【速レポ】＜JOIN ALIVE 2022＞きゃりーぱみゅぱみゅ、全員一緒に楽しむポップ＆ピースフルなステージ

開演時間が迫ると自然と起こった手拍子に、ライブを待ちわびる観客の気持ちが表れていたように思う。13時半のFUTURE FLOWERSにはきゃりーぱみゅぱみゅ。黒を基調としたクラシカルな衣装を着たダンサー2名、続いてきゃりーがステージに姿を現した。

◆きゃりーぱみゅぱみゅ ライブ写真

「北海道いくよー！」と1曲目は「ファッションモンスター」だ。「みんなでー！」と促すきゃりーと一緒に拳を突き上げる人もいれば、サビの振り付けを踊る人もいて、「ファッションモンスター」という曲が、そしてきゃりーぱみゅぱみゅという存在が広く愛されていることがよく分かるオープニング。そんな光景を前に「後ろも見えてるよー！」と嬉しそうにしていたきゃりーは、ステージ上を練り歩いたり手を振ったりしながら、観客とのコミュニケーションを楽しんでいた。


きゃりーがピアノを弾く動きに合わせて始まったのは「つけまつける」で、つまりキラーチューンだらけのセットリスト。観客の手拍子も一つの楽器となり、この場限りの音楽が生まれていく中、さらに「この曲では一緒に手を上げたり、下げたり、叩いたり、真似してみてね～」と「みんなのうた」を続け、一体感を高めていった。“手を上げて”“手を開いて”といった歌詞通りの動きをみんなでしながら楽しむ曲である。


「今日はマスクを着用しなきゃいけなかったり、声が出せなかったりするけど、私のこのライブではみんなで一緒に踊りたいと思います！」という言葉通りのライブ。会場は大いに盛り上がっているが、ここできゃりーが「初めて観る人―？」と観客に尋ね、たくさんの人が手を上げたため、ほとんどの人が初めてだということが判明。長年のファンも、初めてライブを観る人も、＜JOIN ALIVE＞常連も、今年初めて来た人も関係なく、あらゆるラベルを外し、「一緒に楽しもう」と提案するピースフルな魅力がきゃりーのライブにはある。


タイトルがコールされると、声を出せないながら観客も「……！」という感じになったのは「インベーダーインベーダー」で、“つくちーつくちー”というボイスパーカッション的な歌にハイハットが絡む始まり方が斬新、かつ、歌を大胆に抜いたバースがきわめてダンスミュージック的なのは「どどんぱ」。きゃりー自身も自由に身を揺らした同曲で青空の下のステージをクラブに変えると、カンフーを彷彿とさせるダンスとともに「ガムガムガール」を披露。


「次の曲は、私史上一番振りがハードかもしれません。最近リミックスばかりやっていたのでサボっていたんですけど……頑張ります（笑）」と紹介されたのは「にんじゃりばんばん」で、ハードなダンスをハードだと感じさせない、すべてを包み込むポップなキャラクター性とともにパフォーマンスを届けた。そしてラストは「原宿いやほい」。「今日はみんな、どうもありがとーう！」とハイトーンを響かせたあと、最後まで観客に手を振る彼女の姿が心に残った。

取材・文◎蜂須賀ちなみ
撮影◎中河原理英