【速レポ】<KITAKAZE ROCK FES>HIKAGE、「来いよ! 取り返そうぜ!」
NOISEMAKERのメンバーがステージの袖で見守る中、露払いを務めたのは、札幌のロックバンド、HIKAGEだ。予定していたのか、予定していなかったのか、3曲目の「Bring It Back」の終盤、GEN(Vo)が以下の言葉がこの日、ここに集まった我々の気持ちを見事に代弁していたように思う。
◆<KITAKAZE ROCK FES. 2022> 画像
「どんだけ俺達、(KITAKAZE ROCK FESの開催を)待ってたと思うんだよ。おまえ達もそうだろ!? 来いよ! 取り返そうぜ!」
そんな思いを、雨雲も突き破らんばかりの気迫を込め、大空に飛ばしたのだ。この時点で、3年ぶりの<KITAKAZE ROCK FES>の露払いという大役を、彼らは全うしたと言ってもいい。
しょっぱなに鳴らす自分達の音が<KITAKAZE ROCK FES>の明暗を決めるのだと考えれば、そのプレッシャーたるや、はんぱなかったと思うが、GEN、HIROYA(G)、HALKI(G)、WATARU(B)、ISSEI(Dr)の5人はこれっぽっちも物怖じすることなく、1曲目の「Left Behind」から堂々としたプレイを披露していった。そして、観客も5人の熱演に拳を上げたり、手を振ったり、ヘッドバンギングしながら応え、バンドとともに雨が降る会場に熱気を作り上げていった。「やっと来たな、KITAKAZE! 来いよ、札幌!」などと客を煽るGENのふてぶてしい言葉も頼もしい。ひょっとしたら、この連中、これっぽっちもプレッシャーなんて感じていなかったのかも⁉
メタルコアやハードコアをバックボーンに持つHIKAGEだが、大半の曲が観客の声出しOKなら、シンガロング必至のアンセミックでキャッチーなサビを持つところも魅力の1つなのだと思う。
「NOISEMAKERが超がんばってくれて、俺達の先輩達が毎回カマしてくれて、このでっかいステージがある。俺達はそのステージに札幌代表として立ってます。札幌のシーンをでかくしたい。札幌、なめられたくねえと思ってます。それを先にカマしてくれた先輩がいて、次に俺達がカマさなきゃいけない。でも、俺達だけがカマしてもしょうがねえ。ここにいる全員でカマそうぜ!!」──GEN
そんな熱い思いを観客に伝えてから演奏した終盤の2曲──この日、配信リリースした最新曲「Homesick」と19年リリースの1stシングル「The Valley」が印象づけたのは、ハードコアやメタルコアにとどまらないHIKGAGEのポテンシャル。アップテンポのハードコアと思わせ、ドラマチックな展開を持つ前者。リラックスした歌とポップさの中に切なさが入り混じるメロディを硬派に聴かせる後者。情熱と爆音をぎゅっと凝縮した20分の演奏を締めくくるこの2曲を聴き、HIKAGEのこれからが楽しみになった観客は筆者を含め、少なくなかったはずだ。
取材・文◎山口智男
撮影◎TAKASHI KONUMA
◆BARKS内<KITAKAZE ROCK FES. 2022>特集
■ NOISEMAKER主催フェス<KITAKAZE ROCK FES. 2022>
5月29日(日) 北海道 札幌芸術の森 野外ステージ
open11:30 / start13:00
【28日出演者】
NOISEMAKER / coldrain / dustbox / FOMARE / KOTORI / HEY-SMITH / HIKAGE
【29日出演者】
NOISEMAKER / KNOCK OUT MONKEY / ROTTENGRAFFTY / The BONEZ / TOTALFAT / SHADOWS / CVLTE
▼チケット
入場券:通し入場券 ¥12,000(税込) / 28日入場券 ¥6,500(税込) / 29日入場券 ¥6,500(税込)
駐車券:通し駐車券 ¥1,000(税込) / 28日駐車券 ¥500(税込) / 29日駐車券 ¥500(税込)
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