【インタビュー】Youplus「アイドルのセカンドキャリアの新たな道を作りたい」

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元アンジェルム(スマイレージ)の中西香菜、元モーニング娘。の12期生の尾形春水、元乃木坂46の1期生の川後陽菜、元フェアリーズの林田真尋の4人からなるガールズグループYouplusが、4月13日(水)に初のシングル「Delight」をリリースした。アイドルグループ卒業後にフリーランスでのソロ活動を経て、2021年11月に新たなグループを結成。「アイドルのセカンドキャリアの新たな道を作りたい」という彼女たちが再デビューを果たすことになった経緯とは。

■個性がバラバラで声も一人一人違った良さがある
■バランスが良いメンバーで活動できていると思います


──まず、昨年12月に発売された1stEP「TO THE NIGHT OF THE COSMIC EXPRESS」に続く1stシングル「Delight」がリリースされた心境から聞かせてください。

林田真尋(以下、林田):またこうして新しいグループで活動するとは思っていなかったので、すごく嬉しいです。あと、このシングルのカップリングに私のソロ曲「ぼくたちの失敗」が入っていて、プレッシャーがやばいんですけど(笑)、私のファンの人たちは私の歌声が聞けることを喜んでくれているのですごく嬉しいです。

川後陽菜(以下、川後):「Delight」は昨年12月25日のKT Zepp Yokohamaでのワンマンライブで披露して、そのあともインストアイベントで全国を回ってきたので、いよいよCDとして発売されることが嬉しいです。

尾形春水(以下、尾形):私はシングルで自分のソロパートをもらったことがなかったので、ソロパートがたくさんあることが嬉しすぎて。今日もここに来るまでもずっと聴いていました。

中西香菜(以下、中西):この曲はファンの方に向けて歌っているんです。アイドルグループを辞めたセカンドキャリアとして活動していく中で、私たちは応援してくださるファンの皆さんのことを本当に大事に思っていて。ファンの方が喜んでくれる姿が見たくて活動しているので、この曲を通して、ファンの方への思いが伝えられることがすごく嬉しいなと思います。

──改めて、新グループを結成した経緯を教えてもらえますか。

中西:それぞれのアイドルグループを卒業して、一人でYouTubeをやったり、フリーで活動していく中で、一人でやる限界を感じるようになって。例えば、YouTubeのドッキリ企画は一人ではできないじゃないですか(笑)。そういう中で、最初は「一緒に集まって何かできたらいいね」っていう感じで集まったんです。初めは音楽活動をするというよりは、YouTube限定のユニット<カオスピピス>として活動してたんですね。でも、<カオスピピス>がうまくいかなくなって。そういうときに今のプロデューサーである和田直希さんが声をかけてくれて、和田さんともに4人で新しく<Youplus>としてスタートすることになりました。


▲中西香菜

──中西さんが皆さんを誘ったんですね。

中西:そうですね。<カオスピピス>をやめたら、もうみんなはこの活動から離れちゃうんじゃないかなと思ったんですけど、「新たに違うグループとしてやりたい」っていう思いを伝えたとき、3人が「やりたい」って言ってくれて。だから、前のグループを卒業したあとに、ただ集まって結成したわけではなく、その前にいろいろとあったので、また違う絆が固まったグループになっていて。私的には感慨深いというか特別な思いがあります。

──誘わられた3人はどういう思いでいましたか?

尾形:フリーでやっていた時から悩んだり凹んだりしていたこともあったんです。そこで<カオスピピス>に誘われて。<カオスピピス>の活動を始めたときに、ファンの人がイベントに来てくれたんですね。みんなの顔を生で見て、応援してくれてる皆さんを裏切りたくないなと思って、4人になっても頑張ろうって思いました。

川後:<カオスピピス>の時はYouTubeだったので、みんなでずっと活動していくというよりは、普段はフリーでやりつつ週末にみんなで集まるくらいの感覚でいたんです。でも、残ったメンバーでやっていくことが決まったときに、しっかりグループでやっていこうっていう気持ちになったんですね。困難があったから余計に頑張ろうって思えたし、助けてくださる方が入ってくれたことも、信頼のできる環境の中で頑張ってやっていけるんじゃないかと思ったきっかけではあります。

林田:フリーになってから周りのことは全然わからなかったので、1つの社会勉強として経験できてよかったなと思っています。それよりも、私のファンの方からしたら、フェアリーズが曖昧な感じで終わっちゃったので、ファンの方たちが混乱しちゃったと思うんですね。だから、そういう人たちに、ちゃんと新しく応援してもらえる場所を作りたいと思っていたし、「歌って踊る真尋ちゃんが見たい」という声もたくさんいただいていたので、こういう機会をいただけて嬉しいし、頑張ってみようと思っています。


▲林田真尋

──真尋さんが最初に「新しいグループで活動するとは思ってなかった」とおっしゃっていましたが、卒業後に思い描いていた未来は現在とは違うものでしたか。

中西:私的には芸能界を引退しようと思っていました。違う職種でやっていこうかなという気持ちもある中で、卒業後にまず始めたのが飲食店のアルバイト。それまでやったことがなかったので、経験してみたいという理由でアルバイトをしてみたんです。そのあと、コツコツと同じものを作るのが大好きなので、それがお仕事になればなと思って、ハンドメイドアクセサリーを作り始めて。このまま、一人でアクセサリーをちまちま作っていこうっていう感じでしたね。歌って踊ることは、ソロでは絶対にやらないつもりでいたいので、想像していなかった部分だなと思います。

尾形:私は大学生活が始まっていたので、大学に通いながら、保育園と化粧品会社の受付のバイトをしていて。本当に普通の大学生をしていたので、このまま卒業して、就職する未来しか考えてなかったです。

川後:卒業した時は明確に何をやるかは考えていなくて。二十歳になったからやめようって、ただ年齢だけでやめたんです。だから、やめたあとも何ヶ月かは何もしない状態で、そこからフリーで活動を始めて。その時も、何かをやりたくて動いていたわけではなくて。夢がなさすぎて、何したらいいのかわからなかったんですよね。ファンの方には<川後P>って言ってもらえて。卒業後はファッションをやるんじゃないかって思われていましたね。自分の意思というよりは、求められていることをやろうかな。いや、芸能はやめようかな、とか。ずっとブレていたんです。たまたまなんですけど、<Youplus>を始める半年前、<カオスピピス>をやっていた時期が一番悩んでいた時期でもあって。今後どうしていこうって悩んでいた時に、この話をもらって。<Youplus>なら夢が見つかるかもって思って始めたので、ぼやっとしてたところに目標ができて良かったなって感じですね。

林田:私はみんなよりもフリーの期間が短かったんですよ。香菜ちゃんと同じようにアルバイトをしてみたり、YouTubeを始めてみたりして結構楽しんでいたので、このグループをやってなかったら、そのままYoutuberになっていたかもしれないし、歌って踊ることはずっとしたいなと思っていたので、別のグループに入っていたかもしれないですね。


▲川後陽菜

──<Youplus>が Youtuberユニットではなく、歌って踊るグループになったことに関しては、それぞれはどう感じてますか。

林田:<カオスピピス>のときも、MVを作ってYouTubeで公開したりしていたんですけど、やっぱり歌って踊るのは楽しいなって思っていたので。和田さんからいただいた楽曲が私の中でめっちゃめちゃ刺さったので、私はこれをやっていきたいと思いました。

中西:私はアイドルの時に、会社の方から「史上最強の素人」とか「劣等生」って言われてきて。歌とダンスには苦手意識があったんです。ハロプロ卒業生で歌やダンスをやってる方は、元から活躍されていた方ばかりなので、私がやっても大丈夫かなっていう不安が大きかったです。でも、真尋ちゃんが言ったように、素敵な曲を聴いて、やってみたいなという思いになったし、不安ながらもやってみた時に、ファンの方から「また歌って踊ってくれてありがとう」っていう言葉をもらって。その一言で、やってよかったなと思いました。今もインストアイベントをやるたびに、ファンの方が喜んでくれて。歌とダンスをやってる私たちを見ている幸せそうな顔や嬉しそうな顔が見れたので、やっぱり私は歌とダンスが好きだなって思いました。

尾形:私も歌とダンスが苦手で、なんなら歌とダンスが怖いっていうイメージがあったんですけど、<Youplus>で初めてライブをしたときに、前のグループの4年分くらいの歌割りがあって(笑)。すごく緊張してたんですけど、ライブが終わった後に新しい達成感があったんですね。それは、<Youplus>のライブでしか感じられなかった感覚だったし、もっともっとそれを感じたいって思うようになりました。

川後:私は前のグループを7年半くらいやっていたんですけど、卒業した時点では、ラストライブが本当に最後で、もう歌って踊ることはないと思っていて。そこで満足していたんですけど、このグループに入って、楽曲もメンバーの人数も全然違うってなった時に、やっぱり曲もめちゃくちゃ良かったし、自分にフィットする作り方をしてもらえていて。歌とダンスは苦手だったんですけど、自分たちに合ったやり方で進められているのが良かったなと思います。

──<Youplus>はどんなグループだと言えばいいですか。

川後:初めて知ってくれた方は誰かしら刺さるんじゃないかなっていうくらい、4人とも全くタイプが違うし似ているところがないですね。今日、着ている服を見てもらったらわかるように、私服で雰囲気を合わせるのが難しいくらいバラバラで、声も一人一人違った良さがある。バランスが良いメンバーで活動できていると思います。

中西:同じアイドルグループという枠にはいたけど、それぞれの楽曲やグループ感は全然違っていて。みんな、本当にそれぞれが培ってきたものがありつつ、こうして再度集まっているけれども、誰も前のグループのやり方を押し付けたりしないんですね。新たにゼロから作っているということが、他のアイドルとは違うのかなというのがあります。

尾形:私たちは決められたルールというのはなくて。髪色もメイクも自由。でも、自分で責任は取ろうねというのだけがルールになっている、とても自由なグループだと思います。

林田:一番の特徴はやっぱり、セカンドキャリアだってことかな。前のグループがあって、再度、集まったグループはなかなかいないと思う。アイドルグループを卒業して、迷っている子の背中を押せるようなグループになりたいというのが私たちのコンセプトでもあるし、そこが強みですね。


▲尾形春水

──前のグループとの違いを感じることもありますか。ライブにはそれぞれのグループのファンも集まりますよね。

林田:そうなんですよ。ハロプロのファンの方はすごいんですよ。全身で推しをアピールする感じがすごすぎて、初めて見た時にびっくりしました。

中西:あははは。それこそ、それぞれのグループのメンバー同士は仲良かったりしますけど、どっちのグループも応援しているという方はあまりいないので、最初はファンの人が喧嘩しちゃったらどうしようって思っていたんです。でも、ファンの方同士で、ガチャで当たったメンバーの写真を交換したりとか交流をしていて。初めのうちは不安だったんですけど、仲良さそうだし、素敵な空間になっていて安心しました。

林田:意外と平和だったね。最初はちょっとどうしていいかわからない緊張感があったけど、回を重ねるごとにファン同士も仲良くなって良かったなって思います。あと、グループ間の違いで言うと、私は前のグループではバラエティ担当で、あまり歌ってなくて。一つのフレーズにこんなに時間をかけるんだっていうことが新たな発見でした。

川後:レッスンのやり方も全然違いますね。今は最初にフリVをいただいて、各自が覚えてきて、4人で集まった時にはもう合わせるだけの状態だったりする。そこは、各々が前のアイドル活動で培ってきたものがあるからこそできることで、セカンドキャリアのグループっぽいなと思いますね。

尾形:私は前のグループは先輩後輩があって、上下関係が厳しくあって。ハロプロの時は香菜ちゃんは先輩で、尊敬……していたんですけど。

林田:あはははは。絶対に嘘やん!

尾形:いや、尊敬していました! でも、卒業後にカフェにお茶しに行ったときに、「もうタメ口でいいよ」って言ってくれて。そこから今、仲間として一緒にグループで活動できていることが個人的に嬉しいなって思います。あとは、レコーディングの時にスタジオに4人全員がいること。何時間もかけて一人一人の歌を録っていくんですね。大人数のグループにいたときは絶対になかったことなので、みんなに聴かれながらレコーディングするのは今でも緊張感があります。

中西:それぞれが活動してきたことに助けられてるところが大きいですね。真尋ちゃんは前のグループの時から見ていて、ダンスがカッコよくて憧れだったので、レッスンでわからない部分を教えてもらっていて。春水ちゃんは今まで一緒だったので安心感があります。陽菜はとてもおしゃれだし、「それ、似合わない、こっちの方がいい」とか「それ似合うよ」とかはっきり言ってくれるんですよ。楽屋でも「今日、大丈夫?」って聞いて、陽菜に「大丈夫」って言われると、安心してステージに出ていける。ほんとにみんなに助けられています。

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