをあげる。

昨日に続いて晴天に恵まれた＜JOIN ALIVE＞だが、今日は夏が戻ってきたような日差し。北海道らしくカラッとしているが、気温はぐんぐん上昇。ハイボルテージなステージに、たちまち汗が流れてくる。しかしまだまだ始まったばかり。続く「Numb」では、観客の手拍子もバンドのグルーヴに飲み込でいくパワーで、その言葉を語りかけるように届けていった。





「＜JOIN ALIVE＞3年ぶりの開催、本当におめでとうございます」──JESSE

という言葉に、メンバーも観客も大きな拍手を会場いっぱいに響かせる。「君たちと一緒にバカをしに来たので、一緒にバカになってもらっていいですか」という言葉に続けてJESSEは、「スタッフやステージを作り上げた人たちとともに、The BONEZ、ぶちかまします」と宣戦布告。

そこに続いたのは、「Rusted Car」だ。ニューヨークハードコアの攻撃性とキャッチーな'90sロックが合体したような、パワフルで爽快な1曲に、観客も思い思いのノリで飛び跳ねる。そして「カバーを1曲」とHouse of Painの「Jump Around」で、さらにハイエナジーなバンドアンサンブルで飛ばしていく。T$UYO$HIによるブリブリに歪んだ低音と、ときおり挟む洒落たフレーズのベースラインがラップのグルーヴ、ノリを加速させる。エモーショナルなコーラスがアンセミックで、セットリストの中でも大暴れさせつつ、カタルシスも生む1曲となっている。


ライブ後半は、観客と一緒になって爆発的なうねりを生む「Thread & Needle」でスタート。ZAXによる切り開いていくようなドラムプレイと、ドラマを描いていくKOKIのギターに、メンバーの大きなシンガロングが映える。このコロナ禍で、またフェスとしても会場一体でシンガロングを響かせることができないのは彼らももちろん承知だ。しかしそれでもシンガロングパートをたっぷりとって、観客がなんとか興奮を伝えようとするシーンも。それを汲み取って、JESSEは「受け取った！」と応えた。

ザクザクとしたギターリフが気持ちよく、キャッチーなメロディやハーモニーが際立つ「That Song」では、曲中「みんな、めっちゃいい顔してる。本当にありがとうございます」とJESSE自身も笑顔を見せて、「もし迷子になったりしたら、今日の日を思い出せるように。今日がどれだけ最高だったか、この瞬間を思い出せるように心込めて歌います」と、心の火を灯すようにエモーショナルに声をあげた。



「今日のことは一生忘れないと思います。今日来た役目を終えて、次のバンドにバトンをパスして、今夜のお前らの打ち上げの最高のつまみにしてやるからよ。準備はできてるか」──JESSE

JESSEだけでなく、KOKI、T$UYO$HIもステージをアグレッシヴに動き回り、そしてサウンドの鼓動を上げていったのは「SUNTOWN」。曲中では、JESSEが客席の小さな子に「昨日、空港で俺に「絵を渡したいから」って、夜遅くに来てくれた君」と語りかける。また、お父さんが子どもを担いであげようと思ったのだろうか。「無理しなくても大丈夫」とJESSE。「でもお前、聴いておけよ。お前のためにやるから。みんな、見せるぞ！」と会場をひとつにまとめ上げ、そのパワーと凄まじいエネルギーを、そこにいる小さな子供はもちろん、集った人々の心に深く刻んでいく。喜びと感動と興奮が入り混じった熱が会場内を駆け抜けていくThe BONEZならではの爆裂なステージに、長く、大きな拍手が送られた。



取材・文◎吉羽さおり
撮影◎中河原理英