【速レポ】<京都大作戦2022>Dragon Ash、太陽が丘に響く「Fantasista」
登場を告げるアナウンスに待っていたという大きな拍手が会場にこだましたのは、この<京都大作戦>に欠かせない存在であり、今年メジャーデビュー25周年のアニバーサリーイヤーを迎えたDragon Ash。
◆Dragon Ash ライブ写真
そのステージは今年4月にリリースされ、ドラマ主題歌にもなった「Tiny World」でスタートした。何かがはじまっていく、数秒後のこの世界を自分の心ひとつで変えていくようなドラマティックな曲は、ステージの幕開けによく似合う。“痛い程リアル 世界はここにある”という頭の歌詞を“音楽はここにある”と替え、そこからぐっと広がっていくサウンドスケープとKj(Vo,G)のエモーショナルなボーカルが会場を包み込んだ。
曲の後半では、唐突にステージの後ろから眩しいほどの夕日が太陽が丘を照らして、新たな世界へ踏み出す曲のドラマを演出。今日は1日、不安定な天気だったが、その天気をも自らの舞台装置にして最高のカタルシスを生む。毎回この<京都大作戦>で熱い名言を残し、また数々のサプライズを用意して<京都大作戦>をスペシャルなものにしてきたDragon Ash。そんな彼らだからこその、晴れやかなはじまりだ。
高揚感で包まれた太陽が丘にド派手なパンチを食らわしたのは、続く「Fly Over feat.T$UYO$HI」だ。「好きにやろうよ」というKjの言葉を合図に、櫻井誠(Dr)がパワフルなドラミングでビートを生み出して、T$UYO$HI(B)の痺れるような低音のベースとノイジーなhiroki(G)のギターと一体となって、会場の地面から揺らしていく。ジャンプとともにコブシを高く掲げるオーディエンスに笑顔を見せたKjは、その勢いをさらに上げて「ROCKET DRIVE」で「飛び跳ねろ!」と声をあげた。BOTS(DJ)によるきらめく音響がアンサンブルをポップに加速させて、空へと駆け上がっていくドライブ感があるのが最高だ。
「京都駅着いたときに、やれてよかったな、天気も悪くないなと思って。T$UYO$HIはThe BONEZで先に会場に行ってたから、どんな状態かはわかってたんだけど。山の下の方は天気がいい感じで。高速乗って、俺たちが辿り着くであろう方を見たら、漆黒の空が広がっていました。どうなってるのかなと思ったけど、みんなの祈りと、行いと、10-FEETの顔がいいから、無事晴れ間が覗いてくれました、Dragon Ashです」(Kj)
<京都大作戦>と10-FEETへの愛情たっぷりMCの後にプレイしたのは、「New Era」。コロナ禍で混乱した世の中を経験しながらも、そのなかで新たな武器を手にして新世界を歩んでいく。そんなしなやかでしたたかな人間のタフさが、ダイナミックなアンサンブルとなって放たれる。櫻井は、大きく腕を振り下ろすドラミングで、T$UYO$HIやhirokiも全身で奏でるパフォーマンスで、変わりゆく時代でも変わることない強い思いを紡いでいく5人に、会場からは波がうねるような大きな拍手が湧く。
「ダイブもモッシュもダメだ、そんなのロックフェスじゃないって思ってたけど。できなくなるより、こうやって10-FEETがもう一度招集をかけて、みんなが集まれる方が、集まれないより何倍もいい。ダイブやモッシュができなかったら、楽しめないのか? 俺はそうでもないと思う。こんなにスペースのある大作戦は初めてかもしれない。だったら、縦横無尽に踊りやすいじゃん」というKjの言葉に、オーディエンスは拍手で応える。
さらに「みんな、足ちぎれるまで踊ろうぜ」というや、ダビーなサウンドが鳴り響いて、10-FEET のTAKUMAが登場。TAKUMAを迎えて演奏するのは、今年3月に10-FEETがリリースしたコラボレーション・アルバム『10-feat』に収録された「ハローフィクサー“CHAGE AND BASS REMIX ”feat.Dragon Ash」。あのソリッドなロックがこう変化するのかというミクスチャーダブに、TAKUMAとKjがリズミカルにボーカルを掛けあう。ダンサブルなビートで踊らずにはいられない一方、ステージを見入ってしまうボルテージの高いコラボレーションとなっているのが最高だ。曲終わりでKjがハグをしてTAKUMAを送り出すと、続く曲「For drivers area」でさらにアッパーに、アグレッシヴにアゲていく。トライバルなドラムビートに、BOTSがパーカッションで加勢すると、踊れというよりも前に会場が揺れる。「やっぱ踊れんじゃん、すげえ楽しそうじゃん。ぶっ壊れるまで踊って帰ろうや」(Kj)とアンサンブルは勢いと熱を増していった。
「いけんじゃん。むちゃくちゃ楽しいんだけど。どう、まだロックフェス必要? こんな状態でも」と笑顔で語るKjに拍手がわき、コブシを突き上げるオーディエンス。「10-FEETと運営に言ったら、多分ヨボヨボになって歩けなくなるまで京都大作戦やってくれると思うから。みんなにかかってるからね」(Kj)
雷雨により中断したりと波乱がありながらも、<京都大作戦>2週目、その1日目が終わりに近づいている。Dragon Ashのステージ、ラストはなんと、コロナ禍にあって長らく演奏されていなかった「Fantasista」。「ありえねえくらい、飛び跳ねろ」(Kj)。その言葉に応え、オーディエンスは次に登場する10-FEETの分の体力も使ってしまっているんじゃないかというくらい飛び跳ねて、多幸感溢れる音と一体になる。最高の瞬間が、1曲ごと、1フレーズごとに更新される。フェスが帰ってきた喜びを、何度も味わうようなステージだった。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN/瀧本 JON...行秀/青木カズロー
セットリスト
2.Fly Over feat. T$UYO$HI
3.ROCKET DIVE
4.New Era
5.ハローフィクサー
6.For drivers area
7.Fantasista
■10-FEET主催<京都大作戦2022 〜今年こそ全フェス開祭!〜>MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2022 ~Hope for whole day festivals this year!~
2022年7月03日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月09日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月10日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30/start11:00
■出演アーティスト ※50音順■
▼7月02日(土)
【源氏ノ舞台】打首獄門同好会 / ウルフルズ / SHISHAMO / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】Unblock / Suspended 4th / NAMBA69 / HERO COMPLEX / 夜の本気ダンス / LABRET
▼7月03日(日)
【源氏ノ舞台】Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SiM / 四星球 / 10-FEET / ヤバイTシャツ屋さん / WANIMA
【牛若ノ舞台】Age Factory / THE冠 / SHADOWS / SHANK / Hakubi / LONGMAN
▼7月09日(土)
【源氏ノ舞台】ACIDMAN(出演キャンセル) / The BONEZ / サンボマスター / 10-FEET / Dragon Ash / Vaundy / My Hair is Bad / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】上江洌.清作&The BK Sounds!! / go!go!vanillas / SHE'll SLEEP / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / Dizzy Sunfist / NOISEMAKER
▼7月10日(日)
【源氏ノ舞台】クリープハイプ(出演キャンセル) / Ken Yokoyama / 湘南乃風 / 四星球 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / マキシマム ザ ホルモン
【牛若ノ舞台】KOTORI / Saucy Dog / SHIMA / TETORA / Paledusk / HOTSQUALL
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代金の払戻しは行いませんので、予めご了承下さい。
▼チケット料金
1日券 8,778円(税込) /前2日券 17,556円(税込) /後2日券 17,556円(税込)
▼チケットに関するお問い合わせ
(問)インフォメーションセンター(平日のみ)
https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact
▼公演に関するお問い合わせ
(問)サウンドクリエーター https://www.sound-c.co.jp/contact/
電話でのお問い合わせ:06-6357-4400 (月・金12:00~15:00 ※祝日を除く)
【京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策について】
「京都大作戦2022」では、新型コロナウイルス感染症の予防と感染拡大防止及び、お客様・出演者・スタッフの安全を確保するべく、感染症対策ガイドラインを定め、対応に最善を尽くして参ります。チケットのご購入ならびにご来場に際しましては、必ずご確認いただき、ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。(オフィシャルサイト掲載文言抜粋)
京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン:https://kyoto-daisakusen.kyoto/22/guideline/
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