【インタビュー】友希、4ヶ月連続リリースのラストは何気ない日常の幸福を歌った「Beautiful sky」

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■何でもない日が幸せに感じる
■恋愛って究極だなと思ったんです


──続いて「リナリア」ですが、ラブソングを作ろうというところから始まったのですか?

友希:私自身が女の子の繊細な感情を歌った曲が大好きというか。aikoさんの曲とかにもあるんですけど、この子かわいいなぁって、曲の中の主人公を抱き締めたくなるような感じが好きなんです。そういうちょっと繊細な、春に合う曲を作りたい、というところから生まれました。

──花言葉から曲タイトルを付けたのですか?

友希:そうですね。春の花で、花言葉が内容に合うものがいいなと思って探していたときに「リナリア」に出会って、キャッチーな名前だし、良いなと思いました。花言葉が「この恋に気づいて」というものなんですけど。

──片想い的なところにも合っていますよね。

友希:でもこの曲、片想いと決めて歌詞を書いているわけではないんですよ。片想いとも捉えられるし、両想いだとしても捉えられる曲にしたくて、受け取り方によって感じ方が違う曲にしたいと思っていたんです。状況はどうであれ、女の子が相手に対して思う感情は変わらないというか。愛情の在り方という意味で、その気持ちを書いていきました。

──なるほど。確かに限定はしていないですね。

友希:そうなんです。なのでみんなの味方になれる曲です。i☆Risでも、結構前は純粋な恋心を歌ってきましたけど、オトナってそんなにうまくはいかないし、もっと複雑な感情だから、今でないと書けない曲だなぁと思います。

──この曲もイントロのアコギリフが良いですよね。だいたい若井さんの曲はイントロで惹きつけられます。

友希:このリフがAメロでもループされているんですけど、それを聴きながら〈繋いで ほどけて このまま〉は出てきました。この曲は本当に安産で、メロディもバーっていっぱい降りてきたんです。多分得意なところなんだと思います。


──確かに、こういう良いメロディのバラードは、友希さんの真骨頂だと思います。アレンジはアコギだけでなくピアノもきれいでしたが、こういう優しい伴奏に対しての歌のアプローチは、どんな感じだったのでしょう。

友希:少し気づいたことがあって、「No more」と「YOLO!」って1曲ずつレコーディングをしていったんですけど、世間の反応も見つつ、改めて自分の強みを考えたとき、実は私って張っていない声のほうがいいのではないかと思ったんです。i☆Risではアニソンなどを歌っていたこともあって、パワーのあるロックな要素があるところを歌っていたけど、実際周りからは低い声が好きと言われることもあったんですよね。あまり頑張らない素の感じというか。それは友希として活動をするにあたって、ひとつの味になると思ったので、「リナリア」から歌い方を変えています。張らないことを意識しました。

──呼吸も感じられるくらい繊細な感情が感じられる歌い方になっていますよね。そして「Beautifl sky」は4曲目という感じがしました。締めくくれる感じというか。この曲は、歌詞にあるようなメッセージを伝えたかったのですか?

友希:何というか、老夫婦というか(笑)。最近、私の周りで結婚する人が増えてきて、本当の愛って飾らない感じだよなぁって思ったんです。何でもない日が幸せに感じる恋愛って究極だなと思ったし、それを実現させている子が私の周りでもいて、それがすごく穏やかで素敵に見えたんですね。なので、何でもない幸せを書きたくなったんです。


──その行き着く先として、老夫婦で仲良く散歩しているとかは本当に良い光景ですけどね(笑)。それは自分の憧れもあって?

友希:もう私の憧れです(笑)!

──“コーヒー”とか“スニーカー”のような、日常を感じるワードも良い味を出していますね。

友希:あまり非現実と言うよりは、日常感を書きたかったんです。

──でも、この幸せを幸せと感じるかどうかはありますよね。個人的には共感しかないですが、ある程度経験を積んだ上で思うことでもあるのかなと思ったりもしていて。

友希:それはそうで、人それぞれなんですよね。刺激がほしいと思っていた頃の気持ちもめっちゃわかるし、年齢的にも穏やかに憧れている、今の気持ちを書いてはいるんですけど、刺激がほしい曲は刺激がほしい曲で、今後も全然書いていきたいとは思っています(笑)。

──幸せな友人を見て、素直に今思っている気持ちを切り取っているという意味では、シンガーソングライターらしいなと思いました。それだけに反応も楽しみですね。

友希:そうですね。でも、若い子は「リナリア」のほうが好きなのかなぁ(笑)。

──毎回、メロディと歌詞のハマりが良いなと思うんですけど、適度に英詞を交えているのが良いのでしょうか。

友希:でも、メロディを考えている時点では、ここを英詞にするとかはあまり考えていないんです。ただこれは全部の曲に言えることなんですが、韻を踏むことは大事にしています。英詞は昔から書いていたわけではないので、苦労したときは本当に苦労しました。この曲でいうと、〈Such a beautiful sky〉は、すぐに出てきたんですけど、〈You're always making my day and it's so brighter〉は調べたりしながら書いていました。

──本当にメロディも素晴らしく、その幸せな友人に贈りたくなるような曲になっているなと思います。

友希:うれしいです! サンセットな感じのカフェにも合う曲だと思うし、朝っぽいけど、夕方でも合うような。ただ天気は良いんだろうなって思える曲ですね。


──とても幅が広いですけど、基本的には聴いていて幸せになれるような4曲になっているなと思いました。

友希:それは根がポジティブだからかもしれない(笑)。リリックって本当に性格が出ると思います。

──そして、毎回アートワークが素晴らしいと思っていたのですが、ジャケットはどのように作っているのですか?

友希:私がイメージをまずデザイナーさんに投げて、これはこういう感じで、こういう意味があってみたいなことを伝えています。「YOLO!」ならば、ロスの写真を送ったりしていて。このジャケットって地味に深い意味があって、人生どっちに行くかは自分次第ですよっていう意味で、真ん中の線は道のようになっているんです。「No more」だと暗い部屋の中から、外に都会の景色が見えるんですけど、そこが私の憧れているステージというのを表していて、そこを見つめているという視点になっているんです。

──「リナリア」も、そのものズバリの花なんですけど、ちょうどいい佇まいなんですよね。

友希:おしゃにしたくて、フィルムっぽい写真にしています。

──そして「Beautiful sky」も、空をメインにしたジャケットになっています。

友希:ただ、普通の空にはしたくなくて、ちゃんと意味のある空というか。いろんな空のジャケットを見て、空だけだと面白くないよなと思って、空と何かをイメージしたんです。なので2人の歩く道を作って、それが終わりがないという意味をもたせました。だから道がずっと続いている感じになっているんです。

──4枚ともバラバラのコンセプトですけど、並ぶと統一感があるというか。同じアートディレクターの方がやっているというのもあると思うのですが、伝わってくるものがありますね。今後ですが、シンガーソングライターの友希として、どんなことをやっていきたいですか?

友希:新曲も今作っているんですよ。これまでネガティブな曲はあまり書いてきていないから、そういいう曲も書いてみたいですし、いろんなことを歌にしていけたらいいなと思っています。コライトではなく、自分だけで曲を作ったりもしていて、この4曲だけではとどまらないと思うので、よろしくお願いします!

取材・文・撮影:塚越淳一

リリース情報

4ヶ月連続配信 リリース第4弾
Digital Single「Beautiful sky」
2022.3.23(Wed)0:00 Release
◆https://avex.lnk.to/YUKI_beautifulsky

▼今までの楽曲
「リナリア」配信中
◆https://avex.lnk.to/YUKI_Linaria
「No more」配信中
◆https://avex.lnk.to/YUKI_Nomore
「YOLO!」
◆https://avex.lnk.to/YUKI_YOLO

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