【インタビュー】ラストアイドル、4年間のグループ活動を網羅した初のフルアルバム『ラストアルバム』

■「僕たちは空を見る」は“ああ、最後なんだな”と実感するような
■今までやってきたことが走馬灯のように駆け巡る感覚がありました

――『青春トレイン』はakaneさんが振り付けを担当されたりと、ラストアイドルにとってターニングポイントだった思いますが、皆さんとしてはいかがでしょう？

鈴木：ほんっと、akaneさんに出会えて本当に良かった。

小澤：本当にそう。

鈴木：ラスアイのメンバーの意識が目に見えて変わったのがわかりました。ラストアイドルは最初から冠番組があって、しっかりした衣装があって、凄いプロデューサーの方もついているという、恵まれすぎた環境だったんです。でもそれを本当の意味でわかっていなかったことに気付けたことも、こんなにも良い状況でお仕事出来ていたんだなと身に染みてわかったことも、akaneさんのおかげなんです。初日から“グループとしてまとまってないよ”って見透かされて（笑）。

小澤：“顔つきでわかるもん”ってね。

籾山：“みんなの気持ちがバラバラだよね”って（笑）。

鈴木：多分みんな、心のどこかで思っていたことをすべて言い当てられてしまって……。そこから“ラストアイドルというグループとして上を目指そう”という気持ちにみんなが変わりましたね。


山本:企画をやっている時は“つらいなあ。なんでこんなことやってるんだろう”と思うけど、今振り返るとやって良かったなと心から思えるんですよね。

籾山：殺陣、団体行動、最高難易度ダンスとか、絶対自分からは挑戦しないことをやらせてもらえたのがありがたかったですね。やってる時は本当につらいですけど（笑）、自分の自信にもつながったし、新しいことに挑戦する大切さをラストアイドルで教えてもらいました。

小澤：わたしは「大人サバイバー」でいきなり方向性が変わって、そこにうまく順応できなくて本当に落ち込んで、心が折れてしまったんです。けどakaneさんはすごく厳しいなかに、ちゃんと愛があるんですよね。ラストアイドルをもっと良いグループに導いてくださった他の企画も、他のアイドルグループでは経験できないものばかりで、今思うとどの企画も心の底からやって良かったです。もう一度合宿に行けと言われたら絶対できないですけど（笑）。


――（笑）。まだ未定。のYouTubeで、阿部菜々実さんに「ラストアイドルの中で一番楽しかった企画は？」という質問をしていましたが、それと同じ質問を皆さんにしてもいいですか？

小澤：自分は殺陣ですね。もともとアクションにチャレンジしたい願望があったのでうれしかったです。身体中が痛くなったり、足の皮が剥けたり痣も当たり前だったので、精神的にも体力的にも大変でしたけど、田淵景也先生が本当にお優しくて、しかもやる気にさせるのが上手な方で。自分たちもすごく火が付きましたし、殺陣は前向きな気持ちで挑戦できました。

籾山：私はラスアイサバイブかな。自分にとっていちばん負担のないバトルだった（笑）。自信がないタイプの人間なので、もともと人と競争するのが得意ではなくて。殺陣も先生は大好きだったけどアクションへの恐怖が勝っちゃった。


――ラスアイサバイブは相手に勝つというより、自分自身の持ち味やスキルを上げていく面が強かったかもしれませんね。

籾山：自分が今までやってきたアイドルとしての経験を活かせる企画でした。選曲も衣装も全部自分でプロデュースできたから、自分を応援してくれるファンの方に向けてライヴができた感覚もあるんですよね。わたしは歌って踊るのがやっぱり好きなんだな、こういうものを武器にできるんだなと再確認できたので、すごく実になりましたね。

山本：私もラスアイサバイブかな。“あ、やっとアイドルに直接関係する企画だ！”と思ったから前向きに頑張れたし、自分がパフォーマンスをしてファンの方が喜んでくださるのがすごく嬉しくて。自分の強みもたくさん出せたと思うし、他のメンバーの良いところもたくさん見つけられたし。改めてラストアイドルは戦うのが怖いと思うくらいのメンバーばかりの、最強のアイドルグループなんだなと思いましたね。

鈴木：わたしは「青春トレイン」です。自分が毎日成長できていることが実感できたのでやりがいがありましたね。「青春トレイン」からは個々の実力で立ち位置も前に行けるようになったり、自分の頑張り次第で結果が変わってくることもわかってきて。前向きに頑張れるようになりました。


――そしてアルバムには全員参加の新曲「僕たちは空を見る」が収録されます。どんな楽曲かご紹介いただいてもよろしいでしょうか？

山本：めちゃくちゃ良い曲です！！

一同：間違いない！！

鈴木：神曲！

籾山：1stシングル曲の「バンドワゴン」を思わせる曲だと思います。しっとりした部分もありつつ、秋元さんの書いてくださるメッセージ性の強い、本当に素敵な楽曲です。聴いた時、メンバーみんな泣いちゃったんじゃないかな。

小澤：冒頭の長めの台詞にも引き込まれますし、曲調も初めて聴いた時に“ああ、最後なんだな”と実感するような……。今までやってきたことが走馬灯のように駆け巡る感覚がありました。曲調的にはゆったりしてるんですけど、サビの盛り上がり方も“わたしたちはラストを迎えるんだな”と感じる曲で。akaneさんが考えてくださった振り付けも、羽ばたくような、指先のしなやかさまで意識するような振り付けで。たくさん披露したいとすごく思っています。すごく良い曲です。

鈴木：本当に最後に相応しい曲というか。

小澤：そうだね。

鈴木：4年以上活動してきてつらいこともたくさんあったし、もうここにはいられないんじゃないかと思う時期もあったけど、この曲を聴いて本当にここまで頑張れて良かったって思いました。活動終了を告げられた時は不安だったけど、この曲を聴いた時にこの曲を歌えるだけで幸せと思ったというか。もちろん悲しさもあるんですけど、この先の不安がなくなったというか、この曲を歌えるだけで幸せだなってすごく思いました。

山本：前を向かなきゃなって明るい気持ちにもさせてくれる曲だよね。本当にこの曲をラストアイドルとして歌えることが幸せだと思うし、この曲の振り付けには今までの楽曲の振りが入ってるんですよ。今までの想いを込めて、最後まで大切に歌っていきたいです。






――ラストアイドルのメンバーとして活動してきたことで、皆さんはどんなことを得ましたか？

全員：得たものが多すぎて！！（笑）

籾山：わたしは失敗するか成功するかは気にせずに、まず何かを始めてみることが大切だと教えていただきました。これからどんな活動をしていくかは何も決まっていないんですけど、自分がやりたいなと思うことに挑戦していくといいのかなって、本当にポジティブな気持ちでいます。ラストアイドルがなくなっちゃうのは本当に悲しいんですけど、ラストアイドルで得た経験は本当にかけがえがないので、一つひとつの企画を思い出しながらこの先も生活できたらと思います。

小澤：いろんな技術を伸ばせたこともそうですし、気持ちの面の成長もありますね。まだまだ弱いところはあるんですけど、最後まで諦めずにやり通すことの大切さにも気付けました。何が来ても忍耐強くなったなって。メンタルもヤワヤワなお豆腐ぐらいだったんですけど、今は木綿豆腐ぐらいには固くなれたんじゃないかな（笑）。この先の人生、こんな濃い4年間は過ごせないだろうなってぐらい、本当にいろんなものが詰まり過ぎた4年間。本当にかけがえのない時間ですね。

鈴木：自分にはこんなにも自分のことを想って支えてくださる方がいるんだということに気付けました。ラスアイに入るまで、そんなにつらい思いをしたことがなくて。でもラスアイに入って家族がどれだけ支えてくれていたのか、友達が気にかけてくれたのかが身に染みてわかったんです。自分ひとりでは生きていけないんだなと思ったし、家族や友人、そしてファンの方の偉大さに気付きました。

山本：わたしにとってラスアイは青春だし、本当に生きる意味だったんです。ネガティブで根暗で端っこで読書してるような小学生が、今はこんな可愛い衣装を着て……。本当に私の人生を救ってくれた大切な居場所だし、ラストアイドルとして活動できたのは本当に幸せな時間です。これから先不安なこともたくさんあるけど、ラストアイドルの大切な楽曲に込められてるいろんな歌詞を見て“ああ大丈夫だ。夢はずっと見続けたいし、生きてりゃ良いことあるもんさ。だから頑張っていこう”って思えるし。大切な場所です。これからもずっと。

――『ラストアルバム』リリース後も、もうちょっとまだ未定。のYouTubeは続くんですよね？

籾山：活動終了日の5月31日までですね。まだ未定。で届られるものをすべて届けます。編集頑張ります！

鈴木：今日もパソコン持ってきてるので（笑）。

籾山：締め切りがやばいんで……！（笑）

――あははは、楽しみにしています。ラストライヴまで、あと少しですね。

山本：今はまだやっぱりラストアイドルにずっといたいなって気持ちだったり、楽屋とかでメンバーの次の進路の話を聞くのがすごく寂しい自分もいて。ほんとラストアイドルに未練たらたらなんです。極力未練を残さないように、ラストライヴを最高のライヴにできるように、最後まで全力で頑張りたいと思います。

小澤：ラストだから、すべての活動に精いっぱい気持ちを込めたいよね。最後までわたしたちを信じてついてきてくださった皆さんに、心からの感謝を伝えていきたい。

籾山：最後のライヴは泣きながら笑いたい。本当にみんなとバイバイするのが寂しいなあとか、誰かのことを思って泣いて笑えるライヴにしたいなって思います。活動終了後も心のどこかで“あんなバトルやってたけど、やっぱラストアイドルは今も心に残ってるな。また観たいな”って思ってもらえるような存在になれたらなと思います。

鈴木: ラストアイドルとして衣装を着るのも、楽曲を歌うのも、ラストライヴが最後になると思うので、一つひとつの瞬間を噛みしめて……。悔いがない、やり残したことがないステージにできたらと思います。

取材・文：沖さやこ


◆インタビュー（１）へ戻る