【ライブレポート】矢井田 瞳、ヤイコの日に地元大阪で<夏の元気祭り>開催
<矢井田 瞳 夏の元気祭り2021 OSAKA野音~Yaiko to Band~>が8月15日、大阪・大阪城音楽堂で開催された。
◆ライブ画像
<夏の元気祭り>は、2012~2017年にわたり毎年7月28日=ナニワの日、もしくは8月15日=ヤイコの日に、「心の元気」をテーマに行われてきた矢井田 瞳の夏恒例のライブ。昨年のデビュー20周年イヤーにもヤイコの日に大阪でのライブを予定していたが、コロナ禍の状況を鑑み無観客生配信ライブとなったため、丸1年越しとなる念願の開催となった。
連日の大雨が嘘のように晴れ上がった大阪城音楽堂には、開演前からFM802のDJ中島ヒロトのアテンドのもと、会場だけのスペシャルラジオ番組として歴代の秘蔵ライブ音源が流され、早々に席についたオーディエンスをおもてなし。続いて、「こんにちは、本物です~(笑)」と中島ヒロトが登場し、「皆さんの日頃の行いとヤイコ(=矢井田 瞳)への想いで、雨が上がりました! 盛り上がる準備はできてますか~?」と促す。その声に導かれるように西川 進(G)のギターリフと盛大な手拍子に迎えられたヤイコはにこやかな笑顔を浮かべ、そのままオープニングナンバーの「Creamed potatoes」へ。FIRE (B)、水野 雅昭(Dr)のどっしりとしたリズムに支えられ、冒頭からしなやかな歌声を広い野音いっぱいに響かせる。
「ハロー大阪! 今日は最高の時間にしましょうね」と告げた彼女は、早速代表曲の一曲「Look Back Again」を熱唱。心底楽しいという表情で飛び跳ねながらギターをかき鳴らしたかと思えば、関西弁も交え地元大阪への想いを描いた「ネオンの朝」ではキュートなシャウトも聴かせ、そのままアイリッシュテイストの「I’m here saying nothing」と、新旧織り交ぜたレパートリーで魅了していく。
「まだまだ大変な状況の中で迷いもたくさんあったやろうし、いろんな想いを抱えてまずは今日ここに足を運んでくれたことに感謝です。本当にありがとう、会えてうれしい~! 私自身、今日という日をめちゃめちゃ楽しみにしてました。いろんな疲れもたまってる毎日かと思いますけど、どうかこの時間だけは音楽で心を緩めて、元気を持って帰ってもらえたらと思います」
その後も、メンバーのファニーなコーラスでも魅せた「間違いだらけのダイアリー」、一般公募の応援メッセージから生まれた「あなたのSTORY」と続け、「(中島)ヒロトさんは私がまだ女子大生だった頃に書いた曲を番組でかけてくれたりして、それがきっかけでデビューにもつながって今がある。そんな大切な曲を、今日はこの場所でお届けしたいと思います」と、キャリアの原点とも言える「i like」を披露。まるで彼女の音楽人生をたどるような選曲で<夏の元気祭り>を彩っていく。
ここで、「昨日の天気とか今朝の雨が信じられないくらい……あっつー(笑)。無理しないように水分補給しながら楽しんでもらえれば」と観客をねぎらいアコースティックコーナーへ。「私にとってライブは活動する上の芯になっていて、次にやる曲はそんなライブでみんなが育ててくれた曲」と語った「Life’s like a love song」では、先ほどまでの躍動感溢れるバンドサウンドから一転、優しく包み込むような音色と歌声にセミの鳴き声がそっと寄り添う。続く「マーブル色の日」も何とも言えないノスタルジーを演出するピアニカが効果抜群で、これには思わず会場中がうっとりと聴き入る。そして、「今日は大切な地元大阪での<元気祭り>ということで、今日ならではのカバーができたらなと。この歳になって、そろそろこの曲を歌えるかなと思ったので」と歌い出したのは、上田正樹の名曲「悲しい色やね」。その言葉通りの絶妙な選曲で、じんわりと胸に沁みわたる絶品カバーとなった。
後半戦はリズム隊によるアグレッシブなビートセッションで幕を開け、エッジィなギターが妖艶な「もぎたての憂鬱」、壮大なスケールで送るヤイコ流オルタナティブ「Buzzstyle」、へヴィなユニゾンリフで攻め立てた「STARTLiNE」と、彼女が自身の音楽的バックボーンをさまざまな形で昇華し歌い継いできたことを思い知るゾーンに。四つ打ち×高速BPMで心地良くドライヴする「Go my way」でも「ありがとう大阪ー!」と畳み掛け、「もしものうた」はパンクバージョンのアレンジで、マイクを片手にステージを横断。トドメはミリオンヒット曲の「My Sweet Darlin’」で、総立ちの客席から数え切れない手が伸びる。
「今日はずっと特別な気持ちでライブをやっていました。最後に、何かに向かって頑張ってる大切な人を、全力でそばで応援する。そんな曲を」と奏でた、井村屋「あずきバー」CMソングにもなった最新シングル「ずっとそばで見守っているよ」は、長年の活動を支えてくれたファンへのアンサーにも思えるような愛に満ちた新曲。当然のごとく鳴りやまない拍手に応えたアンコールでは、メジャーデビュー曲「B’coz I Love You」でとことん沸かせ、張りのある歌声が野音の大空に天高く突き刺さる。
「めちゃめちゃ幸せやったし、楽しかった! 今日はとにかく会えたこと、ライブができたことをうれしく思います。どうもありがとう! ただ、今はテンションが上がってるけど、きっと汗もかいてるし、家に帰ったらお水もたくさん飲んで…っておかんか!(笑) みんな体に気をつけてね。また元気で、笑顔でお会いしましょう」
充実のライブを締めくくった「はだしのダイアリー」まで全19曲。ライブ中に何度も「幸せ」と口にしたヤイコだったが、見る者にとってもきっと同じ気持ちだったことだろう。
なお、この日の模様は、8月27日(金)20:00~FM802のスペシャルプログラム『井村屋グループ presents HITOMI YAIDA 21st Anniversary Yaiko to Radio』内にてオンエア。矢井田 瞳と中島ヒロトのダブルDJで当日のライブを振り返りながら、デビュー21年の歩みを紐解く。
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by スエヨシリョウタ
セットリスト
2.Look Back Again
3.ネオンの朝
4.I’m here saying nothing
5.間違いだらけのダイアリー
6.あなたのSTORY
7.i like
8.Life’s like a love song
9.マーブル色の日
10.悲しい色やね(カバー)
11.もぎたての憂鬱
12.Buzzstyle
13.STARTLiNE
14.Go my way
15.もしものうた
16.My Sweet Darlin’
17.ずっとそばで見守っているよ
EN1.B’coz I Love You
EN2.はだしのダイアリー
FM802『井村屋グループ presents HITOMI YAIDA 21st Anniversary Yaiko to Radio』
DJ:矢井田 瞳、中島ヒロト
radiko URL:https://radiko.jp/share/?sid=802&t=202108027200000
番組特設サイト:https://funky802.com/pages/pickup_detail/6429
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