【インタビュー】新生ファンキー・モンキー・ベイビーズの覚悟
ただいま、そして、おかえり。名前の表記をFUNKY MONKEY BΛBY'Sにあらため、ファンキー加藤&モン吉の新編成になったファンキー・モンキー・ベイビーズ、8年振りの再始動。
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新曲「エール」は、かつてのファンモンらしさと、令和の音楽の新しさをブレンドした、直球ど真ん中の応援ソングだ。彼らの情熱は、時を超え、迷い悩む人の心を音楽で、再び打つことができるのか。そして、新生ファンモンはどこへ向かうのか。ファンキー加藤とモン吉が語る、偽らざる本音に耳を傾けてみよう。
◆ ◆ ◆
■収まるべきところに収まったなという感覚があった
──単刀直入に聞きます。再始動を決めたのは、いつ、どこで、誰が、どんなふうに、言いだしたことですか。
ファンキー加藤:きっかけは、TBSさんの『音楽の日』であることは間違いなくて、去年の夏の終わりぐらいにお声がけをいただいたんですね。「3月11日、震災から10年の日に音楽特番をやります。ファンキー・モンキー・ベイビーズさんの一夜限りの再結成は可能でしょうか」という、それこそ単刀直入なオファーをいただいたんですけど、その時僕は、再結成みたいなことは考えていなかったので、一度二度、お断りしているんですよ。ケミカルが寺の住職になっているので難しいということも当然あるし。だけど、すごい熱量を持って何度もアタックをかけていただいて、うちの事務所の社長も「加藤、ここまで必要とされる人生ってどうだ?」「悪くないだろ」みたいな感じで言ってくれて、さらに何度かお話をいただいているうちに、『音楽の日』というのは、僕らにとっても意義のある番組だなと思えてきたんですね。東北のみなさんにとって「あとひとつ」という楽曲は、特別な思いを抱いてくれている方もたくさんいますし、一夜限りだとしても、3人が集まって歌うことで、誰かの悲しみを癒したり、元気になってくれる人がいるならいいのかなと思って、けっこうな葛藤の末に決めました。同じ頃にケミカルも、俺と似たような葛藤の末に、OKということになったんですね。
──モンちゃんは?
モン吉:僕はけっこう、あっさりと(笑)。社長から電話があって、「いいですよ」っていう感じでした。
──それはあくまで、一夜限りの再結成ということについてのOKですよね。
モン吉:最初はそうですね。でも3.11の前から、誰が言ったのかな、たぶんスタッフさんが言ったのかな、再結成ということも話には出ていました。
──メンバーが言い出したことではなくて。
モン吉:メンバーではないと思うな。みんなで3.11の打ち合わせをしているうちに、ふわっと、ですね。
──そのあたりのこと、加藤さんは覚えていますか。
加藤:まあやっぱり、解散してから、(モン吉と)ちゃんと向き合って、音楽を軸に話をしたことはなかったので。たまに事務所で会って、最近どう?とか、共通の知人の結婚式で会って挨拶するとか、それぐらいだったんですけど、3.11の『音楽の日』に出るということで、初めてちゃんと向き合って話をしたんですよ。ファンモンの後半の頃は忙しすぎて、なかなか話もできないような状況だったんですけど、だんだん話していくうちに、なんとなくみんなの共通認識で、二人のファンモンというものが少しずつ見えてきた感じですね。どこかで誰かが「やろうぜ」と言ったような大きなきっかけではなくて、ミーティングを重ね、リハーサルを重ねていくうちに、少しずつですね。そして最終的には、3.11の本番当日にゆだねたという感じです。そこで歌って、しっくりくる手ごたえがあればやるし、もし仮に、反響も全然ないし自分たちもイマイチだったなということになったらやる必要はないし、という感じだったんですけど、おかげさまで反響もすごく大きかったし、自分たちでもしっくり来たというか。俺の隣にモンちゃんがいて、うしろにケミカルがいるという立ち位置が自然にハマったというか、収まるべきところに収まったなという感覚があったので、「じゃあ、続けますか」という感じになりましたね。
──よくわかりました。そしてケミちゃんは、やはり参加は無理だということですね。
加藤:そうです。でもケミカルは、あの1日だけでも本当にありがたかったですね。
モン吉:たぶんモチベーション的には、10年目の鎮魂とか、そういうことだったと思います。
加藤:祈りを捧げる、ということじゃないですかね。
──宗教家としての思いが、出演を決断させたような気がします。そこから、二人でやっていくということに関しては、「本当に行けるかな?」というか、心配はなかったですか。
モン吉:3.11の時は「行けるな」と思ったんですけど、この間の『CDTV ライブ!ライブ!』(8月30日放送)のライブをするまでは……音源は半年間頑張って作れたんですけど、ライブが行けるのかどうかは、最近までわかっていなかったです。「まあ行けるだろうな、でも本番やらなきゃわかんないだろうな」と思ってましたね。
──加藤さんは、二人でやっていけるという確信はあった?
加藤:いや、まだわかんなかったです。まず『音楽の日』がきっかけで再始動になったことは間違いなくて、その後の『CDTVライブ!ライブ! 』で、あれはテレビで歌うというよりは本当にライブに近い状態だったんですけど、そういうふうにアドレナリンが出た状態で、二人でやったらどうなるのかな?という感じだったんですよね。
──『音楽の日』も『CDTVライブ!ライブ! 』も、どっちもやってみなきゃわからなかったと。
加藤:そうなんですよ。僕ら、リハーサルでアドレナリンを出してガーッとやれるタイプではなくて、本番になってみないとわからないんですよ。
モン吉:リハーサルは、歌詞が飛ばないように叩き込む場所ですね。
加藤:だけど、そこもまた、懐かしくもあり、「まだまだ俺たちやれるな」という手ごたえもあり。『CDTVライブ!ライブ! 』をやりきった事で、ちょっと先になっちゃうんですけど、10月1日の武道館への不安がなくなった感じはありました。二人の「あうんの呼吸」みたいなものも、まだ覚えていたし、それぞれの足りない部分を補える感じもあったし、懐かしさと心強さがあって。本当に、今回はTBSさんに救われてると思いますね。
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