【速レポ】<KITAKAZE ROCK FES>KOTORI、「精一杯、音楽で返していきます」
「NOISEMAKER、呼んでくれてありがとうございます。精一杯、音楽で返していきます。最後までよろしくお願いします」
◆<KITAKAZE ROCK FES. 2022> 画像
主催バンド、あるいは共演バンドとの関係性や、その日のステージに込めた熱い思いを語る曲間のMCも、そこにバンドそれぞれの個性が表れるという意味でロックフェスの見どころの1つだと思うのだが、この日、KOTORIは前掲の言葉を、横山優也(Vo, G)が冒頭で言ったきり、それ以降は最後の挨拶以外、一切MCを挟まず、終始、自分達の音楽だけを見せること──精一杯、音楽で返すことに全力で挑んだのだった。
1曲目に“We are the music. We are the future.”というちょっと大言壮語にも思えるサビの歌詞がエモいアンセム「We Are The Future」を持ってきたところに、この日のステージに挑むバンドの気概が窺えはしないか。音楽で返す以上、音楽以外に頼っちゃダメだろうと彼らが考えたのか、考えなかったのかはさておき、'90年代のUSエモの影響を思わせる音楽性を考えると、今回の出演バンドの中では、もしかしたら異色の存在だったかもしれないKOTORIは、ある意味ストイックに、しかし1曲1曲、しっかりと熱を込めながら、その個性を際立たせていった。
手数の多さとビートの力強さで存在感をアピールする細川千弘(Dr, Cho)、エキセントリックなフレーズを轟音で奏でる上坂仁志(G, Cho)、リズムを支えたり、演奏の推進力を担ったり、曲ごとにフレキシブルにプレイを変える佐藤知己(B)、そして、ギターをかき鳴らしながら牧歌的なメロディを歌い上げる横山── 一丸となるというよりは、4人それぞれに奏でる音が有機的に絡み合うアンサンブルが作り出す大きな流れが心地いい。
2ビートも交え、ごつごつとしたリズムを強調した「1995」、そこから一転、タイトなリズムとキャッチーなサビが曲のポップな魅力を際立たせる「トーキョーナイトダイブ」──ライブの流れを加速させた2曲を挟んでからの後半戦、バンドはゆったりとしたグルーヴの中で静と動のコントラストをダイナミックに描き出す「RED」、エモコアなんて言葉も使いたい激しさを持つ「素晴らしい世界」をノンストップで繋げ、ラストに向かって、演奏の熱をぐっと上げていった。
そんな流れを締めくくったのが、横山の歌声も含め、4人が奏でる音をリバービー、かつサイケデリックに響かせたシューゲイーザーナンバー「YELLOW」だ。抑えた調子の反復がクラウトロックを思わせる演奏を繰り広げていた4人は、細川によるドラムの連打を合図に思いきり轟音を鳴らし始めた。その渾身の演奏がダメ押しで観客の度肝を抜いたことは言うまでもない。その大音量の演奏のインパクトは、この日の出演者の中の誰にも負けていなかったはず。演奏を終えた4人がステージを去った後もそんな渾身の演奏の残響音が鳴り続けていた。
取材・文◎山口智男
撮影◎TAKASHI KONUMA
【KOTORI セットリスト】
02. 羽
03. 1995
04. トーキョーナイトダイブ
05. RED
06. 素晴らしい世界
07. YELLOW
◆BARKS内<KITAKAZE ROCK FES. 2022>特集
■ NOISEMAKER主催フェス<KITAKAZE ROCK FES. 2022>
5月29日(日) 北海道 札幌芸術の森 野外ステージ
open11:30 / start13:00
【28日出演者】
NOISEMAKER / coldrain / dustbox / FOMARE / KOTORI / HEY-SMITH / HIKAGE
【29日出演者】
NOISEMAKER / KNOCK OUT MONKEY / ROTTENGRAFFTY / The BONEZ / TOTALFAT / SHADOWS / CVLTE
▼チケット
入場券:通し入場券 ¥12,000(税込) / 28日入場券 ¥6,500(税込) / 29日入場券 ¥6,500(税込)
駐車券:通し駐車券 ¥1,000(税込) / 28日駐車券 ¥500(税込) / 29日駐車券 ¥500(税込)
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