【インタビュー】かなまる、笑顔と愛情で突き進むママアーティストが築く「Circle」
■みんなと手を取り合って
■大きな円を作りたい
──そもそも、かなまるはファンの皆さんとの距離感をすごく大事にされていますよね。SNSでの悩み事などにも丁寧に返信されていて。
かなまる:昔の私だったら「DMとかしてこないで」みたいなところがあったと思うんですが(笑)、やっぱりひとりで抱え込んでいる時間ってもったいないなと思うんですよ。たとえば有名になって「以前はこんなにリプ返してくれてたのに、最近は返ってこなくなった」なんて方もいると思うんですが、私の場合この先どんなに自分の環境が変わろうとも、それは絶対にないですね。お客さんとの距離を離すことは絶対にない。むしろどんどんコミュニケーションを取ろうっていうスタンス(笑)。でもそれは離れていって欲しくないからではなくて、必要な時に使って欲しい、そういうひとつのツールでありたいなって思っているからなんですよね。
──そういう気持ちの変化や考え方のスタンスは、発信されている音楽にも表れているんじゃないでしょうか。
かなまる:はい。それが、今回の「Circle」でもあります。「Circle」は円という意味なんですが、私にはいつだってみんなと手を取り合って大きな円を作りたいっていう、ファンのみんなに対する愛や思いがあるんです。失恋ソングや誰かを元気にする曲など候補は色々あったんですが、私はやっぱり愛をテーマにしたかったし、離れていても繋がっているよっていうことを伝えたかった。その気持ちを今回つるうちはなさんが曲にしてくださったんですが、私にとってのファンの皆さんや家族のように、聴いてくださった皆さんにとっても、離れている家族やそばにいる恋人の大切さをじわっと感じるような曲になっていればいいなと思っているんですよね。
▲かなまる/「Circle」
──2019年リリースの1stアルバム『まるいち』を作った時とも違いますか。
かなまる:そうですね。『まるいち』はプロデューサーであるヤマモトショウさんがまず「ママアーティストである私」というものを曲にしてくれた作品でしたが、今回はファンのみんなっていう大切な存在ともっと繋がっていくための歌を届ける作品になったかなと思っています。「Circle」はママアーティストとしての私、「泣き虫な君と僕」はママとしての私、そして「orange」はひとりの女の子としての私というイメージかなと思います。
──「泣き虫な君と僕」はゆみのさんの作詞・作曲ですね。
かなまる:私は娘以上に泣き虫なところがあるんですが(笑)、いつも一緒に笑って泣いて過ごしているこの時間が幸せだなと思っている一方で、いつか娘は私のもとを離れていくんだなという気持ちがあるんです。ゆみのさんは私のことをすごくわかってくださっていて、この歌を歌う時はいつも泣きそうになるくらい、私と娘がリンクしている曲になっています。
──「orange」は、桐島のばさんが手掛けていらっしゃいます。
かなまる:私はギターが弾けないんですが、まるでギターを弾いているかのような気持ちで歌える、そして夢見ていたシンガーソングライターになったような気分で歌える曲を、ミスiD繋がりである桐島のばちゃんが作ってくれました。
──表題曲である「Circle」はMVも撮られたそうですね。
かなまる:今回は女性4名と4歳の女の子、合わせて5名のキャストさんと私が出演しています。「Circle」という円、そしてみんな繋がっているんだということを風船をモチーフにして作っていったんですが、みんなの思いを乗せた風船を受け取るシーンでは泣きそうになりました。炎天下にも関わらず気持ちを込めて演じてくださったので、それぞれのキャストの皆さんが表現しているストーリーにも注目して見ていただけたらなと思います。ちなみに今回の作品はどうしてもお願いしたい制作会社さんに、直々にご連絡して撮っていただいたものなんですよ。
──というと?
かなまる:私はAimerさんが大好きなんですが、「カタオモイ」という曲のMVはどこの会社が作っているのかを頑張って調べてたどり着いたのが、今回の制作会社さんで。あいみょんの「生きていたんだよな」とかsumikaのMVなど私の好きな作品をたくさん撮っているところだっていうこともわかり、急いで電話をしてお願いしたんです。こんなまだまだ駆け出しのインディーズアーティストの制作を検討してくださって、本当にあたたかい制作会社さんでした。
──かなまるさん、ものすごい行動力ですね。
かなまる:この人!と思ったら自分で言いに行っちゃうタイプなんです。ちゃんと腑に落ちるまで、諦めがつくまで、やりたいと思ったら突き詰めるというか。
──何でもすぐに諦めていた10代の頃とは、全く逆の発言です(笑)。
かなまる:たしかにそうですね(笑)。あの頃の私が今の自分を見たら、ひっくり返りますよ。「私、数年後にはこんなことになってるの!?」って(笑)。だけど自分の行動力がどうというよりも、たどり着いた先で本当にあたたかい方たちが手を広げてくださっていることが本当に幸せだなって感じています。実際やってよかったなって思うことの方が多いし、やらないで諦めることの方が絶対後悔するなって思うんですよね。これが、当たって砕けろ精神なのかもしれないですけど。
──自分も好きな音楽を職業にしていきたい、個人でやってみたいと思っている人たちに、いろんな経験をしてきたかなまるさんからのアドバイスをお伝えできたらなと思うのですが、いかがですか?
かなまる:私自身これまでを振り返ると、全員が全員優しい方ばかりではありませんでした。厳しいことを言ってくる人はいると思うんです。歌に対する評価とか、楽器が弾けなかったらアーティストになれないぞとか。でも私は、自分の中で「何が出来るか」ではなく「何が好きなのか」というところから入って見つけた答えが音楽だったんです。何が出来るかを探すより、まずは自分の好きなこと──それこそ「Circle」ではないですが、手を取って一緒にやってくれる人は絶対!絶対!絶対にいるから、規模感とか有名かどうかとかは気にせず、自分のやりたいことや好きなことにまず自信を持って向き合ってほしいんです。そうすれば、絶対に自分の望む未来に行けると私は思っています。
──反対していたお父さんが応援してくれるまでになったわけですから、説得力がありますね(笑)。
かなまる:それは、私自身が一番びっくりでしたけどね(笑)。それこそ父と母も仕事を頑張っているから私も頑張ろうって思うし、辛いことがあった時には「じゃあやめちゃえば」じゃなくて「大丈夫、できるよ」って励ましてくれる。最近は定年後の夢の話なんかもしてくれて、それがまた嬉しいなと思うんです。
──そうやって「Circle」は大きくなっていくんですね。
かなまる:諦めること、悩むことの方がもったいないと思うんです。誰かに評価されるための音楽、誰かに評価してもらいたいがための活動ではなく、自分がやっていて幸せなこと、つまり自分が幸せになることを第一に考える。その上でいろんなことに挑戦していってもらうのがいいのかなって思います。私もまだまだ課題はありますが、人生は1回ですからね。今日という時間も1回。明日があるかもわからないからこそ、グッと堪えて我慢する人生よりも──まぁ、それぞれの価値観や捉え方もあるとは思いますが、「いや、私はこれでやっていくんだ!」っていうその気持ちがあれば、どこまでも行けるんじゃないかなって私は思っています。
取材・文◎山田邦子
ニューシングル「Circle」
STKN-1001 ¥1,300(税込)
収録曲:
1.Circle
2.泣き虫な君と僕
3.Orange
<kanamaru museum online vol.4>
1週間アーカイブ有
配信チケット:¥1,500
https://eplus.jp/sf/detail/3460120001
出演:
かなまる
桐島のば
中村舞子
ゆらぴこ(爆裂女子)
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