【レポート】「COREMANIA(R)」第4弾、銀杏BOYZ×菅田将暉「年齢もキャリアも生き方も異なる両者が言葉と音楽で通じ合った幸福な90分」
かたや、バンドマンで俳優としても確固たる地位を築いている男。こなた、俳優であり音楽活動でも高い評価を受ける男。峯田和伸(銀杏BOYZ)と菅田将暉の組み合わせは、今までのCOREMANIA(R)とは違う趣向のマッチアップに見える。互いの音楽性も近く、おそらく率直で明るいパフォーマンスになるだろう。いや、あえてバチバチの激しいやりとりが見られるか。どちらにせよ楽しみ、期待は募る。
◆「COREMANIA(R)」第4弾、銀杏BOYZ×菅田将暉 関連動画&画像
菅田がひとりバーカウンターで峯田を待つシーンから、いきなり舞台っぽい。さすがアクター、ジンジャーエールの瓶を開けてグラスに注ぐ、無言の動作だけで物語になる。そして峯田が登場してからは、一人芝居が賑やかなトークショーへと変わる。「神宮球場のビールの売り子が好き」を皮切りに、次から次へと多彩な話題を繰り出す峯田と、うなずいたり笑い転げたり考え込んだりする菅田。演出家のいないCOREMANIA(R)だが、役割はすでに出来上がっている。二人にとってある意味、これもひとつの舞台かもしれない。
「朝ドラを見ているおじいちゃんおばあちゃんは、俺が音楽やってることは知らない。でもそれでいい。だから菅田くんも(音楽を)目一杯やってほしい」。かつて峯田が朝ドラ、菅田が大河ドラマに出ていた時、NHKでばったり会った時の話がいい。憧れのミュージシャンの言葉は、音楽活動を始めたばかりの菅田をどれだけ勇気づけただろう。そんな二人が今ここでふたりきり、音楽や映画や女の子や髪型や結婚などについて楽し気に話している。人の縁とは本当に面白い。
「ちょっと歌ってみます?」。しゃべり始めてから20分過ぎ、1曲目に入るまでに要した時間はおそらくCOREMANIA(R)史上最長だろう。アコースティックギターをかき鳴らして峯田が歌うのは、銀杏BOYZ「夢で逢えたら」。パンクなイメージの強い銀杏BOYZだが、こうして聴くとフォークソングの色が濃い。父親の影響で吉田拓郎好きの菅田にとって、それはとても近しい音楽。聴き終えてひとこと「贅沢っすわ」という言葉は飾らない本音だろう。
次は菅田の番だ。緊張感を隠せない菅田に、「うまくやろうとか、そんなんじゃなくて。関係ねぇやって感じで」という峯田の言葉がいい。曲は「さよならエレジー」。アコースティックギターの弾き語り、メランコリックなマイナー調の曲調、作為のないまっすぐな歌声。じっと見ている峯田の目が保護者のようになっている。
ひとたび音楽モードに入れば、ふたりともどんどん乗って来る。ここで互いの曲をカバーしあう、峯田が選んだ菅田の曲は「虹」だ。映画『STAND BY ME ドラえもん2』主題歌になったこの曲、テーマはウェディングソング。自分の身に起きたことしか歌えない峯田にとっては未知の世界、こういう曲を作ったことがないと言いながら、「いい曲だね。これ今後も歌っていいですか」というのは最大の賛辞だろう。そして、峯田にうながされて菅田も「虹」を歌う。同じ曲を2曲続けるのはCOREMANIA(R)史上初のはずだ。ふたりの声の違いと感情表現の違い、そして楽曲の力が浮き彫りになるとてもいいシーン。
「僕も1曲歌っていいですか?」。菅田が選んだ銀杏BOYZの曲は「BABY BABY」。菅田にとっては学生時代にカラオケで歌ったこともあるという思い出の1曲。「全国の銀杏大好きなみなさん、一緒に歌ってください」と言いながら、メロディから感情がはみ出すように思い入れたっぷりに歌う、この曲が本当に好きなことが伝わるパフォーマンスに、愛情のこもったまっすぐな目で見つめる峯田。「この曲も、菅田くんに歌われて喜んでるよ」。峯田の言葉が、いちいち優しい。
スタートから1時間が過ぎた頃、銀杏BOYZのライブメンバー、岡山健二(Dr)と加藤綾太(G)が加わってまた空気が変わる。ドラム、エレクトリックギター、アコースティックギターで奏でる銀杏BOYZ「少年少女」は、銀杏らしい八方破れのライブ感にアンプラグド的な洗練を加えた味わい深いバージョン。さらに「菅田くんの曲を1曲やろう」と、銀杏BOYZに菅田が加わる形で披露された「まちがいさがし」は、アコースティックギターを弾き語る菅田の歌い出し、リズムが入って来るタイミング、菅田と峯田のハーモニー、すべてが完璧。最初から4人バンドのように違和感がない。
そしていよいよラストソング。峯田がカウントを出し、ゆったりとしたフォークソングがやがてリズミックなロックバラードへ展開していく、曲は銀杏BOYZ「東京」。峯田が歌い、菅田があとを受け、素朴な楽曲がやがて大河のように大きなうねりを見せる、9分近い楽曲だが長さはまるで感じない。全員が音に没頭している。歌で会話している。VSではなく、フィーチャリングではなく、対バンでもない。銀杏BOYZと菅田将暉、自然体の共存にぐっと引き込まれる。
なんと、菅田がいま履いているジーンズは、かつて峯田が履いてたもののリペアらしい。回り回ってたどり着いた、人の縁とは本当に面白い。音楽が終わっても、ふたりきりのアフタートークの話題は尽きず、このあといくらでも続きそうだが、プログラムはそろそろ終わりだ。銀杏BOYZと菅田将暉、年齢もキャリアも生き方も異なる両者が言葉と音楽で通じ合った幸福な90分。続きはまた、どちらかのステージで。
文・宮本英夫
『COREMANIA(R) EPISODE #04「銀杏BOYZ×菅田将暉」』
視聴チケット価格:¥1,980(税込)
※視聴チケット購入から配信期間中、見放題
視聴チケット販売期間:2022年5月14日(土)18:00〜6月18日(土)21:00
公式サイト エピソード詳細ページ:https://coremania.tokyo/events/dk3mB862WVmRbRH
チケットぴあ 販売ページ:https://w.pia.jp/t/coremania/
※「チケットぴあ」で予約して、全国のセブンイレブンで決済可能です。
番組を視聴するためには「COREMANIA App」のダウンロードが必要です。(一部PCブラウザでも視聴可能)
※COREMANIA公式サイトにて作成したアカウントでアプリにログインしてください。
App Store:https://apps.apple.com/jp/app/coremania/id1593966244
Google Play ストア:https://play.google.com/store/apps/details?id=tokyo.coremania.android
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