レディオヘッドのジョニー・グリーンウッド、バンドに残るため演奏しているフリをする
レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドはバンドに加入した当初、数週間もの間、リハーサル時にキーボードのスイッチを切り、プレイしている“フリ”をしていたそうだ。それに気づかなかったトム・ヨークから演奏を褒められたこともあったという。
グリーンウッドは最近、『NPR』のインタビューでこんな逸話を明かした。「彼ら、(前任のキーボード・プレイヤーと)上手く行ってなかった。彼が大きな音でキーボードをプレイしていたからだと思うよ。で、僕に彼らとプレイするチャンスが巡ってきたとき、僕が最初にしたのはキーボードのスイッチが入っていないって確認することだった」
「彼らはすごい音、すごいノイズを立ててた。ギターで、ディストーションだらけだ。僕は数週間、延々と演奏しているフリをしてた。トムにこう言われたことがある。“君のやってることよく聴こえないんだけど、本当に興味深いテクスチャーを加えてくれていると思う。君がプレイしていないとわかるからね”って。僕は、“いや、わかるわけない。僕はプレイしていないんだから!”って思ってたよ。僕はそれから数ヶ月、夜家に戻ると、コードをどうプレイするか真剣に練習したんだ。それでキーボードの音量を上げ始めた。僕はレディオヘッドでそうやってスタートしたんだ」
その後、レディオヘッドのサウンドやソングライティングの面で才能を開花させたグリーンウッドは、約20年前から映画音楽も作曲するようになり、今年、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でアカデミー賞作曲賞にノミネートされるに至った。彼が同賞の候補に挙がるのは、『ファントム・スレッド』(2017年)に次ぎ2度目となる。
Ako Suzuki
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