【インタビュー】ファンモン、ニューシングル「ROUTE 16」は“聴き手によって色が変わる”自信作
■当時よりも明らかに、ラップを聴いてくれる空気がある
──懐かしくて新しい、かっこいい曲です。みなさんぜひ、夏のドライブのお供にしてください。そしてカップリングの「ラグソング」もすごくいい曲。大好きです。ダブルAサイドでもいいと思うくらい。
ファンキー加藤:事務所の社長も、そんなことを言ってましたね。珍しく。そこまで気に入ってもらえて嬉しかったし、もちろん自分たちも一生懸命作ったんですけど、自分たちよりも周りの評価が高くて、驚いている感じはあります。
モン吉:リアクションがいいよね。
──これも、ラブソングだけどそれだけじゃないような広がりのある曲。最初はどんなふうに?
ファンキー加藤:これは、「エール」を作っている段階で、デモができあがっていたんですね。最終選考で漏れてしまったんですけど、すごくいいメロディだから、いつか必ず出しましょうという話はしていて、今回「ROUTE 16」が完成してから、あらためて作り始めました。本当に素敵なメロディだし、それを生かして、カップリングなんで肩ひじ張らずに、リラックスして作りましょうという感じでしたね。遊び心というか、語呂合わせで面白いことができないかな?と考えていて、「ラブ」と「ラグ」をかけて、さらに「タイムラグ」のラグと「ラグマット」のラグをかけて、「ハグ」というワードも入れて、大きく韻を踏みながらラブソングを作れないかな?と思って、歌詞を書いていたら、意外といい感じでハマったので、「これは面白いかも」と。リラックスして作ることって、大事だなと思いましたね。
──トラックは、soundbreakersの大野さん(大野裕一)。旧知の仲です。
ファンキー加藤:今回、新しい機材を導入したって言ってたよね?
モン吉:なんていう機材か忘れちゃったけど、サンプラーにドラムを通すといいと言ってました。それを通すと、劣化するんだけど、かっこいい音になるんだって。
──モンちゃんは、歌詞的に、「ラグソング」にはどんな思いをこめて?
モン吉:これは、なんて言うのかな、ざわざわしてるカップルという感じではなくて、恋人でも、結婚相手でもいいですけど、あったかい、落ち着いている、そんな相手がいる家の中の景色、みたいなところが描けたなと思います。
──これは以前のファンモンでは書けなかったテーマかもしれないって、思いましたね。大人になった今だからこそ歌える歌。で、この曲、構成が面白くて、一番がメロディで、二番が完全にラップで、ヴァースの長さもまったく違う。すごく自由で面白いです。
モン吉:いつもと違うことをやりたいって思ったんだよね?
ファンキー加藤:そうそう。さっきも言った通り、カップリングだから、いい意味で遊び心を入れてみようと思って、一番をメロディにして、二番はラップにして、お互いに8小節ずつ歌って。これはたぶん今までやったことがないから、面白いんじゃないかな?ということで、やってみました。それが、いい形にハマりましたね。
──ありそうでない形式だから、すごく新鮮でしたよ。
ファンキー加藤:まずAメロ、Bメロをモンちゃんに、その場で鍵盤を叩いて作ってもらったんですけど、いいものが30分ぐらいでポンとできて、そのあと、じゃあ二番はラップしようかと。いいメロディも作れるし、しっかり韻を踏んでラップもできる、あらためてその二つは、ファンモンのかけがえのない武器だし、オリジナリティなんじゃないかなと思いましたね。作ってて、すごく楽しかった。
──「エール」のカップリングの「今だってI LOVE YOU」も、「ROUTE 16」のこの「ラグソング」も、ラップの色がすごく濃いと思うんですね。以前よりも、明らかに。最近、ラップ回帰してません?
ファンキー加藤:それは、モン吉ともよく話をしているんですよ。
モン吉:当時よりも明らかに、ラップを聴いてくれる空気がある。
──それは、世の中的に?
モン吉:そうです。韻の楽しみ方を、みんなが知ってくれてる感じはしますね。
ファンキー加藤:韻を踏むということへの理解度は、明らかに増してるよね。10年前よりも。ラップの楽しみ方が、いい意味で変化してきて、良くなっている気がします。
──「そのまんま東へ」とか「恋の片道切符」とか、あらためて聴くと、とんでもなく韻が固い。
ファンキー加藤:固いですね(笑)。
モン吉:ファンちゃんは、韻を踏ませたら天才です。
ファンキー加藤:いやいや。もうええって。
モン吉:韻の踏み方が天才なんだよね。長い文字で踏もうと思ったら、誰でも踏めるっちゃあ踏めるけど、「うまいな」っていうのはすごく少ない。やっぱり「節(ぶし)」なんだよ。
ファンキー加藤:ありがとうございます。
──みなさん、ファンモンのラップスキルの高さ、ぜひ再発見してください。
ファンキー加藤:ファンの人も、今になって、「あの曲はこういうふうに韻を踏んでたんですね」とか、そういうコメントをもらったりして。韻を理解すればより楽しめるからお勧めですよ、という提示の仕方は、ずっとしていたんですよ。KICK THE CAN CREWにしても、RIP SLYMEにしても、ケツメイシにしても、いわゆるポップ寄りのアーティストもめちゃくちゃ韻を踏んでるから、そこに気づけると面白いよ、ということはずっと提示していたんですけど。最近になって、そういうふうに聴いてくれる人も多くなってきたので、踏み応えがあります。
──これから、ますます楽しみ。夏フェスもたくさん出るみたいだし、水面下ではもう、さらなる新曲も作ってますか。
ファンキー加藤:たまってきてはいます。アルバムを作る、ということになった時には、その中からいくつかピックアップしつつ、俺もモン吉も、やりたいアイディアはいろいろあるから。どこかでアルバムという形にしたい気持ちはありますね。そしたらまたツアーをやりたい。そのために今頑張る、という感じです。
取材・文:宮本英夫
撮影:堅田ひとみ
◆ ◆ ◆
ニューシングル「ROUTE 16」
<収録曲>
M1.ROUTE 16
M2.ラグソング
■初回限定盤CD+DVD
MUCD-9153/4 ¥6,600(税抜価格¥6,000)
初回限定盤DVD収録内容:WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S in日本武道館 ‐2021‐
パッケージ化要望の大反響を受けて、ファンモン再始動後、初のワンマンライブ(@日本武道館Sold Out公演)のライブ映像全22曲を余すところなく収録!(約2時間20分)
■通常盤CD
MUCD-5400 定価¥1,100(税抜価格¥1,000)
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