【インタビュー】T-BOLAN、森友嵐士が語る28年ぶりオリジナルアルバム「愛というキーワードは絶対外せない」
■裏切ってないだろう?
■でも挑戦してるだろう?っていう
──今回のアルバムは、最新作の「愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~」などと同時に、1990年代に作った曲も入っているそうですね。
森友:実は『LOOZ』(5thアルバム 1993年12月8日発売)の後にアルバムを作ってるんですけど、その途中で俺の声がぶっ壊れてしまって、作り始めた途中までのものはそのまま眠っていたんです。その時の曲のほとんどは復活後のソロアルバム『PEACE ROCK』(2015年7月8日発売)で発表したんですけど、1曲だけ残っていたことを思い出して、それを入れるとちょうど全13曲になると思って。
──?
森友:12っていう数字があんまり好きじゃなくて、数霊(かずだま)…数字が持つ力ってあるんですけど、13は俺の音楽の始まりの数字で、俺にとってすごく大事な数字なんです。13はT-BOLANのスタートにとってすごく意味があるから、だから13曲。
──12だったら?
森友:ダメ。ない。俺には何もない。そこで探したら「Crazy Me Crazy U」が出てきたわけ。アルバム『LOOZ』の後に歌った1990年代の歌が、28年ぶりのアルバムにつなげる橋渡しになれば面白いなって思ったんですよね。
──なるほど。それもこれもT-BOLANですからね。
森友:五味にイメージを伝えて、ちょっとリアレンジしたんだけど、歌はそのまま使いたかったから、「Crazy Me Crazy U」のメインボーカルは1990年代のあのときに歌ったもの。
──そこで歌い直すという選択肢は?
森友:橋渡しなんだから、それじゃ意味がない。何のために歌い直すって、もったいないもったいない。
──まさか、アルバムの中に30年近くの年月の差があるなんて、言われても気づかない。
森友:別に他の人にはそんなのはどうでもよくて、俺しか分かんなくていいんですよ。俺達にとって“この曲でつながっている”ということに大きな意味があるだけだから、“実は1990年代に録音したボーカルテイクでした”とか、言わなくてもよかった話だし。
──いやいや、そんな奇特なエピソード、言わないとだめでしょ。
森友:あっはっは(笑)、そうかな。まあそこは繋がった糸なんですよ。その材料が残ってたことは良かったなあと思うよ。
──ワクワクして制作する感じは、今も1990年代も変わらないのかな。
森友:あの頃は作りたくて仕方なかったから。ワクワクが欲しいとも思わないくらいワクワクしてたよね。でも今回は、いろんな経験を経て“何が大事か” “ワクワクすることをやりたい”って思ったよ。やりたいことをやってるときしかそういう姿にならないから、やりたいと思うことを見つけてやるしかない。無駄になっても心が動くものに自分の足を向けようと思って、それでいろんなことも始めたよね。米作る、イチゴ作る、日本酒作る、沖縄では5万坪の開拓もする…みたいな。「何やってんの?」って言われるけど(笑)。
──森友嵐士が世に音楽を打つとなれば、それはやっぱりT-BOLANだという事実が何より嬉しかったりもします。
森友:それは挑戦なんです。過去に寄せるような作り方は一切したくなかったけど、なんか違うよねっていうところに辿り着くのも許せなかった。挑戦はするけど、やっぱりT-BOLANだねっていうところは絶対的なゴールだったから。今俺が感じてること・作りたいって思うものに対してワクワクしないと力のあるものは作れない。俺は俺の音の世界観で、君らが好きだと言ってくれたT-BOLANの音に対して“裏切ってないだろう?” “でも挑戦してるだろう?”っていうものにしたかった。それはできたと思っているよ。
──手応えと満足度は十分ですね。
森友:自分なりに“やり切りました!”っていう感じです。だから今は、T-BOLANのCDを持っている全員にまずは1枚でも届けたいわけ。T-BOLANというものに触れた人たち全員に触れて欲しい。俺にお金があったとしたら、全部買って全員に配って歩きたい感じ(笑)。そういう気持ち。
──ミュージシャンの根源ですね。とにかく聴いて欲しいという気持ち。
森友:聴いてもらいたい。そしたらなんか蘇るものがあるんじゃないのかなあ。蘇らせてほしいものがいっぱいあって、みんな知ってる景色があって、でも大人になるにつれてそのアンテナをどんどんしまっていっている。生きていくという理由の下に、そんなことを思ってしまう自分のアンテナを閉じることで今やってることをうなずこうとするみたいな。そのアンテナ…しまわなくてよくない?ってね。例え正反対のものを選んでしまった人生になったとしても、“好きだったものを手放さないで”って思うわけ。“その好きだったものがあるから力があったじゃん?そこ開こうよ”って思う。
──13曲からは、いろんなメッセージが聞こえてきそうですね。
森友:いろいろ感じてほしいなあって思う。東と思って作ったものを西って受け止める人もいるわけじゃん。十人いたらみんな違う解釈をしたりいろんな受け取り方があって、作品って面白いなあ素敵だなあって思う。何か触れるものであってほしいな。触れる前と後で芽生えるものがあってくれたらいいな。何かのきっかけになってくれたらいいし、それが『愛の爆弾』なんじゃないかなって思うから。
取材・文◎烏丸哲也 (JMN統括編集長)
■6thオリジナルアルバム『愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~』
【初回生産限定豪華盤(CD+プレミアムアイテム)】T-BOLAN 30th Anniversary SPECIAL EDITION(初回生産限定メモリアルパッケージ) シリアル番号付き JBCZ-9127 ¥16,500(税込)
▼プレミアムアイテム
・シリアルNo.カード(No.メンバー直筆)
・T-BOLAN 30th Anniversary フォトブック(A4サイズ・全40ページ)
・アートデザインポスター(B3サイズ・四つ折り)
・メンバープリントサイン入りフォトカード
・A4サイズ専用BOX仕様
※ファンクラブ会員限定豪華盤には、こちらにプラスして90年代のファンクラブ会報VOL.001(復刻版)付
【通常盤(CD)】JBCZ-9128 ¥3,300(税込)
▼CD収録曲 ※豪華盤/通常盤共通
01 .A BRA CADA BRA ~道標~
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士/五味孝氏 編曲:五味孝氏
02. NO CONTROL ~警告~
作詞:森友嵐士 作曲:大島こうすけ 編曲:大島こうすけ
03. 愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~
作詞:森友嵐士 作曲:五味孝氏 編曲:五味孝氏
04. ずっと君を
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:葉山たけし/T-BOLAN
05. 祈りの空
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:小島良喜
06. 京恋唄
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:池田大介(倉田信雄[Pf]/四家卯大(Vc))
※石川さゆり提供曲/セルフカバー
07. Re:I
作詞:森友嵐士 作曲:五味孝氏 編曲:T-BOLAN
※石ノ森章太郎生誕80周年記念サイボーグ009コラボソング
08. 俺たちのストーリー
作詞:森友嵐士 作曲:五味孝氏 編曲:T-BOLAN
※Amazon Prime Videoオリジナルドラマ『湘南純愛組!』/関西テレビ『湘南純愛組!鎌倉の狂犬編』オープニング曲
09. ひとつの空 -no rain no rainbow-
作詞:森友嵐士 作曲:五味孝氏/森友嵐士 編曲:T-BOLAN(池田大介[St])
※映画『ひとつの空』主題歌
10. 声なき声がきこえる
作詞:近藤房之助 作曲:森友嵐士 編曲:増崎孝司
※B.B.クィーンズ提供曲/セルフカバー
11. Crazy Me Crazy U
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:T-BOLAN
12. My life is My way 2020
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:T-BOLAN
※Amazon Prime Videoオリジナルドラマ『湘南純愛組!』/ 関西テレビ『湘南純愛組!鎌倉の狂犬編』主題歌)
13. ありがとうのうた ~あいのたね~
作詞:森友嵐士 作曲:森友嵐士 編曲:五味孝氏
※“#ありがとうのうたプロジェクト”/フリー音源
■<『愛の爆弾 PROJECT♡MESSAGE FROM アインシュタイン』LIVE TOUR 2022>
4月23日(土) 京都・舞鶴市総合文化会館 大ホール
5月01日(日) 神奈川・神奈川県民ホール
※ツアースケジュールは今後も随時発表
関連リンク
◆T-BOLAN オフィシャルFacebook
◆T-BOLAN オフィシャルYouTubeチャンネル
◆T-BOLAN オフィシャルFC “TEARS INFORMATION”
◆インタビュー【1】へ戻る
この記事の関連情報
【ライブレポート】T-BOLAN、シングルベストツアーの千秋楽で「“できるかできないか”ではなく“やりたいかやりたくないか”」
T-BOLANのメンバーと一緒のステージで歌えるチャンス、大好評実施中
T-BOLAN、初のシングルベストツアーが埼玉で開幕
T-BOLANと一緒のステージで歌えるチャンス、DAMコラボ企画がスタート
T-BOLAN、自身初シングルベストツアーを8月より開催「'90年代に愛された曲たちを全て」
T-BOLAN、亀田興毅プロデュース<3150FIGHT>初のハーフタイムショー出演へ
T-BOLAN、全227曲サブスク解禁
T-BOLAN森友嵐士やキズ来夢が初参戦、<VOCAL SUMMIT>9月開催
【ライブレポート】T-BOLAN、全国ツアー開幕「今、こうして30周年を迎えました」