【インタビュー】大橋彩香、ドラマーとして語る音楽履歴「実際、楽器に触ると喜んじゃう」

■ドカッと大きい動きで
■カッコいいことやったほうがいい

──ここまで、ドラムで壁にぶつかったり辛い思いはありませんでしたか？

大橋彩香：壁は常にぶち当たっています。『BanG Dream!』のPoppin'PartyはCDで叩いているのは自分じゃないから、プロのドラマーが叩いたのをカバーしなきゃいけないんですけど、あれ、めちゃくちゃ巧い人が好き放題叩いてるので、ものすごく難しいんですよ（笑）。だからそれをカバーしなきゃいけないってのが壁ですよね。

──たしかに、それはいばらの道かも。

大橋彩香：めちゃくちゃ難しくて「ここが絶対できない」とか出てきたりするんです…けど、なんかね、基本のビートが合ってて、キメさえちゃんとみんなで合っていれば何をしててもいいかな、と思うようになりました。

──いいですね。音楽ってそういうものだと思います。

大橋彩香：そうなんです。私、A型だから最初はもう「一言一句同じものを叩かなきゃいけない」「めちゃくちゃしっかりカバーしなきゃ」って思ってたんですけど、今はだいぶ楽な気持ちで叩けるようになりました。


──その心境の変化は、なにがきっかけなんでしょう。

大橋彩香：なんでだろう…うーん、めちゃくちゃ頑張って細かいところに捕らわれてしまうよりも、ライブでは自分らしく思いっきり楽しく叩いたほうがいいと思って。

──ひとつずつ学んでいくってことなのかな。

大橋彩香：何をもって音楽を上手いとするのかの基準も全然違うし、細かいことをチクチク頑張るよりかは、ドカッと大きい動きでカッコいいことやったほうがいいかな（笑）。なので、音源からはいいところだけをもらって、あとは自分が思うように叩きやすくプレイすればいいと考えるようになってからは、わりと楽ちんになりました。

──屈託ない笑顔で、とても楽しそうにドラムを叩くのも、そういう思いや心がけがあるからなんですね。

大橋彩香：私、ドラマー1本じゃないから、しょっちゅうドラムセットに触れる訳でもなくて、だからこそたまに触れる1回1回が楽しいっていうのがあると思う。家にドラムセットは置けないから毎日触れないし、ライブの時とかも、ギターの子は本番直前まで楽屋で練習できるのに、ドラムは持って来れないからできないし…みたいな。毎回ちゃんとしたセットと向き合える時間が少なかったりするので、だからこそ実際に触ると喜んじゃうんだと思います。


──ドラム以外に浮気をしていく可能性は？

大橋彩香：ああ…アコギ弾いてます（笑）。あのギターの感触が小3くらいからずっと忘れられなくて、ちょっとギターもまだ辞めてないんです。

──ピアノは？

大橋彩香：実家にあって、引き取れたらいいんですけどね。でもギターも弾けるようになってピアノも頑張ってベースも弾けるようになれば、ひとりでバンドできそう（笑）。

──それは面白そう。

大橋彩香：暇な時間を見つけてちょこちょこいろんな楽器を練習してみよっかな。

──同じような思いで、気軽に楽器を始める人が増えたらステキですね。

大橋彩香：どれが上手くできるかとかじゃなくて、どの楽器が一番楽しくできるかなんだと思うんです。楽しくないと絶対続かないので。私もいろんなことを習ってきたけど、楽しくないとほんとすぐ辞めちゃう。なので「自分が一番楽しくできるか？」をポイントに、いろんな楽器を触ってみると「これだ」っていうのに出逢えるんじゃないかと思います。

──そうですね。音楽ですから、自分が楽しくないとやる意味ないもの。

大橋彩香：そう。やってれば絶対それなりには上手くなると思うんです。だから、やっぱ気持ちだと思いますね。

──楽器って「上手くならなきゃいけない」っていう強迫観念を受けがちですよね。本人が楽しきゃそれでいいはずなのに。

大橋彩香：あー確かに。ほんとにそうです。いろいろチクチク言われるの辛いですもん（笑）。私も今までドラムしか聴いてなかったんですけど、いろんな楽器をやることで最近はギターの音とかも聴こえるようになってきたんです。好きにやってて、ギターは一生ヘタでもいいんですけど、いろんな音が聴こえるのはドラムを叩く上でもすごく良いことだと思っていて。前よりもグルーヴ感を出す上で、ギターを始めたっていうのはいい作用が働いてるなって思います。

──素晴らしい。これからも楽しみですね。

大橋彩香：ありがとうございます。がんばります。

取材・文◎烏丸哲也 (JMN統括編集長)








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