【レポート】「COREMANIA(R)」第3弾、奥田民生×BiSH「若さと勢いと人数ではBiSHの勝ち、貫禄と包容力では奥田民生の勝ち」
奥田民生とBiSH。前回のDragon AshとCreepy Nuts以上に意外な組み合わせで、何が起こるのかまるで予測がつかない。
攻めてます「COREMANIA(R)」。
どうやら同じことを思ったらしく、登場するやいなや「この番組、ほんとにこんなんなんですか」と、戸惑いを隠せない奥田民生。キラキラした目で憧れのスターを見つめるBiSHの6人と、照れ隠しの渋面で、隙あらば番組スタッフに助けを求める奥田民生による、まったりとしたユーモラスな即興芝居のスリルをはらんで番組は始まる。
◆「COREMANIA(R)」第3弾、奥田民生×BiSH 関連動画&画像
■ゆるさと緊張が相半ばする
■なんとも不思議な異空間
トークはゆるいが、演奏シーンではしっかり本気スイッチが入る。先陣を切るBiSHが、いきなりの切り札「オーケストラ」で勝負をかける、出し惜しみなしのセットリストで一気にぶち上がる。バーカウンターで水割りを飲んでいた民生が、激しいダンスにつられて最後に思わずBiSHポーズを決める。「保護者会みたいな気持ちになった(笑)」というBiSHメンバーのセリフ、確かにこのシチュエーションを言い当てている。年の差は親子ほど、ゆるさと緊張が相半ばする、なんとも不思議な異空間。
「やっていいんでしたっけ? ではみなさん見学してください」
奥田民生の1曲目は「イージューライダー」だ。アコースティックギターでシンプルに、しかしボーカルは思い切りラウドでパワフルに。どんな現場でも安定の民生クオリティに、「すごいものを見せてもらいました」と感激しきりのハシヤスメ・アツコ。続いてはBiSHの「社会のルール」だが、もともとこの曲はユニコーン「大迷惑」のオマージュとして作られたもので、高速ツービートで突っ走るリズムも、キャッチーなコード進行も本家譲りだ。自由奔放に動き回るリンリンとアイナ・ジ・エンドが、カウンターに座る民生も巻き込んでぐいぐい盛り上げる。「大丈夫ですかこれ」と、年の差ならぬノリの差に困惑しつつも流れに身を任せるベテラン奥田民生と、若いガールズパワーで押しまくるBiSH。アンバランスなバランスがなんともおかしい。
奥田民生の次の一手は、BiSH「社会のルール」への本家からの回答「大迷惑」だ。「一人でやることはほとんどないので、たぶん失敗しますけど」と笑いつつ、レスポール1本とリズムボックスだけで熱く激しく歌いきる、完全本気モードの熱演がすごい。さらに二組の共演によるPUFFY「アジアの純真」は、BiSHのボーカルグループとしての個性と結束の強さを見せつける、絶妙なハーモニーが美しい。歌う前に、「民生さんと一緒に、すごい経験をするんだよ、今から私たちは」とつぶやいた、アイナ・ジ・エンドのピュアなハートが愛らしい。しっかりとハモリをつけながら、「ちゃんとできました」と、音楽の先生のようなセリフで締めくくった、奥田民生の包容力も素晴らしい。
もしも奥田民生がBiSHに入ったらどんな名前になる?――フリートークの場面でも「攻めるBiSHと巻き込まれる奥田民生」というシュールな構図が深まる中、続くBiSHの代表曲「BiSH-星が瞬く夜に-」では、マラカスを渡され、さらにダンスパフォーマンスにも巻き込まれ、輪になって踊る奥田民生という前代未聞の事象が勃発。「たくさん生きてきたけど、初めてですよ」と思い切り困惑しつつも、最後に「愛のために」を渾身のパワーで歌い切り、強引にハッピーエンドに持ってゆく力技を見せた奥田民生に、心の底からアッパレを。
■予測不能のお楽しみは
■まだまだ続く
すべての演奏を終えたあと、プログラムを締めくくるのは「COREMANIA(R)」恒例のアフタートークだ。これが単なるおまけではなくなかなかの見もので、アユニ・Dからの作曲技法についての質問や、セントチヒロ・チッチからの「生きてて一番楽しいことは何ですか」という直球質問に、真摯に応える民生がかっこいい。(ちなみに答えは「メシを喰うこと」)。さらにモモコグミ・カンパニーの「ユニコーンはどうして一度解散したんですか」という、芯を喰った質問がなんともリアル。続けるのがしんどければ、やめればいい。そしてまた、一緒にやればいい。経験者ならではの含蓄のある答えを、BiSHメンバーはどんなふうに受け止めたのだろう。気になる。
プログラムの締めくくり、奥田民生の最後の言葉は「恥ずかしかった」。異色すぎる組み合わせの90分1本勝負、BiSH対奥田民生の対決は、若さと勢いと人数ではBiSHの勝ち、貫禄と包容力では奥田民生の勝ち、最終判定は視聴者のあなた次第、というところに落ち着くのではないか。台本なしのミュージックリアリティショー「COREMANIA(R)」が展開する攻めのエンタテインメント、次は誰と誰が主役になる? 予測不能のお楽しみはまだまだ続く。
文・宮本英夫
■『COREMANIA EPISODE #03「奥田民生×BiSH」』
視聴チケット販売:2022年4月16日(土)23:00まで
(視聴チケット購入時から7日間見放題。)
視聴チケット価格:¥1,980(税込)
URL:https://coremania.tokyo/events/deTYEydZWjzUBJd
※「チケットぴあ」で予約して、全国のセブンイレブンで決済可能
URL:https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2299609
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