【インタビュー】神はサイコロを振らない、『ワールドトリガー』主題歌に闇と痛み「目的を果たすために」

■これまで作ったことがない
■いずれはフルアルバムも

──では最後に、神サイの“目的”について聞かせてください。メジャーデビュー以降、ハイペースで様々なテイストの楽曲をリリースしていますが、バンドとしてはどういうところを目指しているんですか？

柳田：何を表現しても、“あ、神サイだね”と思ってもらえるようになりたいですね。そのために今は、神サイの“色”を増やしている段階です。神サイは結成当初、ポストロックをやっていましたけど、そこからポップな曲を作ってみたり、シューゲイザーをやってみたり、ファンクをやってみたり……今は生楽器以外の音もガンガン入れていますし、昔だったら考えられないくらい色が増えてきていると思うんです。だけど、僕らからするとまだまだ足りない。今は、“何をやっても我々4人がやれば神サイというジャンルになるね”と言えるところまで辿り着くための過程の段階です。

──ひとつのジャンルに括られたくない、という気持ちはあります？

柳田：確かに僕ら、自分自身のことを“○○バンド”というふうに紹介したことがない気がします。僕、変なこだわりがあって、ギターロックバンドと呼ばれるのが一時期マジで嫌だったんですよ。だって“ギターロックの定義ってなに？”って思うじゃないですか。ミスチル(Mr.Children)だってギターを弾いているし、宇多田ヒカルさんの曲にだってギターの音が入っているのに、ギターロックとは呼ばれない。そういう、あまりにもふわっとしたカテゴリにはめられるのが嫌だったんです。

──ひとつのカテゴリにはめられるのが嫌だから幅広いことをやっているし、“神サイ”という独立したジャンルを目指しているということなんですかね？

柳田：どうなんでしょう？ でも確かに、そういう反骨精神から始まっているのかもしれない。結成当初からラウドだったりオルタナだったり、いろいろなジャンルのバンドと対バンしていたのも、そういうマインドの表れだろうし。

──なるほど。単曲のリリースが続いたので、今度はフルアルバムのような、まとまった作品も聴いてみたいですね。

一同：うーん……。

──もしかしてアルバムを作るよりも、単曲での配信リリースで、どんどん曲を発表していくやり方のほうが性に合ってます？

柳田：そうかもしれないです。単曲でバシッと出すやり方は現在のサブスク時代にも合っているし、“リード曲はこれだから、あとはこういう曲が必要だよね”みたいなことを考えずに、今、必要な曲を集中して作れる環境を自分たち自身楽しめているし。

黒川：じつは、神サイは結成からこれまでフルアルバムを作ったことがないんですよ。

柳田：メジャーデビュー以降、14曲も世に出しているので、“ここからアルバムを作るとしたら、どう選曲しようかね？”という感じもあるんですよ。でも、いずれはフルアルバムも作りたい。それぞれの曲をきっかけに神サイに出会ってくれた人に対して、“神サイってこういう曲もあったんだ!?”と知ってもらえるきっかけになる作品をちゃんと作りたいなという気持ちも強いですから。

取材・文◎蜂須賀ちなみ







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