【インタビュー】リトルブラックドレス、「逆転のレジーナ」リリース「この曲のためにすべてが揃った」

■私も全力で今の最高を出し切っている
■それが自分のできる精一杯の誠意

──「逆転のレジーナ」はミュージックビデオも撮られたと聞きました。

LBD：つい先日、名古屋で撮影してきました。曲がリリースされる頃には完成予定です。ミュージックビデオでは日本を代表するサーカス団の木下大サーカスの方々とご一緒させていただいたんですけど、これに関してもすべてが繋がった感じがあるんですよ！

──すべてが？

LBD：そう。木下大サーカスさんって、本社が私の地元の岡山にありまして。『怪盗クイーンはサーカスがお好き』を読んでいたのと同じように、木下大サーカスも小っちゃい頃からよく観に行っていたんです。サーカスが好きだった祖母の影響を受けて、内容や順番まで覚えちゃうくらい自分も好きになりました。

──またしても、好きが昇華された感じですね。

LBD：ご協力していただけたのは、去年たまたま事務所に木下大サーカスの社長さんがいらっしゃったことがきっかけなんです。ちょうど主題歌の話も進んでいたところだったし、ピーンと閃いて“ミュージックビデオでコラボとかってできたりしないでしょうか……？”とお話を持ちかけてみたら、なんとご快諾してもらえました。

──山木さんとの共演もそうですけど、その場で言ってみる積極性がいいなと。自分でチャンスを手繰り寄せているんだと思います。

LBD：言葉にすることって大切ですもんね。運のよさもある気がしますけど（笑）。しかし、自分が育っていく中で読んで観てきたものまで詰まっている、いろんな意味ですごい曲になりました。木下大サーカスさんには名古屋公演の合間にご協力いただき、ありがたい限りです。象に乗せてもらったり、とても刺激的な撮影だったので、インタビューと併せてミュージックビデオもチェックよろしくお願いします。



──今後の予定としては、7月から放送のテレビアニメ『異世界薬局』のエンディングテーマ「白雨」（はくう）を担当されることも決まっています。

LBD：はい。『異世界薬局』はノンフィクションとファンタジーを掛け合わせたような描写が魅力的な作品で、ペスト菌が大流行した世界を主人公の少年が変えていくお話です。



──作詞は自ら手がけられたそうで。

LBD：漫画版を読ませてもらったうえで、私が書かせていただきました。作曲・編曲は池窪浩一さんにお願いしています。作詞する時点では漫画の方は7巻が最新巻で、そこまでのストーリーを踏まえて書いたんですけど、“浄化の白雨”という台詞などをヒントに、同じくコロナ禍に通じるメッセージを受け取りながら作った感じです。とはいえ「逆転のレジーナ」とまったく違うタイプの曲になっているので、こちらも楽しみにしていてください。

──制作されているアルバムの進捗状況はどうですか？

LBD：そろそろ終盤に差し掛かる段階です。楽曲も着々とできていて、どれも自信作なんですよ。世の中の人に送るラブレター的な、いろいろな形の愛が感じられるアルバムになったらいいなと思って作ってます。

──ご自身の長所を活かして、ますます自由にやりたいことをやれている感じですね。

LBD：そうですね。何かと貴重な経験をさせてもらっていますし、人とのご縁や繋がりは毎回大切にしていきたいなと思っています。大御所の方とご一緒するときなんかはドキドキなんですけど、当然のことながらみなさん本気で向き合ってくださって、私も全力で今の最高を出し切っている感じです。それが自分のできる精一杯の誠意なので。


──5月にNHKで放送された音楽番組『こえうた』を拝見しましたけど、生放送で松崎しげるさんと見つめ合いながら臆せずに歌えていたのもすごかったです。

LBD：いやー、とても嬉しい共演でした。松崎さんは70歳を超えても変わらず歌に対する姿勢が素晴らしくて、その精神を受け継いでいきたいなと思わされましたね。コロナ禍のため、楽屋で密にお話をしたりはなかなかできないんですけど、先輩のみなさんからは直であれこれ吸収したいんです。普段どういう生活を送られているのか、長く歌い続けるための習慣なども。作家さんは朝活がけっこう多いんですよ。山木さんもそうだとおっしゃってました。林さんは朝起きたら30分はパジャマのまま作曲をされていて、それを毎日続けてらっしゃるとか。

──いろいろ吸収しつつ、面白い試みができるといいですね。他に何かやりたいことなどはありますか？

LBD：＜CITY POP NIGHT＞の3回目も、タイミングを見てまた開催できたらと思っています。あとは、地元の岡山でも何かやってみたいですね。リリースを含めて、これからのリトルブラックドレスに注目してほしいです。今はとにかく「逆転のレジーナ」を早く歌いたくて仕方ないモードなので、まずはこの渾身の楽曲をぜひ聴いてくださいませ！


取材・文◎田山雄士
撮影◎野村雄治





◆リトルブラックドレス オフィシャルサイト