【コラム】丘みどり、歌って踊って元気になれる新曲「みどりのケセラセラ」

ポスト

丘みどりのニューシングル「みどりのケセラセラ」が7月21日にリリース
された。

◆ミュージックビデオ ほか

■新曲は丘みどりの明るさ全開の癒しナンバー

「めっちゃノリが良くて最高。歌って踊りたくなる〜」「歌って良し、踊って良し、とっても元気を戴きましたー!!」などのコメントがSNSで寄せられているこの新曲は、ポジティブで癒される曲。丘みどり持ち前の明るさがフルに活かされたナンバーだ。

作詩は森坂とも、作曲は岡千秋。“あくせくしたってしゃあないね”、“くよくよしたってしゃあないね”という関西弁の歌詞も、兵庫県出身の彼女だからこそ自然体。丘みどりは公式インタビューで好きな箇所について、「“そやね、そやな” “しゃーないね”。 私自身よく言ってる言葉なのでお気に入りです」とコメントしている。

ちなみに“ケセラセラ”はドリス・デイが映画の主題歌として歌い、流行語になるほど大ヒットした曲のタイトルでもあり、“なるようになるさ”というニュアンス。ピリピリしたり、テンぱったり、悲観的になりがちなコロナ禍に“ふーっ”と深呼吸させてくれるような楽曲であり、伸びやかな歌が際立っている。「色んなことがあるけど、たまには“なるようになるよ!”くらいの心でもいいと思っています。なのでそんな気持ちで笑顔で歌っていただけたらと思います!」と想いを語っている曲だ。



■昭和レトロな世界観のミュージックビデオの振り付け動画も話題に

先行してフルサイズバージョンがYouTubeで公開されたミュージックビデオは、神奈川・新横浜ラーメン博物館で撮影されたもの。映画館や薬屋の看板、電柱、建物など懐かしの昭和にタイムスリップしたかのような街並みを背景に丘みどりが歌うキュートな笑顔が全編にわたって楽しめる。

着物姿で歌う彼女のバックで踊っているのは昭和レトロなヘアスタイルとファッションに身を包んだ花柳糸之社中のメンバーで、後半で彼女たちの洋装が和装に変わるのも夏らしい華やかな演出。

思わずマネしたくなるような振り付けを担当しているのは丘が“東京の母”と慕う花柳糸之で、日舞をさまざまなジャンルに取り入れ、ももクロとのコラボも話題になった振付師だ。ほぼ同時に『「みどりのケセラセラ」振り付け【練習用】』動画がYouTubeにアップされたのも新たな試み



こちらは“手をクロスさせます”“ここから歌が始まります”“手を斜め上に放り投げます”など、親切でわかりやすい解説付きの動画になっているので、すぐにダンサー気分で「みどりのケセラセラ」を踊ることができる。ちなみに運動不足になりがちなコロナ禍のフィットネスとしても、幅広い世代にアピールしそうだ。

そして振付を気に入って、実際に“踊ってみた”動画をアップしている人たちもいる。みんな、「みどりのケセラセラ」を楽しんでいる様子だ。



なお、7月21日に発売になった「みどりのケセラセラ」プレミアム盤には、ミュージックビデオはもちろん、メイキング映像、振付けレッスン映像も収録されている。自宅でもじっくりミュージックビデオとダンスを楽しめる親切仕様だ。

■演歌歌手としての成功を支えたのは亡き母との約束

そんな明るく楽しい「みどりのケセラセラ」を聞いたら、丘みどりについて知りたくなってしまうもの。本楽曲で丘みどりのことを知った人に向けて、改めて彼女のプロフィールも紹介したい。

丘みどりは、2017年から2019年にかけて『NHK紅白歌合戦』に3年連続で出場を果たした。翌2020年にはデビュー15周年を迎え、自身初となるベストアルバム『丘みどり 15周年ベストアルバム』をリリースし、演歌歌手として確固たるポジションを築いたが、成功を手にする道のりは決して平坦ではなかった。

姫路市に生まれた丘は幼い頃から民謡を習い、「兵庫県民謡祭名人戦」で優勝。演歌歌手という夢を抱き、芸能界に入りたいという想いで18才のときにアイドルのオーディションを受け、グランプリを獲得する。テレビのバラエティ番組に出演し鍛えられるものの、アイドル生活に区切りをつけ、イチから出直し。演歌歌手としてシングル「おけさ渡り鳥」(2005年)でデビューを果たしたのは21才のときだった。

とは言え、当時の衣装はアイドルそのもので“ヘソ出し演歌歌手”として活動。翌年には病気の母親の看病のために活動を休止、母の他界という悲しみに襲われる。その後、歌手としての活動を再開するものの、思うような結果が出せず、何度も夢をあきらめかけたが、意を決してデビューから10年たった30才の時に上京。

移籍第1弾シングル「霧の川」(2016年)をリリースしたことがお茶の間での人気のブレイクに繋がった。亡き母に“いつか紅白に出場するから”と約束していたという丘みどり。ベストアルバムに収録されている「何度も何度も~母への想い~」は、そんな母への感謝の想いを込めて歌った10周年記念曲(シングル「椅子」のカップリング)であり、これでダメなら歌手を辞めようと思っていた曲だったが、このシングルが多くの人に聴かれるキッカケにもなった。

自身も結婚、母親になることが発表された丘みどりの歌手人生は“母”というキーワードを抜きに語れないものかもしれない。

■丘みどりにはこんな楽曲も

「みどりのケセラセラ」はいわば、丘みどりの中でもちょっと異色の作品。この楽曲だけで、丘みどりを知ることはできないのだ。丘みどりのことが気になってきたという方は、ぜひ下記のような楽曲も聞いてみてほしい。


「霧の川」
愛しても愛しても報われない切なさと別れを歌い上げた移籍第1弾シングル
はオリコンの「週間演歌・歌謡ランキング」で1位を獲得、有線リクエストランキングで5週連続1位になった。伸びやかで力強い歌声で実力派演歌歌手としてブレイクした曲。アイドルとして活躍していたことに納得のヴィジュアルと歌唱のギャップが丘みどりという歌手をいっそう輝かせている。

「明日へのメロディ」


SMAP、嵐、aikoなどを手がけたヒットメーカー、コモリタミノルをコンポーザーに迎え、新機軸を打ち出したナンバー。鍵盤の音色と憂いのあるメロディ、希望と絶望が交錯する歌詞が刺さってくる。演歌を歌いあげる彼女も魅力的だが、ミュージックビデオのミステリアスな世界観とリンクするような深みのある歌声は1度聴いたら忘れられない。

「喝采」
1972年にレコード大賞を受賞、今も歌い継がれているちあきなおみの大ヒット曲のカバー。好きな人を失った辛い経験、後悔を胸にスポットライトを浴びて恋の歌をうたう歌手の生き様を歌った曲であり、丘みどりの人生とも重なる歌詞。この曲の持つ重みに真っ直ぐに向き合って歌っているのが伝わってくる。

「木綿のハンカチーフ」
1975年に大ヒットを記録した太田裕美の代表曲。遠距離恋愛をモチーフにした失恋ソングで作詞は松本隆、作曲は筒美京平の黄金コンビ。都会で変わってしまった彼と故郷で待ち続けていた彼女の切ないラブストーリーを透明感のあるストレートな歌で表現。歌手としてのキャパシティの広さを感じさせる。
 
文◎山本弘子

New Single「みどりのケセラセラ」

2021年7月21日(水)発売
■プレミアム盤
KIZM-687~8 DVD付 ¥1,700(税込)
[CD]
1.みどりのケセラセラ
2.楡
[DVD]
みどりのケセラセラ ミュージックビデオ・メイキング映像・振付けレッスン映像

■通常盤
KICM-31032 ¥1,400(税込)
[CD]
1.みどりのケセラセラ
2.楡

<丘みどりリサイタル15周年+1〜演魅vol.3〜>

2021年12月13日(月)東京・新宿区立新宿文化センター
開場 16:15 / 開演17:00
チケット料金:S席 ¥7,500(全席指定・税込) / A席 ¥6,500(全席指定・税込)

この記事をポスト

この記事の関連情報