【インタビュー】友希、4ヶ月連続リリースのラストは何気ない日常の幸福を歌った「Beautiful sky」
4ヶ月連続でデジタルシングルをリリースしている声優で、シンガーソングライターの友希。新たな夢へ歩き出す力になる「No more」、一度きりの人生を楽しく生きようという「YOLO!」、切ない想いを歌ったラブソング「リナリア」とリリースしてきたラストは、何気ない日常の幸福を歌った「Beautiful sky」だ。力強さもありつつ、表情豊かに繊細な表現も見せる友希のボーカルと、おしゃれでスタイリッシュでポップなサウンドが魅力的だ。「No more」を語った前回に続き、今回は「YOLO!」以降の3曲を中心に語ってもらった。
■待っているんじゃなくて
■自分から動かないと何も始まらないよ
──(取材時では)「リナリア」まで、デジタルシングルがリリースされていますが、聴いてくれている方の反応はいかがですか?
友希:反響が最も大きかったのは「リナリア」だったんですよ(笑)。大まかなジャンルは同じなんですけど方向性は4曲とも違うので、出すたびに新鮮な反応をしてくれています。私的には、i☆Risで活動しているところからソロでの活動もするようになり、音楽的に大きく路線変更をしたので、どういった曲がどの層に受け入れられるんだろうという細かい分析をしながら見ていたんです。この曲は若い女の子に刺さっていて、この曲は男性の人気が高いなとか。それは今後の私の音楽の参考にもなると思っています。
──ちなみに「リナリア」はどんなところに刺さっていたのですか?
友希:やっぱり女の子かなぁ。そこに特に刺さっているイメージがありました。恋愛ソングだし、そういう曲をソロで出すのも初めてだったので、嬉しいですね。
──1曲ずつ出すからこそわかることもありますが、4曲まとめてEPにしてもいいくらい統一感もあってバランスが良い選曲だと思ったのですが、昨年末のライブで披露した新曲の中から、この4曲をまず出そうと思ったのは?
友希:「No more」を1曲目に出すことは決めていましたし、「リナリア」と「Beautiful sky」は絶対に出したかったんです。これまでの私のイメージに近しいのがこの2曲だと思っていたし、どちらかと言うとチルっぽいサウンドなので、最近の音楽にも寄り添えているのかなと思ったので。そして「YOLO!」は、ライブでやったので早めに出したほうが良いのかなと。年明けだったのでハッピーに始めようという意味で選びました。
──「YOLO!」はライブタイトルになっていましたからね(笑)。
友希:ここで出さないと、「出さんのかーい!」ってなっちゃいますから(笑)。
──その「YOLO!」から話していきますと、ライブで盛り上がる、クラップしたくなる曲ですね。
友希:ライブで楽しむために作った曲だったので、サビは絶対にワイパーができるようにしようと思っていました。私の中での「YOLO!」って、LAのベニスビーチとかを車でかっ飛ばしているイメージなんです。イケてるアメリカ人みたいな感じで、オープンカーでイェイイェイ!みたいな(笑)。なので、それに合う洋楽をリファレンスにして、一緒に曲を作っている宮田“レフティ”リョウさんやスタッフと共有して、こういうビートだよねっていうところから、ローが響くビートを入れたりして。
──オープニングはギターのカッティングが心地よい軽快感を出していますが、そこからベースの低音がカッコいいんですよね。
友希:私、ギターのカッティングが超好きで、それを察してか、レフティさんがカッティングでイントロを弾いてくれていて、伝わった!って思いました。そこからサウンドはすぐに固まっていった感じです。
──前回のインタビューで話していただきましたが、オケを作ってからメロディを作っていくというスタイルでしたよね。カッティングギターから、ベースがズシンと響いて、Bメロで溜めて、サビでワイパーで盛り上がるという、要素を詰め込んだ曲ですが、サビの音もかなり陽気でした。
友希:シンセが入っているんですけど、シンセの引き出しは私の中になかったので、レフティさんがアレンジで入れてくれて面白いなと思いました。個性が一気に出るので、すごく尊敬しました。
──印象に残りますよね。サビはメロディもキャッチーでしたが、すぐに浮かんだのですか?
友希:ここは時間がかかったかもしれないです。ちょっと裏を取る感じとかだったので、相談しながら作っていたと思います。でも、〈It's gonna be alright〉はすぐに出てきましたね(笑)。ここは絶対にこの歌詞だなと。あと、“YOLO”の意味である〈You only live once〉は絶対に入れたいと決めていました。
──この曲は歌詞も前向きだし、季節が違っていたり、ライブがあったらもっと人気が出るかもしれないですね。
友希:歌詞はポジティブですからね。温かい陽気をイメージしながら作ったので、確かに夏のほうが合うのかもしれないし、ライブの定番曲になったら良いなと思っています。
──個人的には2番のあとの間奏も、すごくカッコいいので聴きどころだと思います。
友希:そこは音遊びをしていて、シンセとギターが同じラインを弾いているのがおしゃれなんですよ。そこもライブではみんなと遊べる部分なんですけど、音源では英語で他愛もない会話が入っているんです。ここは私の親友の外国人の旦那さんに頼んで、「最近、調子どう? いろいろ大変だけどポジティブに行こうよ」みたいなことを英語にしてもらいました(笑)。ライブだと私は煽っているので、音源ならではの楽しみになっていると思います。
──そこでのフェイクもカッコいいですし、最後の笑い声もポイントですね。
友希:あの笑い声は、私の大好きなアヴリル・ラヴィーンさんのリスペクトになってます(笑)。
──「YOLO!」は、人生一度きりだから、楽しもうとか、悔いが残らないようにやろうという意味ですが、そういうマインドって、友希さんにもともとあるものなんですか?
友希:そうですね。でもこの歌詞って私がポジティブだから書けたというより、死にものぐるいでやらなきゃいけないときで、悩んでいてもしょうないじゃん!って気持ちから生まれた感じなんです。別に悩みがないわけでは全然ないので。でも、悩んでいても何も生まないから、行動に移さなきゃダメだよ!っていうのは、私がソロ活動をすることで行動として示せたとは思うので、みんなに伝えていきたいメッセージだと思っています。
──歌詞にも〈ブルーな世界〉とか〈グレーな未来〉とありますけど、みんな思っていることというか。
友希:みんな悩みがあるのは当たり前なんですよね。でも悩んでいてももったいなくない?っていう。何もしなかったらそれで終わりだから、待っているんじゃなくて自分から動かないと何も始まらないよっていうのは、私もこの音楽人生で学びました。
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