【インタビュー】竹内唯人、さまざまな感情や込められた意志がダイレクトに響く歌声
■自分のやりたかったことをスッキリとした形で作品にできた
■兄弟のことをがっつり歌えたのが自分にとってはでかいかも
――1曲目の「I Know I Can」も歌声が真っ直ぐ入ってくる曲です。これはどんなところから作ったのですか?
竹内:僕の兄弟に対して思っていることも含めて書いた曲です。
――“あの大きな背中”というフレーズは兄弟の背中なんですね。
竹内:そうです。僕がサッカーを始めたきっかけも、ファッションを好きになったきっかけも、カラオケでバックストリート・ボーイズなどの歌を歌うようになったきっかけも、芸能活動をするようになったきっかけも、兄弟の影響だったんですよ。
――文字どおり、兄弟の背中を追いかけていたんですね。
竹内:16、17歳くらいの頃は思春期ということもあってか、誰に対しても壁を作ってしまっていて、兄弟にも、正直な気持ちを話さない時期がしばらくあったんです。その後、音楽活動を始めるようになって、いろいろ話すようになり、自分が兄弟のことを尊敬していたことを再確認しました。それで「兄弟とは別の道を歩んで、越えたいと考えている」ということを制作チームに伝えて、「I Know I Can」という曲を作り始めました。
――唯人さんにとっても特別な曲と言えそうですね。歌声にも強い意志がこもっていると感じました。
竹内:トラックがあがってきた時に、洋楽のテイストが入ったバラードのイメージが湧いてきて、英語と日本語が混ざった歌詞を歌いたいと思ったんです。英語の部分は自分では書けないので、“こういう歌詞にしたい”ということを作家の方に伝えて完成させました。トラックの音数が少なくて静かめだったので歌う前は緊張したのですが、実際に歌ってみたら、とても歌いやすかったです。
――それは歌詞と唯人さんの気持ちがイコールだったからですか?
竹内:それもあります。もう1つはレコーディングスタジオの音響設備とマイクが素晴らしかったことです。そのおかげでとても気持ち良く歌うことができました。今まで使ったスタジオの中で、もっとも自分の声と相性が良かったと思います。歌入れは楽しかったですし気合いが入りました。
――気合いが込められているからこそ、歌がしっかり届いてくるんでしょうね。
竹内:「I Know I Can」は“ここから前に進むぞ”という決意表明をする意識でレコーディングに臨みました。この曲はライブで歌うのが楽しみですね。
――2曲目の「哀」は痛みや哀しさも含めて描いた楽曲と言えそうですが、どんなところから作った曲なんですか?
竹内:さまざまな要素をごちゃ混ぜにして作った曲です。AメロBメロは友達関係でいろいろあったことについて書いています。僕の家族はマーベルの映画が好きなので、『アベンジャーズ』の映画を家でみんなで観た時があったんですよ。その映画を観ながら、正義と悪とかヒーローとか、いろいろ考えてしまったんですね。正義の定義、悪の定義はなんだろうって。
――哲学的なテーマも含んだ曲なんですね。
竹内:『アベンジャーズ』にサノスという悪役が出てきます。サノスは子どものころに食べるものにも困る生活を体験しています。10人分の食料があって、10人いたら全員満たされるけれど、20人いたら食料が足りなくなってしまう。それで地球の半分の人数を消そうと計画するんですよ。貧困をなくして、みんなが裕福に平等に暮らせる世界を実現するのが目的だったんです。
――理想としては共感できるところもありますね。
竹内:人間側から見ると悪であっても、サノス側から見たら良いことをやろうとしているんじゃないか、悪かどうかは自分自身の問題なんじゃないかとか、考えさせられることがたくさんありました。“悪=悪いこと”と一方的に決めつけるのではなくて、それぞれの立場に立って大きな視野で考えてみることも必要なんじゃないかということを思いながら作ったのが「哀」という曲です。
――「Day and Night」も今の唯人さんの素直な思いが形になった歌なのではないですか?
竹内:「Day and Night」は明確なテーマはないんですが、自分が感じていることをそのまま書いた歌ですね。この曲はライブに来てくれる観客に対して、“自分はこう思っている。みんなはどう思っているのかな”って歌っているイメージがあります。なので、ライブで早く歌いたいですね。
――『OO』はライブで演奏することで、さらに広がる曲がたくさん収録されている作品と言えそうですね。
竹内:特にGRPさんと一緒に作った曲はライブでやりたくなるものばかりですね。
――「I Know I Can」で始まって、「LIFULL (feat. asmi)」で終わる構成も良いですね。
竹内:「I Know I Can」は1発目で聴いてほしかったですし、「LIFULL (feat. asmi)」でかわいらしく終わると、聴いてくれた人も気持ち良く聴き終えることができるんじゃないかなということは考えていました。あと、韻マンと作った「I GOTTA SAY」は早い段階で聴いてほしいという気持ちがありました。アルバムという形で10数曲入ってると、全部聴く人っていうのが少ないと思うんですよ。でも5曲入りのEPなら、頭から最後まで聴いてくれるんじゃないかなという気持ちもありました。
――同い年の人たちと一緒に作って、完成して感じたことはありましたか?
竹内:自分のやりたかったことをスッキリとした形で作品にできたんじゃないかと思っています。同世代の人に聴いてもらいたいという気持ちもありますが、上の世代、下の世代、幅広い世代に聴いてもらいたいという気持ちも強くなってきました。下の世代が友達のことや家族のことで悩んだりしている場合にも、僕の曲を聴くことで何か解決するヒントになったらうれしいですね。
取材・文:長谷川誠
リリース情報
◆https://takeuchiyuito.lnk.to/lifull
Major 1st Digital EP『OO』
2022年5月25日(水)配信開始
収録内容:
1. I Know I Can
2. 哀
3. I GOTTA SAY
4. Day and Night
5. LIFULL (feat. asmi)
◆https://takeuchiyuito.lnk.to/oo_ep
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